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夏祭り

作者: サニー

pixivから自分の作品を引っ張ってきました

これは、とある夏の日…


「おい誠!今日転校生が来るらしいぞ!」

「へぇ…」

俺の友人の駿は興奮気味で転校生について語っていた。

「なんとその子は女子でめっちゃ可愛いって話だ!」

「お、おう」

あまりにも興奮する駿にさすがの俺も少し引いてしまった。

チャイム鳴ると同時に先生が教室に入ってきた。

「よし席につけー、今日は転校生を紹介する。入れ」

するとドアから女の子が入ってきた。

「…市原奏です。よろしくお願いします」

駿の情報どうり確かに可愛い、黒髪ロングのポニーテールで背丈は少し小さかった。

「な、可愛いだろ?」

駿が小声でニヤニヤしながら話しかけてきた。

「まあ確かに可愛いな」

認めざるおえないというほど可愛い。

「それじゃあそこの空いてる席に座ってくれ」

「はい」

そう返事すると俺の席の隣に座った

近くで見ると可愛いの奥に少し大人っぽさが出ていた。

「よ、よろしくね」

「……」

無視…か。まあ会って数秒だからしょうがないか…


それから数ヶ月経った頃、俺と市原は少し話すようになっていた。

「次って移動教室だよね、一緒に行くか」

「うん」

こんな感じで返事を返して貰えるようになるほどには。

「そういえば市原はなんでこっちに引っ越して来たんだ?こんな何も無いようなとこに」

俺の住んでるとこはいわば田舎だった。周りには田んぼやらがあった。

「親の転勤でこっちに。」

「そっか」

なんだかんだ話していたら教室に着いていた。

それからは授業を受けた。

その授業中の時、駿が話しかけてきた。

「そういえばそろそろ夏祭りの時期だよな」

「あー、もうそんな時期かぁ」

神社でよくやる夏祭りは凄く大きい祭りで最後らへんには打ち上げ花火をたくさん打ち上げる。

「そうだ、俺と誠と市原で祭りに行かね?なんなら他の人も誘うし」

「お、いいな。市原も行くか?結構大きいぞ」

「うん、行く」

「よし、決定だな。こっちで何人か誘っとくからそっちは誰も誘わなくていいぞ」

「了解」

夏祭りは明日だった。


そして夏祭り当日

「よし、みんな来たかな?」

「うん、みんな揃ってるよ」

返事をしたのは駿の彼女の荒神彩香だった。

「よし、じゃあみんなしゅっぱーつ!」

「俺らも行くか」

「うん」

俺は市原と祭りを回ることになった。

「なんか食べたいものとかあるか?」

「…あれ」

市原が指を指したのはたこ焼きだった

「んじゃ食うか、俺が奢るよ」

「ありがと」

そこのたこ焼き屋は屋台の割にはお店に出せるんじゃないかと言うほど美味いと評判だった。

「おっちゃん、たこ焼き一つ」

「あいよ!お!彼女さんかい?」

「あ、いえちがい…」

「一つおまけしとくよ!まいどあり!」

どうやら勘違いされたらしい。

「悪いな市原、勘違いされたらしくて」

「ううん、大丈夫。」

市原はそう言うとたこ焼きをもってスタスタ歩いていった。顔が少し赤かったのはきのせいだろうか…?

彼女を追いかけていくと人気のないところにでた。

「あんまり一人で行くと危ないぞ」

「…」

彼女は足のスピードを緩めない。逆に上がってる気がする。

「おいほんとに危ないぞ…っておい!」

彼女はスピードを上げすぎたのか裾を踏んでずっこけた。

「おい大丈夫か?」

「…大丈夫」

幸い、大きな怪我はしてないみたいだった。

「お前ひざから血が出てるじゃないか、ちょっとそこに座れ。手当してやる」

「いや、大丈夫」

「いいから」

彼女を無理やり石段に座らせて手当をした。

「これでよしっと」

包帯を巻いただけの簡単な処置だったが何もしないよりかはマシだろう。

「まったく、なんであんな早歩きしてたんだ?それに、すこし顔が赤かったように見えたぞ?」

「それは…」

「まあ言いたくないならいいよ、それよりみんなの所に戻るぞ」

俺が祭りの方に戻ろうとしたら

・・

「…まって、誠君」

「え?」

俺の袖を彼女は掴んでいた。

「伝えたい事があるの」

「な、なんだ?」

心做しか変に緊張してきた…

「私…誠君の事が好き」

「…っ!」

なんの言葉も出てこなかった。今思えば告白されたなんて人生で初めてだった。

「俺は…」

言葉が詰まる。彼女の顔を見ると顔が赤くなってはいるが真っ直ぐな目でこっちを見ている。

「こんなこと、急に言われても困るよね…でも私はあなたに出会ってあなたと同じ時間を過ごして気がついたらあなたの事が好きになっていた」

「…市原」

「…なに?」

「俺も…」

言わなきゃ…

「俺もお前と出会って同じ時間を過ごして…」

ここではっきり言わなきゃ男じゃない!

「…お前の事が好きになっていた。この気持ちは気のせいじゃないかと思っていたけどお前の告白ではっきりした。俺はお前の事が好きだ」

俺は彼女の目をまっすぐ見つめて言った。彼女はさらに顔が赤くなって涙ぐんでいた。

「…俺と付き合ってください」

「…はい!」

彼女は凄い満面の笑みで答えた。


「…というのがお父さんとお母さんの出会いだったんだよ」

「へぇ!なんかろまんちっく?だね!」

「なんだ真理、そんなおしゃれな言葉が使えるのか!成長したなぁ!」

「あなたー!そろそろ行かないと祭り始まってるわよー!」

「おー、分かったよ奏ー!よし、行くか真理!」

「うん!」

それは夏の日のことだった…

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