九話 [CMしたいジョーカー部]
「ほんじゃ、今日のジョーカー部始めちゃおうかー!!」
『おー!!!』
「今日の議題は、アニメのCM内容を決めちゃうよー」
「結局マジでアニメ化決まっちゃったんですか…………話飛びすぎじゃないっすか?」
「なによ赤司、貴方が書いた小説が売れて遂にはアニメ化なのよ? 誇りを持って良いことだと思うけど」
「半ば部長の脅迫じゃないっすか」
「それじゃぁ意見がある人はてーあーげてっ!!」
「安定の清々しい無視っすねぇ!?」
今日の議題はCM。
アニメのCMだとするならば、話の内容等を詰め込んだ30秒程のコマーシャル。
だがしかし、そもそも陳腐な高校生ごときがこんな事を決めちゃって良いものか? いや、部長だからやりかねない。
いや、やる。
「ぶ、部長。CMの事は誰かに任されたんですか………?」
「うん? 全て私の独断と偏見よ。私に二言は無いよ」
「二言ありまくりでしょうが!! ところで部長はどんな感じのCMにしたいんですか?」
「うーん、先ずはねぇ………」
部長はたっぷり30秒程考えたのちに、答えを導きだしたようだ。
「CM自体を30分コマーシャルにしようっ!!」
「最早本編だろうがっ!! なにその怖いCMっ、30分の中にあらすじ入ったらガバガバですよっ!!」
「そんで視聴率は90%マーク!!」
「たかがCMで国民の殆どが見てるっ!! もうそれだけで満足過ぎる結果ですけど!?」
「そして最終回告知を含んだたっぷり30分コマーシャルっ!! 最高過ぎる!!」
「最早本編開始させる気なんてありませんよねぇ!? それはやめてぇ!! 人類の危機ですから!!」
もう最終的にはコマーシャル一本で人類の危機が訪れようとしていた。本編開始させる気が感じられないコマーシャルとはまさにこの事。
ここで人類未曾有の大事件を避けるために、黙っていた他二人に話を振る。
「み、美智はどんな感じのコマーシャルにしたいんだ? あまり変なのは止めてくれよ………」
「わーってるって。私の考えたコマーシャルは………」
「よぉ皆っ!! 私は柊 美智。極々平凡の高校二年生だ」
「オッス、オラ赤司!! ワクワクすっぞ!!」
「ホモォ(※冬美です)」
「そしてこの部長、偉大なる私、それは真樹乃ひのき、私が神なのよっ!!」
「こんな私達が紡ぐ、超絶スパーキングバトルアクション、[じょ~か~部!]今季アニメ開始だぜっ!!」
「ホモォ(※冬美です)」
「さぁ、今日の部活を始めるよっ!! 皆で行くよ~!! せーのっ」
『ジンバブエェエエエエエエエエエ(ホモォ)』
「濃すぎるわっ!!」
「そうかぁ? 良い感じに皆の特徴は捉えただろ?」
「それは皆じゃなくて部長と私の間違えだろ!? 俺なんか軽く髪の毛カカ○ットだよ!!」
「カ○ロットで良いだろうが。冬美とかまんまだろ?」
「まんま過ぎるっ!! 確かにあんな感じだけどっ!!」
それを聞いてか、冬美ちゃんが身を強張らせる。流石に当たり構わずホモォなんて言わないよな………。
俺は期待を込めて冬美ちゃん声をかける。
「ふ、冬美ちゃんは良い案出してね………。期待してるのは君だけなんだから………」
「ふぇ? わ、私ですか………そうですね、こんな感じでしょうか」
「ぶ、部長………流石に駄目ですよ、ここは部室なんだし、拓ももうすぐ………」
「へ? 良いじゃないの美智。貴方の体はもうこんな………反応してるんだから……♪」
「あっ……ああっ………だ、駄目だ……もう、無理ぃ……っ!!」
「いやぁん♪」
(ここで盛大にところてんをぶちまける美智)
「超絶ユリユリ官能ファンタジー、ここに開幕。[じょ~か~部!](口からところてんをたらしながら)」
「さぁ、今日も百合の香りを嗅ぎましょうね………(口からところてんをたらしながら)」
「誰得だよっ!!」
「そんなの私得に決まってるじゃないですかっ!!」
早速エロルートだが、ぶっちゃけ俺は期待はしてない。百合は嫌いなんだよなぁ………。
ここで突っ掛かっていた部長が入ってくる。
「じゃぁ、赤司はどんな感じのコマーシャルにしたいのよ。これで決まるでしょ?」
「うぇぇ……………俺のかぁ………」
「よぉ!! 俺は極々平凡の高校二年生、赤司 拓だ」
「同じく二年、柊 美智だっ!!」
「そ、その妹の、柊 冬美ですっ………」
「そしてこの世界を統べる全ての部長、ゴッドオブヒューマンのひのきとは私の事、真樹乃 ひのきよっ!!」
「こんな俺達が紡ぐ、青春グダグダ系日常コメディ。[じょ~か~部!]」
「さぁ、今日も部活を始めるよぉ――――っ!!!」