八話 [計画したいジョーカー部]
「うん、皆そろったし、今日もジョーカー部始めちゃうよー!!」
『うおおおおおおおおおおおおお』
「ひえぇっ!? きょ、今日は皆、元気だね…………」
『当たり前でありますっ!! 部長殿!!』
「ぶ、部長殿っ!? いやいや今日はおかしいよっ!! 皆は部長殿なんて言わない~!!!」
今日の俺達には理由がある。まぁ当たり前だろう。
本日は、12月の24日。
そう、クリスマスイブであり、三学期終業式だ。
「うぅ…………皆変だけど、始めるよ……。先ずはアニメ化計画よっ!!」
「いやいやいきなり根こそぎ持ってきますね!! レーベル黙って無いですよっ!!」
「電○とか○撃とかはカスよ!! 今回は全てを富士見ファンタジ○さんに任せる事にしたわっ!」
「もう言っちゃってますよ部長さん!?」
「冬美ちゃんは黙ってなさいっ!! 今回は本気よ、今期のアニメ枠は我々が占拠よ!!」
いきなり核心をエルボーした話になってきた。まだ書籍化しただけだってのに、張り切り過ぎている部長の暴走は止まらない。
電撃○庫をゴミカス扱いした部長はもう止められないだろう。
「M○文庫やスニー○ーも役立たずだし、ここは本命の富士見ファン○ジアの力を借りるべきなのよ!!」
「書籍化したのはどこの文庫のお陰だったんですかね!? 富士見フ○ンタジアの力を借りるどころかレーベル一本ゲットしちゃう勢いですけど!?」
「今回はSA○に乗っかって異世界ファンタジーを持ち込むよっ!!」
「地味に隠しきれてないですけどっ!? まさかの[じょ~か~部]根本を揺るがす異世界発言っ!!」
[じょ~か~部]は異世界ファンタジーらしかった。もうこれ迄の8話に渡る全ての要素が覆った。ここで状況を悪く見た柊姉妹が打って出る。ここで増援は嬉しい。
「部長さん、流石にレーベルを潰すのは止めた方が良いと思うぜ? アニメ化する上でも色々と不都合だし………」
「仕方無いね美智、貴女には好きな声優選んで貰おうっ!!」
「な、なにぃっ!?」
ここは負けじと部長も勝負に出る、声優を選べるなど幸せの極み。それを回避することはオタクの美智にとってほぼ不可能。
それを知った上でのこの発言、流石部長、考えが深い。
「………………金田○子」
『金田朋○っ!?』
「流石美智ね、奥が深いわ」
「いや深すぎるわっ!! もう痛々しい過ぎて涙が出るレベルですよ!!」
「良いんだ拓。私はもう一段階上の大人を目指して見るよ………カクッ」
「カクッ!?」
ここで美智がリタイア。机にうつ伏せになって突っ伏している、可哀想過ぎるぜ………美智よ。
自分の姉の影響もあってか、ここで冬美ちゃんも手を挙げる。これは中々期待だ。
「わ、私良いですかねっ!?」
「うん、別に構わないけど…………。誰が良いの?」
そうそう皆さん、犠牲になるのはレーベルだと言うことをお忘れずに。一つレーベル倒産確定。
この一室でレーベルの命運を分ける会議が行われてる。
「…………く○ら」
『くじ○っ!?』
これには俺もおろか部長まで驚いている。流石にインパクト強すぎだろうが。
「え、えぇ…………。部活に○ロチ丸は居て欲しくないよ………」
「いきなり部屋にオロ○丸出てきたら最早絶叫モノですよね………」
「じゃぁ美空ひ○りで大丈夫です」
「そっちの大蛇じゃないよっ!! というか時間枠が完璧に間違え過ぎだよっ!!」
「安心しなさい赤司。黄泉転生でなんとかなるって」
「まだNAR○TOネタ続いてたんですね!!」
いきなり冬美ちゃんがサス○声をかける様なオロチ○が出てきたら読者置いてきぼり展開にも程がある。
まぁでも、俺は小野○輔が良いかなぁ。
「まぁでも、俺は小野大○が良いかなぁ」
うっかり声に出してしまった。慌てて口を塞ぐがもう遅い。
部長がニタァと此方を向いてにやける。
も、もしかして、俺の意見を聞いてくれるんじゃ―――――
「よし、じゃぁ声優は個人で担当っ!! 今日もお疲れさまーっ!!」
『お疲れさまでしたー』
「なんで毎回俺だけアウェーなの!? ねぇ何でっ!?」
部長が帰った後。ジョーカー部改め、演劇部にて。
俺達は、部長を除いた計三名が集まっていた。
辺りはもう暗い、残っている部活だったら俺達だけだろう。
「本当に、それでいいんですかね…………部長さん怒ったら結構………」
「冬美ちゃん、絶対に成功させるし、問題無いよ」
「よし、拓も冬美も決まりだな。じゃ、作戦実行に向けて明日から詳しく計画立てるぞ」
『おーっ!!』
今日もジョーカー部は、元気だった。
すいませんでした。 急性の病気により、少し休まなくてはいけない日々がありまして、日が結構擦れてしまいました。挽回するべく頑張って行きますので、これからも応援宜しくお願いいたします。