五話 [祭りたいジョーカー部]
「よぉーっし!!!! 今日のジョーカー部、始めるぜぇええええ!!!」
『ジンバブエェエエエエエ!!!!』
「ジンバブエって何!? つかテンション高っ!!」
「さて皆、今日はウチの部活の学園祭についての出し物を決めよー!!」
高らかに部長が声を上げる。とてとてと椅子から立ち上がり、何時もの様にホワイトボードに丸っこい字を書き綴る。
うちの学校の学園祭は結構ハデというか、やかましい。全ての部活が強制参加で参加しなければ即廃部とかいう意味の分からん学則なのだ。
「…………よしっ!! じゃぁ、皆? ジョーカー部でやりたい事を言ってって!!」
『演劇で良いんじゃ無いですか?(無いのか?)』
「えぇ…………うん、まぁ………」
ジョーカー部こと演劇部。演劇部ことジョーカー部である。すなわち演劇をしなければいけない。
一応俺達はジョーカー部に所属しているが、皆無経験。ただ演劇部という大きな名前と地位を借りて作られたのがジョーカー部だ。勿論作った人は他でも無い、部長。
「な、なんかそれは詰まんないじゃない? 他の奴にしようよぉ」
「他の奴って言われても、特に無いんですよね………。何も取り柄の無い俺には」
「赤司にはでしょ?」
いやいや俺にはって。まぁ何の取り柄も無い俺だけど。
そもそも他の約一名がすこぶる神的身体能力を持っているだけで薄く見られてると言いますか………。
つまり、美智以外は、薄い。
薄すぎる。例えるならたこ焼きを買って箱の中身をみたら小麦粉の粉末と生たこが入ってる見たいな物だ。
もっと言えば藤岡ヒ○シから仮面○イダーを抜いた時みたいな感じだ。
「うーん、そうだなぁ。美智が凄すぎるから赤司達が薄い………元々だけど」
「軽く頭の事言ってませんかねぇ!? その頭頂部を見ながら言うのやめてぇー!!」
「ふふ……ふ、冬美は元々薄いのです、ふふ、………一緒に薄くなりましょう先輩……」
「何その冬美ちゃんのアングルは!? ちょ、ちょっと美智も何か言えよっ!!」
俺が助けを乞う様に美智に言うと、美智は悪どいニヤケっ面を俺達に向ける。
「ごめんなぁ冬美、拓。濃い人間は一人で良いんだよぉブルーハワイ味」
「あぁっ!! 薄い!! 薄すぎるっ!! 今の美智は例えるなら練乳だぁ!?」
ここで流石のわがまま部長も痺れを切らしたのか、話に入ってくる。
「ちょ、ちょっと!! 内容全く進んでないよ!! ちゃんとやってよ三人ともっ!!」
『はーい』
「さて、皆から意見を出して貰おうかなっ!」
部長が高らかに声を上げる。いや、使い回しじゃない。
「部長さんっ!! 冬美に良い案があるのですっ!!」
「玄縁学園総GL化計画以外ね」
「えぇっ!? それ以外他に何の案があるんですかっ!?」
「未来性皆無かっ!! 冬美ちゃんは無視して、ほかに誰か!?」
「じゃぁ学園全体を用いた総バトルロワイヤルを開幕しようぜぇ!!」
「先ずはその二人の実用性の無さから考えた方が良さそうかもねぇっ!? どこのビートた○しよっ!!」
「私的にはバトルロワイヤル2の方が迫力があって面白かったな」
「聞いて無いよっ!?」
もう部長がツッコみ過ぎてバテている。酸欠になりかけだ。ここは俺の出番かな。
「もうちょっと普通の案は無いのかよっ!? 例えば………そうだっ!! 出店ってのはどうだ?」
「ほぉ、出店ですか…………先輩って白濁の液体の他に何か作れるんですか……?」
「いや何その俺カルピス原液100%人間。白濁の液体の他にもっと上等な物は作れるわっ!!」
毎回冬美ちゃんは全く別の方向に下ネタを走らせる。ツッコミの回転は上がるが、結構際どい。何言ってんだ俺。
「拓が料理出来るなんて初耳だな……。どうせ自分自身をティッシュにぶちまけてるんだろ?」
「アンタ達下ネタのセンス息ピッタリですねぇ!?」
「まぁでも、焼きそば位なら私だって作れるぞ」
「冬美も納豆ご飯位なら朝飯前ですよっ!!」
「冬美ちゃんのそれに至っては既に朝飯だよっ!! ぶ、ぶちょぉ………」
あ、駄目だ。ツッコミが止まらなすぎて泣けてくる。ここで部長を呼ぶ事にした。
いち早く回復した部長に交代のハイタッチを放つ。
「それじゃぁ焼きそば屋さんで決まりっ!! 材料は赤司負担で一つ二千円だよっ!!」
「俺の負担は未だしも二千円て…………。流石にそれじゃ人は買いに来ないですよ」
「中に私達のプロマイドを入れておくわ」
学園祭は、大成功に終わった。
お祭りです。一応ツッコミとボケが何時もより多いです。疲れましたね。