すぴんおふ! [Re:ゼロから始めるジョーカー部]
「パクったんじゃないわ!! 乗っかりよ!!」
最早言い分はそれだけだった。
お気付きの通り、もうご覧の皆様が思ってる通り。
乗っかりました。
えぇ、パクりじゃないですよ? パクりじゃ。
「今のご時世、人気の作品とか今流行りのブームに乗っからなきゃ生きていけないの!! 赤司のクソ小説なんか2秒で瞬殺よ!! スト2の改造ザンギエフ並みの早さよ!!」
「あ、あの………部長さんのツッコミが分かりにくいかと」
「じゃぁ冬美ちゃんはこんな野蛮なスラム街をカス風情の貧弱ボーイが歩けると思うの? 無理よ!!」
「ひぅ!? すす、すいましぇん…………」
あ、ヤバい。冬美ちゃんが泣き出してしまった。おまけに困った部長さんも水分が溜まってきた。
ここは影の部長たるこの赤司 拓が一肌脱ごうではないか!!
「ぶ、部長、先ずは部活を開始しないと…………」
「そ、そうね!! 冬美ちゃんなんて居なかったんだわ!! 今日もジョーカー部始めるわっしょい!!!」
『イエッサー!!』
「もう、もうこんな部活嫌ですぅ―――――!!」
「さて、今日の議題がタイトルになっている事でしょうし、今回は「Re:ゼロから始めるジョーカー部」よ!!」
「いやもうその時点で色々とスレッスレなんですけど。紙一重なんですけど」
「そんな事言ってたら会議が進まないじゃないの!! 赤司は黙ってて!! プレイステーション7が出るまで!!!!」
うん、ぶっちゃけもう既にそのネタは使っている。俺達ジョーカー部員は、全員がマンネリ化している事を知っていた。
恐らくそれを重く見た部長が活気づける為に動いたのだろう…………としか言いようが無い。
「んで、また何でリ○ロに乗っかるんですか?」
「ふふん、良く聞いてくれたね赤司。この彗星の如く現れ天変地異を巻き起こした小説に、すこーしだけお世話になろうと思って…………以上」
あ、もう喋っていいんだ。
まぁ、結構いきなり現れて大暴れした小説だった。挙げ句アニメ化という快挙を成し遂げた。
アニメも好評で社会現象とまでは行かなかったが、人気になったアニメだった。
「だからね、私達のビックバン的人気と○ゼロさんのブラックホール的人気を合わせれば私達の小説もうなぎ登り…………大好評…………印税…………」
「最後サラッとクソ発言が聞こえましたけど、確かに間違ってないですけど色々とそこら辺セーフなんですか?」
「うん大丈夫!! リゼ○の担当さんに話付けといたから………………多分」
話付けてないでしょう絶対。
完全に独断と偏見と圧倒的自己中により成り立つコラボになっている。
「ええっと、先ずはジョーカー部異世界進出を記念して今日は飲もー飲もー!!!」
美智が茶たんすからお茶を出し、ポットからお湯を注ぐ。
氷を何個か入れた生温いお茶を部長はぐびぐび飲み干し、コップを机に勢い良く叩きつける。
「これもまた面倒な事に……………つか美智も賛成なのかよっ!?」
「あ? …………まぁな。異世界って強い奴らとか結構居そうだし、ワクワクするぜ………!!」
考える事が某戦闘民族の頭だった。
そ、それはさておき冬美ちゃんはまだマトモだと思うけど…………
「ギュフフ…………部長さんと美少女エルフ…………フフ………フフフフフ…………」
終わった。
今日も、ひたすら電撃文庫方面に土下座をし続ける俺だった。