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一.駐車所
マオ
「結構、利用者が居るな〜。
セロ、人が多いから迷子になるなよ」
セロ
「はいはい」
マオ
「………………余所見して返事をするな!
《 竜車受付所 》は此方だぞ!」
調教されている牛や馬が珍しいのか、セロは動物を見るのに夢中だ。
痺れを切らしたマオは、セロの手首を掴むと《 竜車受付所 》へと向かう。
セロ
「マオ、あの赤い服を着ている男性ですが──、何故、一両の車に 三頭の竜を使います?」
マオ
「ああ、それは荷物が多いからだよ。
荷物の総重量に応じて、牛,人,馬,竜の数を増やしてもらえるんだ。
料金は確りと上乗せされるけどな。
竜を 三頭も使うなんて余っ程、重たい荷物なんだろうな。
──って、言ってる側から余所見するなよ!!」
セロ
「マオ、怒らないでください」
マオ
「別に怒ってないだろ!
時間が無いんだ。
さっさと行くぞ!」
セロ
「はいはい」
マオ
「…………返事は 一回でいいよ…」