✒ 噴水広場前:オマ(6) / 駐車所を目指して…
──*──*──*── 噴水広場前:オマ(6)
マオ
「 話ながら歩いたから、予定より時間が掛かったな〜。
此処──《 大広場一区 》から《 大広場三区 》へ歩くと約24時間も掛かるんだ。
《 守護衛所 》に着いたら明日の夕方になるから、車に乗るぞ! 」
セロフィート
「 車…です? 」
マオ
「 そっ。
車って言っても屋根が付いてるような立派な車じゃなくて、都民が手軽に利用の出来る移動車だけどな。
《 駐車所 》に行くぞ 」
セロフィート
「 マオ…《 駐車所 》は近いです? 」
マオ
「 此処から徒歩10分くらいかな。
セロは車に乗った事あるのか? 」
セロフィート
「 いえ、ないです 」
マオ
「 都内で乗れる車は4種類あるんだ。
観光車の2種類と移動車の2種類な。
観光車には、ゆったり観光用の牛車と、じっくり観光用の人力車があるんだ。
この2種類の観光車には、専用道路が無いから労働許可証を提示しなくても利用が出来るんだ。
移動車には馬車,竜車があって、速度が速いから専用道路が作られてるんだ。
必ず馬車は馬車道を走らないといけないし竜車は竜車道を走らないといけない決まりになってるんだ。
移動車を利用するには労働許可証を提示しないといけないんだ。
専用道路は≪ 都 ≫ならではだよな〜 」
セロフィート
「 マオは馬車に乗るつもりです? 」
マオ
「 いや…馬車よりも竜車だな。
竜の方が馬よりも体力,脚力,速度力が高いんだ。
竜車だと馬車の半分以下の時間で目的地に着けるからな。
時間の無い時や特に急いでいる時は竜車を利用するに限るよ 」
セロフィート
「 竜を見れるとは楽しみです♪ 」
マオ
「 竜は大人しいけど、人懐っこくないから、必要以上に近付くなよ?
怪我をしたなら即入院ものだからな 」
セロフィート
「 それは気を付けねばなりませんね。
残念です…… 」
マオ
「 調教されていても竜だからなぁ。
いいか、セロ──、呉々も牛や馬にも近付くなよ? 」
セロフィート
「 安心してください、マオ。
入院したくないですし、近付きません 」
マオ
「 ならいいけど……。
あっ、見えて来た!
鮮やかな緑色が見えるだろ?
あれが《 駐車所 》の屋根だ 」
マオは見えた屋根へ指を差してセロフィートに教えるが、背の高いセロフィートはマオよりも早く屋根の色に気付いていた。
鮮やかな緑色が《 駐車所 》の屋根だとは知らなかったセロフィートは、教えてくれたマオの頭をうっかり撫でいた。
マオ
「 な・ん・でっ、オレの頭を撫でてるんだよ!! 」
セロフィート
「 すみません……つい♪ 」
マオ
「 『 つい♪ 』で撫でるの、止めてくれよな!
セットした髪型が乱れるだろ〜 」
セロフィート
「 乱れる程あります? 」
マオ
「 あるよ!!!! 」