──*──*──*── 宿屋街
《 宿屋街 》の路上に出たマオは立ち止まる。
セロフィート
「 マオ?
どうしました? 」
マオ
「 オレん家へ行く前に《 守護衛所 》へ寄らないといけないんだよ 」
セロフィート
「 今からです?
閉まってません? 」
マオ
「 《 守護衛所 》は役所と違って22時迄開いてるんだ。
依頼人から受け取った報酬は、そのまま持ち帰ったら駄目なんだよ。
日にちが変わる前迄に必ず《 守護衛所 》へ届ける決まりなんだ 」
セロフィート
「 ははぁ…。
そうなのですか 」
マオ
「 遠回りになるけど…いいかな? 」
セロフィート
「 ワタシは構いません。
《 守護衛所 》にも行ってみたいです 」
マオ
「 期待しても面白い所は無いぞ。
《 守護衛所 》へは《 大広場三区 》へ出ないと行けないんだ。
取り敢えず《 噴水広場前:オマ(6) 》へ戻るぞ 」
セロフィート
「 分かりました。
《 大広場三区 》は遠いです? 」
マオ
「 そうだなぁ……遠いかな。
11時 ~ 2時の方角になるからな〜。
《 大広場一区 》は時計で5時 ~ 8時の方角になるんだ。
其処から時計回りに8時 ~ 11時の方角に《 大広場二区 》があって、更に時計回りで11時 ~ 2時の方角に《 大広場三区 》だろ。
其処から時計回りに2時 ~ 5時の方角に《 大広場四区 》があるんだ。
レドアンカの中央──時計の中心部分にはレドアンカの冠婚葬祭を一手に引き受ける《 神聖堂 》があるんだ。
因みに≪ レドアンカ ≫を治おさめる領りょう主しゅ様さまの御お屋や敷しきの領りょう主しゅ邸てい宅たくは《 大おお広ひろ場ば四し区く 》にあるんだ。
まあ、案あん内ない板ばんを見みれば一いち目もく瞭りょう然ぜんだけどな 」
セロフィート
「 ≪ レドアンカ ≫は広ひろい都みやこですね 」
マオ
「 そうだな〜、大おおきい方ほうに入はいるかもな。
流さす石がに≪ 王おう都と ≫には敵かなわないけどさ 」
セロフィート
「 ≪ 王おう都と ≫はそんなに大おおきいです? 」
マオ
「 ん〜……オレも未まだ行いった事ことはないけど≪ 王おう都と ≫から来きた旅たび人びとの話はなしだと≪ レドアンカ ≫並なみの≪ 都みやこ ≫は≪ エルゼシア大たい陸りく ≫に全ぜん部ぶで8つあるらしいんだよ。
≪ 王おう都と ≫では≪ 八はち大だい都みやこ ≫って呼よんでるらしい。
──で…≪ 都みやこ ≫の大おおきさを決きめているのは≪ 王おう都と ≫で暮くらして居おられる王おう様さまでさ、何ど処この≪ 都みやこ ≫も同おなじなんだって。
吃びっ驚くりだよな〜。
他ほかの7つの≪ 都みやこ ≫も≪ レドアンカ ≫と同おなじ大おおきさなんだぜ! 」
セロフィート
「 どの≪ 都みやこ ≫も行いってみたいですね 」
マオ
「 だよな〜!
1度どでもいいから≪ 王おう都と ≫に行いってみたいよ!
≪ エルゼシア大たい陸りく ≫を治おさめている王おう様さまが住すむバセリナ城じょうを間ま近じかで見みてみたいよな〜。
バセリナ城じょうの中なかには城じょう内ない許きょ可か証しょうが無ないと入いれないけどさ城じょう下か町まちの探たん検けんが出で来きたら面おも白しろいだろうな! 」
セロフィート
「 きっと楽たのしいと思おもいます 」
マオ
「 あっ…《 噴ふん水すい広ひろ場ば前まえ:オマ(6) 》に着つくぞ! 」
話はなしながら歩あるいていたマオとセロフィートは、漸ようやく《 噴ふん水すい広ひろ場ば前まえ:オマ(6) 》へ到とう着ちゃくした。