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✒ 宿屋街 3 / 豚常呂亭 2 / 運命の出逢い


黒髪の少年

「 ──うわっぷ?!

  なっなんだよ〜~~ 」


セロフィート

だいじょうです?

  ゆうかんぼうや 」


黒髪の少年

「 ──ぼ…ぼうや……だぁ?

  だれが『 ぼうや 』だよ! 」


セロフィート

「 はい?

  きみことです 」


黒髪の少年

鹿ろう!!

  オレは『 ぼうや 』じゃない!!

  ……たしかににもたかいとはえないけどだな── 」


店員

さすしゅえいですね〜~!

  ぶんよりもおおきなあいにもひることなくハッキリとものもうすなんてかんどうしましたよ〜~ 」


黒髪の少年

「 そりゃどうも。

  えーと……ってるたかしろずくめのアンタ。

  そろそろ退いてほしいんだけど… 」


セロフィート

「 はい? 」


黒髪の少年

「 『 はい? 』じゃなくてだな~。

  アンタが退いてくれないとオレは宿やど(とんとこ)(てい)からられないんだよ。

  かってる? 」


セロフィート

「 あぁ──。

  ワタシのことです? 」


黒髪の少年

「 さっきからそうってるだろ?

  ──退いてくれるよな? 」


セロフィート

「 ………………………………………… 」


黒髪の少年

「 うん?

  どうしたんだよ?

  オレのこえちゃんとこえてるよな? 」


店員

きゃくさま

  だいじょうですか? 」


セロ

「 ……………………はい? 」


黒髪の少年

「 おいおい…『 はい? 』じゃないだろ~?

  まぁ、いいけど……。

  ところでアンタは(とんとこ)(てい)なにしてんの? 」


店員

(とんとこ)(てい)宿しゅくはくしてくださるきゃくさまですよ〜~ 」


黒髪の少年

「 ふぅん?

  かったじゃん。

  さいきんきゃくあしよろしくないよね~~ 』ってうわさいてたしさ 」


店員

うわさけないでください!!

  たしかにきゃくさまってますけど…… 」


黒髪の少年

「 アンタ、チェックインしたの? 」


セロフィート

「 いいえ……。

  これからです 」


店員

此方こちらきゃくさまは≪ レドアンカ(みやこ) ≫にられたのはこんかいはじめてらしいですよ〜~ 」


黒髪の少年

「 へぇ?

  アンタ…たびびとなんだな。

  ようこそ≪ レドアンカ(みやこ) ≫へ!!

  しゅえいとしてかんげいするよ 」


セロフィート

がといます 」


黒髪の少年

ちなみにアンタのしょくぎょうってなんなの?

  ≪ レドアンカ(みやこ) ≫にあたらしいしょくさがしにたの?

  それともてんきんしてたの? 」


セロフィート

「 ワタシはぎんゆうだいじんです 」


黒髪の少年

「 ………………は?

  ぎんゆうじん?? 」


セロフィート

「 いいえ、ちがいます。

  ぎんゆうだいじんです。

  “ だい ” をわすれないでください 」


黒髪の少年

「 ──えっ?

  あ、あぁ……そうか??

  (ぎん)(ゆう)()(じん)しょくぎょうにしてんの?

  なんために? 」


セロフィート

「 さぁ?

  『 なんために 』とかれてもこまります。

  ──あぁ…でも…ワタシはろうどうきょしょうっていないしょうしんしょうめいぎんゆうだいじんです 」


黒髪の少年

「 はぁあ?

  ろうどうきょしょうっていだぁ?

  いまどきそんなやつないだろ!

  いまあそにんだってろうどうきょしょうってるだいだぞ 」


セロフィート

「 そのようですね 」


黒髪の少年

「 ………………なぁ…アンタ、やくしょくか?

  アンタさえければだけど、オレがれてってやるけど?

  ぎんゆうじんしょくぎょうだからな。

  しんせいしょていしゅつすれば、1しゅうかんにはろうどうきょしょうはっこうしてもらえるよ。

  いまろうどうきょしょうていしないと宿しゅく()はく()せつ()でチェックインをしてもらえないし、チェックインがない宿やどえててるんだ。

  ものをするにしてもろうどうきょしょうていしないとにゅうてんさせてもらえないみせえててるしなぁ…。

  らないのか? 」


セロフィート

「 ははぁ……。

  そうです?

  それはりませんでした 」


黒髪の少年

「 アンタ……たびびとなんだろ?

  だいことだろ~~。

  なんらないんだよ!! 」


セロフィート

「 そうわれましても……。

  宿やどまれないとなると……こまりました。

  じょう宿じゅくいやですし…… 」


黒髪の少年

宿じゅくだぁ?

  なにってんだよ、アンタは!

  ない宿じゅくなんてないぞ。

  宿じゅくなんかしてみろ。

  みんつうほうされてけいへいに、しょっぴかれるぞ 」


セロフィート

「 そうです? 」


黒髪の少年

「 そうなの!

  ないあんみんあんぜんあんしんまもためじょう宿じゅくしてると “ とうやから ” とか “ ろうしゃ ” としてつうほうされることになってるんだ。

  けいへいへのつうほうみん!!

  いまたびびとじょうしきだぞ 」


セロフィート

「 そうです?

  ……けいへいれてかれるのはこまります 」


黒髪の少年

ぜんぜんこまってるようにはえないけど?

  ──(レドアンカ)やくしょは17まるし……。

  いまから(とんとこ)(てい)てもとうていわないからやくしょくのは明日あしたにするとして……。

  もんだいこんひとばんをどうするか──だな 」


セロフィート

なんとか宿やどまれません? 」


黒髪の少年

「 だ〜か〜ら〜~~!

  さっきもったろ?

  (レドアンカ )の《 宿しゅくがい 》の宿しゅく()はく()せつ()宿やどろうどうきょしょうていしないとチェックインがなくてまれないの!

  ろうどうきょしょうていしなくてもまれるのはみんくらいで──。

  ……………………かたいか… 」


セロフィート

「 どうしました? 」


黒髪の少年

「 ………………うん。

  こんとくべつに、オレんめてやるよ 」


セロフィート

きみがワタシをめてくれます? 」


黒髪の少年

「 ──うん。

  しょたいめんだけどさ、ことわしたしょうぎんゆうじんけいへいれんこうされるのをたら、此方こっち(オレ)めがわるくなりそうだしな 」


セロフィート

「 それはたすかります。

  どうもがとう。

  しんせつぼうや 」


黒髪の少年

だれが『 ぼうや 』だ!

  オレは『 ぼうや 』じゃないぞ!

  さっきもったろうが。

  オレよりたかいからってどもあつかいするなよ! 」


セロフィート

「 どうてもどもです 」


黒髪の少年

どもじゃない!!

  オレは、こうえてもりっしゅえいだぞ!

  それにオレは16さいだ。

  ちゃんとせいじんしてるんだぞ! 」


セロ

「 ……………………そうです?

  てっきり12さいしょうねんかと…… 」


黒髪の少年

しつれいヤツだな、アンタは!

  この≪ エルゼシアたいりく ≫では15さいたんじょうむかえたわかものせいじんとしてあつかわれるようになってるんだぞ。

  せいじんむかえられたことたいして〈 たいりくしんエルゼシアさま 〉へかんしゃいのりをささげるしきせいじん 〉がおこなわれるだろ。

  ……………まさか…それすらも “ らない ” なんてわないよな?? 」


セロフィート

あんしんしてください。

  そのことってます。

  ただ…あまりにもきみおさなえるので──。

  つい♪ 」


黒髪の少年

なにが『 つい♪ 』だよ!

 ( コイツはぁ〜〜〜!!!!

   けいへいつうほうしてやろうか!!

   いやいやいや…、け、マオ!

   あいくさってもぎんゆうじんしょう” だ。

   さわぎをこすのはくないって。

   それにオレはしゅえいだ。

   せいじんもしている大人おとななんだ。

   しっかこころかせて、まえあい── けんらずっぽいざんねんぎんゆうじんしょう ” ──とせっするんだ!

   うん、オレはいまたいりくしんエルゼシアさま 〉からにんげんせいためされてるんだ!!

   そうにちがいない!

   オレはしゅえいなんだ。

   かんたんに〈 たいりくしんエルゼシアさま 〉の “ おためし ” にはひっからないぞ!!

   オレは “ おためし ” をにクリアしてみせる!! )」


セロフィート

「 どうしました?

  ぶんでもすぐれません? 」


黒髪の少年

「 ──は?

  え??

  なんだよ?

  アンタ……オレのしんぱいしてくれたの?

  なんでだ?? 」


セロフィート

きゅうだまんだのです。

  しんぱいにもなります。

  おかしいです? 」


黒髪の少年

「 ──っ(////)

  べっべつに、おかしくない……とおもうぞ?

  そりゃ、そうだよな?

  さっきまではなしてたヤツきゅうだまんだらしんぱいぐらいするよな?

  ……うん、する。

  オレもアンタとおなじようにしんぱいするとおもうよ。

  …………その…しんぱいしてくれて……がとな(////) 」


セロフィート

「 どういたしまして。

  らずのワタシにたいしてしんせつにしてくれるのです。

  とうぜんです 」


黒髪の少年

「 だよな!

  ──あっそういえば、ってなかったよな?

  オレのまえは、マオだ。

  しゅえいのマオ・ユーグナル。

  みじかあいだになるけどよろしくな☆

  ──で、もちろんアンタもオレにまえおしえてくれるだろ? 」


セロフィート

「 …………マオ?

  ずいぶんみじかまえですね。

  めずらしい 」


マオ

「 そうかぁ?

  まぁ、ほかヤツまえくらべたらみじかいかもな…。

  ──で、アンタのまえは?

  なんべばいいんだ?」


セロフィート

「 そうですね── “ だいなるぎんゆうだいじんさま ” とか、どうです? 」


マオ

「 ふ・ざ・け・ん・なっ!

  アンタ、もしかして……けてもらえなかったびとなのか? 」


セロフィート

「 いえ、りょうしんけてくれたまえはあります 」


マオ

「 だったら、えよ 」


セロフィート

たのたいではありませんね、マオ 」


マオ

「 オレ、ちゃんとったよな?

  まえったよな?

  なんでアンタがおこってんの?

  オレがわるものみたいになってんだよ?! 」


セロフィート

「 ふふふ──なんちゃって。

  冗談ジョーダンです♪ 」


マオ

「 じょ…じょうだんだぁ?? 」


セロフィート

「 はい♪

  ワタシのことは “ セロ ” とんでください。

  それがいまのワタシのまえです 」


マオ

「 ………………は?

  いままえ?? 」


セロフィート

「 はい♪

  したしみをめて “ セロ ” とんでください。

  ああ、でも “ どうしても ” とうのであれば “ だいなるぎんゆうだいじんセロさま ” とんでくれてもかまいません。

  びたいです? 」


マオ

「 …………びたくないな。

  ながいだろ!

  “ セロ ” ってぶよ。

  したしみをめてぶのはむずかしいとおもうけどな!!

  なにはともあれよろしくな、セロ 」


セロフィート

「 はい♪

  此方こちらこそ、よろしくおねがいします。

  マオ 」


マオ

「 ──ってぇ、あたまでるなーーー!!

  オレはみぎしてんのに、なんでセロはオレのあたまでるんだよ!! 」


セロフィート

「 あぁ……ほんとうですね。

  すみません、マオ。

  ちょうやすたかさにあたまがあるものですから……つい♪

  ふふっ 」


マオ

「 『 つい♪ 』じゃないっ!!

  うれしそうにわらうな! 」


セロフィート

「 だって──、ねぇ? 」


マオ

「 オレにどうもとめるなよ…… 」


セロフィート

「 ふふふ。

  マオはおもしろですね。

  いっしょたのしいです♪ 」


マオ

「 そうかよ。

  オレはたのしくないけどな!

  かいだけどな!! 」


セロフィート

「 マオとワタシ、なかくなれそうですね♪ 」


マオ

「 ………………なれないとおもうよ? 」


店員

「 え〜と……きゃくさま(とんとこ)(てい)には宿しゅくはくされない──ということですか? 」


マオ

「 あ〜……そうなっちゃうよな。

  めんっ!! 」


店員

「 いえ、どのみちろうどうきょしょうていしていただけないきゃくさまへのチェックインは、おことわりさせていただくようになっていますから、わたくしどもとしてはぎゃくたすかりました。

  がといます。

  きゃくさまかったですね〜~。

  ことわかみあれば、ひろかみあり──ですね〜~ 」


セロフィート

「 ふふふ。

  マオにひろわれました♪ 」


マオ

ひろってないだろう?

  まぁ、いいや。

  オレんあんないするよ 」


セロ

「 はい♪

  になります 」


 宿やど宿しゅくはくないセロフィートは、しんせつしゅえいの──、からどうてもしょうねんえてしまうマオとともとんとこ(宿やど)てい()た。

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