第五話 ゆうちゃん(仮)
ルビの振り方とか慣れないと難しいですね。今日は三話分くらい出しちゃいたいです。
今日は幽霊のゆうちゃん(仮)について色々と探ってみようと思う。
①こっちの声は聞こえているのか
今日はゆうちゃんが部屋の中に来てくれてる、最初にいつも通り俺のベッドに近寄ってきてニコニコと覗き込んでいる、そこを俺はすかさず声をかけてみる。
「あうあいあー」
『?』
ゆうちゃんは首を傾げて頭にはてなを浮かべてる。
「(う~ん、これだとこっちの口の動きとか身振り手振りとかで反応してるんだろうか)」
俺はプランBへと移行した。
プランB、それはゆうちゃんのいつもの行動の中で俺から目を離して部屋の中にあるものを見回す時がある、そこで声を掛けよう。
~~十数分後~~
「(今だ!)あうーあいやー!」
『!......?』
来た!反応した!!つまりこっちの声は聞こえているようだ、最初の実験は成功だな。
《結論》 ゆうちゃんは聞こえる。
②向こうは喋ることが出来るのだろうか
これはきっと簡単だ、こっちから意思の疎通はかれば良いだけだからな、そうと決まれば…
「やいあぁーいーあー?(貴方は喋れますか?)」
『?』
だめだ、まずコッチが喋れない...
仕方が無い、この件は後回しにしよう。
《結論》 保留案件
③ゆうちゃんに触れるのか
ふっふっふ、今までの努力の成果を発揮する時が来たようだな。俺だってただのんべんだらりとベッド生活をしてきたワケじゃない、誰も来ないあいだに出来るだけ身体を動かしてトレーニングをしてきた、お陰でハイハイくらいなら既に二ヶ月くらい前に成功させているのだ、何故公表しないかというと基本的にベッドから出してもらえないからだ、俺がこの狭い檻の中から出られるのは基本的に食事(離乳食に近いものへと移行した)の時とおしめを取り替える時、あとはウチの住人が好きな時に抱き上げる時くらいだ、あれ?俺ってこの世界来てから地面に触れてないんじゃね?
...まぁいいや、時期が来ればいずれお披露目するだろう、今はゆうちゃんの方が優先だ。
俺はまず手を伸ばしてゆうちゃんに触ろうとしてみる。するとゆうちゃんは手を伸ばしたり引っ込めたりして俺が遊んで欲しいんだと勘違いしている。
「(これはちょっと手強そうだ...)」
ゆうちゃんの手の差し引きはかなり絶妙なもので、触れそうなのに触れない、実は触れているのにすり抜けてるんじゃねと言う疑惑まで出てくるほどだ。
しばらくして俺は強行手段を行うことにした。
「(秘技!おすわり!!)」
つい最近習得した技術だ、身体を前後に揺らし重心が前に移動したタイミングで上体を起こして座るというものだ、この技の難しいところは加減を見極めないと勢いそのままに前へ倒れてしまうところだ。
俺はおすわりの勢いに任せそのまま手を伸ばす。俺の突然の行動に驚きを隠せないゆうちゃんは伸ばした手を引っ込め忘れて固まっていた。そして...
ギュッ
「(取った!!)」
とうとうゆうちゃんの手を触ることができた、その状況にゆうちゃんは呆気に取られている。ゆうちゃんの手の感触は普通だった、普通に人の肌のような感触でせいぜい普通より冷たいくらいだろうか、冷たいと言っても冬場に手が冷たくなった人の手を握ったとき程度のものだった。
ん?ちょっとゆうちゃんの様子がおかしい、驚いてから全く動いてない、顔を見てみると口をパックリと開けて目をパチクリさせてこちらを見ている、そんなに驚くことだろうか?
『え...』
「え?」
『ええええええええええええええ!?!?』
「!?」
『き、キミ、今触ったよね!?ボクのこと!?』
ゆうちゃんは自分の手と俺のおててを交互に指さして綺麗なソプラノボイスで驚いている。
なんだ、ゆうちゃん喋れるじゃん。
②&③
《結論》 ゆうちゃんは触れるし喋れる。
ゆうちゃんはボクっ娘です。一人称だけでキャラ分けするのって難しいです。