第三話 二度目の懺悔と吸啜反射
前回に続き短いです。いっそのこと繋げちゃえば良かったと今更ながら思います。
「あらあら、アル君どうしたのかな~? もしかしてお腹すいてないのかな~?」
母(神)は俺に催促するような声音でエデンを揺らす。
「(まさか、俺に吸えと!?このエデンを穢せと仰るのですか!?)」
あぁ、神よ…私になんて酷な試練を与えるのでしょうか。
「う~ん、なかなか吸ってくれないわねぇ...そうだわエリーゼ、貴方ちょっとアル君のことくすぐってあげなさいな」
「え?そんなことよろしいのですか奥様」
「ええ、親である私が許すのだから遠慮なくやっちゃいなさい」
「で、ではお言葉に甘えて遠慮なく...こちょこちょこちょ~」
「(くすぐりだと!?このアマ、神の俺に対する試練を邪魔しに来たに違いない、くすぐりなんかに絶対負けない!!)」
~~十数秒後~~
「キャッキャッ、アヒ、あひゃひゃひゃひぃぃいいい!!(無理!絶対に無理!!こいつ赤ん坊の俺に全く容赦ないよ!!この鬼!悪魔ァ!)」
俺が容赦ないくすぐり耐えきれず思わず口を開けてしまった瞬間...
「奥様今です!」
「は~い♪んっ」
「んぶ!?」
一瞬の隙を突かれ俺の口の中に禁断の果実が押し込まれた。
あぁ、神よ!私のような悪い(ry
俺が本日二度目の懺悔をしていると赤ん坊の身体は口の中入ってきた物が乳首であると認識すると本能的にお乳を吸い出そうとする。俗に言う吸啜反射と言う奴だ。
温かい液体が口の中を満たしてゆく、口内に広がる懐かしい味、体の芯からやんわりと温めるような抱擁的で嫌いになることの出来ない味、さっきまでのくだらない葛藤がまるで夢であったかのように消えてゆく。
どれぐらい時間が経っただろうか、前世では生まれてすぐに母が他界してしまったために得ることの出来なかった母親の暖かみ、無償の愛、俺はそれらを全身でひとしきり感じ、満足した後ゆっくり口を離した。
「あらあら、アル君ったら、そんなにお腹すいてたのかしら~?うふふ♪」
「見てくださいよ奥様、坊っちゃまの満足そうなお顔、可愛いですね~♡」
「ふふ、こんな顔してくれるなんて母親冥利に尽きるわね」
俺はエリーゼに抱き上げられ背中を軽く叩かれて「ケプッ」と可愛らしいゲップが出る。
「ふう、おそらく坊っちゃまはこの後すぐ寝てしまいますので、ワタシは夕飯の買い物準備をしてまいります、奥様はいかがなされますか?」
「そうねぇ、私はもうちょっとこの子の顔を拝むことにするわ」
「そうですか、それではワタシはこれで...行ってまいります」
「ええ、行ってらっしゃい」
俺はそんな会話を聞きながらゆっくりと目を閉じた。
初日の投稿はこれでお終いです。まだまだ新参者ですので読者様方のご意見ご感想をお待ちしております。