表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽霊の正体見たり異世界か  作者: 固い六
第二章
42/44

第三十八話 なの!

投稿遅れてすいません!!

遅れたクセに大した構成になってなくてすいません!!


翌朝、寮長モードのセリーヌに起こされた俺とエリーゼはセリーヌの奨めで朝食を取りに食堂へ向かった。


「ほえぇ、広いですねぇ〜」


「相変わらずのトンデモ性能だな、空間魔術」


チラリと周りを見回すと見知った顔が二つと知らない顔が一つ、計三つの顔が見えた。


「よぉ、パルティア、アガーテ。おはよう」


「お二人ともおはようございます」


「あ、アル君にエリーゼさん、おはよー」


「あら、おはよう」


俺らが挨拶を交わしていると知らない顔、頭にウサギ耳の生えた女生徒が声を掛けてきた。


「へぇ〜、この子がさっき言ってたアルバート君なの?」


「そうだよー、可愛いでしょ!」


「ほほぅ、確かにこれは女装映えしそうな顔たちなの...」


「えっと、貴女は?」


俺は顎に手を添えて怪しげな視線を送ってくるウサギ耳の女性に対して聞いた。


「ウチは《ミロ・ロ・ケンシィー》って言うの、二人と同じでこの学園の商術科に通っているの」


このウサギ耳の女生徒はミロと言うらしい。パッと見た印象では活発な感じが見て取れる甲高い声だ。ぴょこんと上に伸びる白いウサギ耳に毛先がウェーブがかったピンクのロングヘア、目尻の垂れ下がった大きく丸い瞳は宝石のような赤色をしている。サイドに耳がないからどこに引っかかっているのか分からないまん丸のメガネや袖の余ったダボったい制服を着こなす低身長なその姿は現代日本における『萌え』の代表例とお萌えた。いや、思えた。


「......あ、あぁ!昨日闘技場で手を振っていた!」


「あ、気づいてくれた?」


俺が久しぶりにヲタクの血を静かに騒がせていると、エリーゼが何か思い当たったようで声を出した。


「あの、ケンシィーというとあの...」


「あ、ウチのことご存知なの?」


「えぇ、確か最近王都で有名な商家の名前だった気がするのですが」


「そのとぉ〜り!何を隠そうこのウチはその《ケンシィー商会》会長の長女なの!」


なんとミロはあのケンシィー商会の会長の娘だった。と言ってもケンシィー商会とやらを俺は知らないんだけども。


「ケンシィー商会って?」


「あれ、アルバート君はウチのことご存知ないの?」


「すみません、知らないです」


「あぁ、ウチに敬語はいらないの。パルちゃん達に接する時と同じで良いの」


「ん、そうか、わかったよ。それでケンシィー商会って?」


「それじゃあ説明するの!ウチのケンシィー商会とは...」


そこからミロによるお家自慢...もとい紹介はなんと1時間にもわたった。大方の内容を要約すると、ケンシィー商会とはミロの父親で現会長である《ジーク・ケンシィー》氏が一代で築き上げたもので、最初こそ小規模な商店であったが元学園の生徒と言うことで学園長の協力を受け、様々な魔具の販売や小人族(ドワーフ)とのコネを使った道具の加工など多岐に渡る商業を展開した結果、今では王都で一二を争うほどの力をつけたとのこと。


「な、なるほど...なんとなく理解した」


「お父ちゃんはスゴイの!」


ミロが自信満々にそう言うと、だんだん顔が陰りを帯びてうさ耳のがしょぼくれた。


「けど...みんなお父ちゃんのことを良いように言わないの...」


まあ今の話を聞けば大体の察しはつく、うちも似た境遇だし。


「さしずめ、学園長におんぶに抱っこの成り上がり商人とでも言われているんだろ?」


「なんで分かったの!?」


「うちも同じだからな」


俺はミロにウィルホーキンス家のことを話すと嬉々として俺の手を握ってきた。


「同士なの!!」


ミロはうさ耳をピンと立て、丸っこい尻尾をぷりぷりと動かし、目を爛々と輝かせている。あれだ、シメジみてぇな目をしてる。


「ここで出会ったのも何かの縁なの!今日はせっかくだからウチに遊びに来るといいの!!」


「「なぁ!?」」


そこで今の今までミロの話にまったく耳を傾けていなかったパルティアとアガーテが食いついた。


「ちょっと!ミロ!!アル君は今日は私たちと昨日の続きをする約束なんだから!」


「そうよ、いくら貴方との仲でもそれは許せないわ」


「別に良いじゃない、二人とも昨日はアルバート君に付きっきりだったっていうし、どうせ学園内を案内っていってももうめぼしいところなんてないの」


「うぐっ」


「ウチの推理だと二人は単にアルバート君を独占したいだけなの」


「うぐぐ...」


どうやらミロの推理とやらは全て図星らしい。


「ふぅ、別にウチはアルバート君と二人を引き離そうって言ってるわけじゃないの、そんなに一緒にいたいんだったら二人ともウチに付いてくれば良いの」





と、言うわけで。




「おぉ、ここがミロの店か」


俺、エリーゼ、パルティア、アガーテ、ミロの5人は巷で有名なケンシィー商会に来ている。


「お話には聞いていましたがワタシも来るのは初めてです」


ついつい見上げてしまう。店の大きさがこの世界では珍しい5階建て。昨日見た学園と、遠くに見える王城を除けばおそらく最大だと思う。


「驚いた?凄いでしょ!この驚異の5階建て!」


「これは街の大工に?」


「大工さんと、フィートマン学園長が共同で作ってくれたの。もちろん中には学園にもあるエレベーター完備なの」


「こんだけの大きさで、中は何が入ってるんだ?」


「んー、色々入ってるの。まぁそれは入ってから説明するの」


そう言ったミロに先導され俺達は店に入った。

1階は広いスペースがあり、細々とした売店やベンチがいくつか置いてある。入って正面に受付と思われるカウンターとその両サイドに2つのエレベーターが設置されている。店内は老若男女、人種様々な人がひしめき大変賑わっている。


「おとーちゃーん、帰ったのー」


ミロがそう大声で叫ぶと真っ白いうさ耳を頭部に付けた横に大きく浅黒い肌の男が現れた。


なぜか床下から。


「おぉ!帰ったかミロ!!」


「今日はお友達連れてきたの、ウチを紹介しても良い?」


「大歓迎だ!後ろにいるのがその友達か?パルティアちゃんとアガーテちゃんと...知らないやつもいるな!」


床下から上半身だけ出してミロと会話していた男はどうやらミロの親父さんらしい。名前は確か《ジーク・ケンシィー》と言ったか。

ジークはのっそのっそと床下から這い出て、元あったようにタイルを戻し俺達に向き直った。


「俺がこの店のオーナー《ジーク・ケンシィー》だ!よろしく頼む!!」


一々語尾に!が付く少しやかましい人だ。しかしこれほどの客の多さだとこれだけ大声で話さないと伝わらないのだろう。


「パルちゃんとアーちゃんは前に紹介したのね、今回はこっちの2人を新しく紹介するの。右からアルバート君とエリーゼちゃんなの!」


「御紹介に預かりました。《アルバート・ウィルホーキンス》です」


「従者の《エリーゼ・イルマーク》でございます」


俺とエリーゼはそれぞれ綺麗なお辞儀をした。一応貴族だし人前ではこれぐらいしなくては家に示しが付かない。


「おぅ!アルバート・ウィルホーキンスとエリーゼ...ってウィルホーキンス!?」


あ、やっぱりそこ気になっちゃうか。まぁ予想は出来ていた。


「はい、ここ王都から西はホロムート西方大親領、さらに西に行ったウィルホーキンス子領。そこ治めるローズベルト・ウィルホーキンスの息子でございます」


「ほぉお〜、これまた随分な有名人の息子さんがいらっしゃったもんだ!ウィルホーキンス領の小麦はウチでも取り扱っているよ!非常に売れ行きが良いからいつまでも品不足になっちまう程にな!!」


「それは良かった。ウチの領の良いところなんてそれぐらいしかありませんし」


「がはは!そうご謙遜しなさんなって、ローズベルト氏のお噂はかねがねこの白い耳が聞いていますぜ!」


「それは、どう言った噂で?」


「がっはっは!悪い噂ではありませんよ!たった一代でこれほど上質な小麦を名産として提供して下さった御方の悪い噂なんて聞きゃあしませんぜ!!」


この男、やかましさは変わらないが話してみるとその豪快さが心地良く、さりげなく相手を立てている言葉遣いは正しく商人のそれだろう。


「それはそちらも同じではありませんか、娘さんから聞きました。一代で王都最大級の商店を作り上げた商術の天才だと」


「それもこれも学園長のお陰でさぁ、俺一人ではせいぜいこの階の半分にも満たない商店をほそぼそと経営するのがやっとで」


「それはお互い様ですよ、ウチも学園長のお力があってのことです」


「学園長には頭が上がりませんなぁ!がっはっはっは!!」


なるほど、この会話術があってこそのこの店と言うわけか。ウチと同じで学園長が手を出したのが最初だけ、あとは全てそれを管理するものの手腕というわけだ。


「あのぉ...」


そこへおずおずとエリーゼが手を挙げていた。


「なんでジーク様は床下から...?」


俺も気になっていたことだ。なぜ床下から出てきたんだ。その問いは娘であるミロが答えた。


「そこのタイルの下はお父ちゃんの事務室のに繋がってるの」


ミロが床のタイルを一枚剥がし、取っ手のついた鉄板をめくり中を覗くと真っ暗な部屋にいくつものモニターのようなものが怪しく光っている。


「こ、これは...?」


「おぅ!俺の秘密の事務室だ!」


モニターには上から斜めに見ているような視点の映像が映されていて、まるで監視カメラの映像のようだった。


「あ、あの...これはなんなんですか?」


エリーゼがモニターを指さしてジークに尋ねた。


「おう!コイツは学園長がお作りになった魔具の1つで《魔術式映像投写水晶》だ!!」


デデンと効果音と集中線が付きそうな勢いでジークが叫んだ。


「ある視点から見える情景を記録し、ほぼタイムラグ無しでこの水晶に映し出すことができる便利な装置だ!!」


つまりは監視カメラのようだ。そしてここが事務室兼監視室と言ったところか。


「こ、これ...一枚いくらするんですか?」


俺も少し気になっていたところだ。これだけのモノをそうやすやすと手に入れられる筈がない。


「これは確か......水晶一枚に金貨30枚だったか?」


「「金貨30枚!?」」



そう言えばこの世界の貨幣価値について触れていなかった。

わかり易くて表にするとこんな感じだ。


金板 1,000,000

金貨 100,000

銀板 50,000

銀貨 10,000

銅板 5,000

銅貨 500

銅銭 50

鉄板 1,000

鉄貨 100

鉄銭 10

木銭 1 ルド(rd)


1rdは日本円で大体1円の価値


~板

板は長方形の金属板


~貨

貨は基本的に円形


~銭

銭は貨の中心に三角形の穴が空いている


と言う非常に細かく種類の多い貨幣がある。しかも国によっては更に上があると言う。

つまり金貨30枚と言うことは......。



「(300万円......それも見た限り8枚はあるぞ!?)」


合計2400万円。ウチの領地が稼ぐ収入の約十年分だ。


基本的にこの世界の物価が前の世界よりも断然低いからこれでも十分稼いでる方だったけれども...


「この水晶が来てからこの店で万引きやら喧嘩やらが抑止されてイイコトずくめだ!!」


「確かに、どこかで見られてるって思うとそういう気持ちにはなりませんね」


「そう言う事だ!俺は店内であればいつでもどこでも見張っているから、安心して買い物してきてくれ!!」


俺ら一行はジークのその言葉を聞いて店内を回り始めるのであった。


以上、新キャラ ミロちゃんの登場回でした。

ミロのイメージは某艦隊をコレクションするゲームのMKGMさんをイメージしてください。あんなかんじです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ