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パルクール・サバイバー  作者: 桜崎あかり
特別編

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アカシックレコードの変化


 西暦2017年6月1日、6月期スコア集計がスタートしたパルクール・サバイバー。


 運営の方も新ルールの追加、新ガジェット実装、草加エリアを初めとした新エリアの新設、ライセンス取得の短縮化等の対応が発表された。


 大幅な新システム実装は、まるでFPSやオンラインゲームの大幅なシステム追加等を思わせる。


 それを踏まえると、パルクール・サバイバーは国際スポーツの祭典には向かないのでは…と言う部分もあるのだろう。


『パルクール・サバイバーがどのようなコンテンツになるのかは、皆様の応援にかかっていると言ってもよいでしょう』


 総責任者には引き続きガレス提督が留任。サポートとして花江はなえ提督、佐倉さくら提督の姿もある。


『サバイバーは、まだスタートラインに付いたばかりです。これからの展開に関しては、ファンの皆様次第……と言えるかもしれません』


 ガレス提督の決意表明、それは過去の過ちは変える事が出来ない。だからこそ、これからの未来を変える事が出来るかもしれないという希望もあった。



 それから数週間後、超有名アイドル規制法案は棄却、審議のやり直しを指示された。


 これには秋元の息がかかった議員が反対した事で却下された……という動きがささやかれている。しかし、情報の出所がネット炎上サイトだった為、デマと言う事でスルーされた。


 棄却に関しては事実である事がニュースの方どうでも知られる事になった。その真相に関しては、未だに謎のままだ。


「結局、超有名アイドルはブラックファンというコンテンツ産業にとって害悪な存在として……歴史に残るのか」


 一連のニュースを見てため息を漏らすのは阿賀野だった。AI事件、それ以外の案件を含め、超有名アイドルとブラックファンによっておこされた業務妨害事件は数知れない。


 こうしたニュースやネット上のデマに流される者がいる限り、超有名アイドルのコンテンツ独占という野望は続くのかもしれない。



 7月上旬、超有名アイドル規制法案は廃案となったが、それでもネットでは超有名アイドルを規制するべきと言う声が大きい。


 それほどに超有名アイドルがコンテンツ業界や他の産業に与えたダメージは想像を絶していた。


 しかし、この状態を悲観し続けていても状況が変化する事はない。


「超有名アイドルが残した傷跡、それを復興していく事もパルクールランカーが行うべき宿命なのかもしれない」


 あるエリアのレース場、そこでは蒼空あおぞらかなでが新たなレースの為に新型ガジェットの調整を行っている。


「パルクール・サバイバーだけではなく、ARゲームと言う想像を絶するコンテンツに関係した人物……彼らは、多かれ少なかれ、コンテンツ産業の惨状を知った」


 蒼空の目の前に現れた人物、それはスポーツドリンクのペットボトルを2本持った阿賀野菜月あがの・なつきだった。


「アカシックレコードと言う名の一次創作……それをプレイするだけの存在になるな。それが、AI事件の真実と言われている」


 ペットボトルの1本を阿賀野は蒼空へ手渡しする。


 その後、彼女は何かを話そうとしたが、あえて話すのを止めた。


「ARゲームは実況等を含めた部分で規制緩和が行われています。既に自分達だけで権利を独占しようと言う気配は――」


 蒼空の言う事も一理ある。実況プレイや二次創作等の部分が緩和され、プレイヤー人口は300万人になろうとしていた。


 それに加えて、さまざまな個所でパルクール・サバイバーのフォロワーARゲームの開発も進んでいる。ロケテストが行われた機種もある位に。


 そうした時代の流れの変化が、パルクール・サバイバーは運営提督だけの手で扱えるものではなくなった証拠だろう。


 最終的にはプレイヤーたちと共同で運営していくというスタイルに変化し、それは大きなニュースにもなった。



 西暦2018年3月1日、花江提督は草加市へと足を運ぶ。その理由は、唐突に内容が変わったアカシックレコードの真相を知る為である。


 あの時に目撃した結末と異なる結末をアカシックレコードで見つけた事、それが確かめる理由にもなっていた。


 花江提督がアカシックレコードを調べた結果、その特異点となったとされる場所は埼玉県草加市内にある遊戯都市奏歌ゆうぎとし・そうかである。


「アカシックレコードが変動した事の意味――?」


 遊戯都市へと入った花江は、ボーリングのピンが特徴のアミューズメント施設で2人のランナーと思われる人物がパルクールを行っている光景を目撃した。


 しかし、彼らはランニングガジェットの様な装備はしておらず、安全性に懸念があるのでは――と考える。


「お前も提督勢か。先ほど目撃した八郎丸とは違う服装に見えるが」


 八郎丸はちろうまるという名前には聞き覚えがないのだが、目の前の人物は自分の服装に見覚えがあると言うのか?


 この人物、何気なくだが中村なかむら提督や花澤はなざわ提督が装着していたクラシックガジェットに類似したガジェットを装着している。


 草加市では新型ガジェットを装着したままでも街を出歩いても問題なくなったのか? あるいは、単純にコスプレイヤーなのか?


 それ以上に、花江提督は八郎丸という名前の提督について聞こうとした。しかし、彼が最初に疑問を持ったのは――。


「その提督勢とは違うだろう。その前に、あのパルクール・サバイバーと似たようなARゲームは一体何だ?」


 先ほど目撃したパルクールと思わしきARガジェットを使用したARゲーム、花江提督はそちらの方が気になっていたのである。


「あれはシティフィールド。遊戯都市奏歌で展開予定のARパルクールの一つでもある」


 後に、目の前にいた人物はエクスシアである事が判明する。アカシックレコードでも目撃例がある名前だ。


「シティフィールド――」


 エクスシアは何かの伏線と思わしき発言の後、姿を消した。一体、あの人物の狙いとは何なのか?


「パルクール・サバイバーとは違うパルクールか――」


 花江提督は、サバイバー運営にシティフィールドの存在を報告、せっかくなのでアミューズメント施設の方に立ち寄る事にした。

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