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俺は妹と一緒にいられなくなる。
とある雨の日。ガタンという音と共に、大切な大切な妹が消えた。
気の所為か?いや、たしかに消えた。
ここ……。このマンホールに落ちたとしか思えない。
嗚呼、なんてこった…。
なかなか理解出来ず、そこでしばらく頭を抱えた。
夢じゃないのか……?と疑いながらも頬を抓る。
あまりの痛みに「いっ」と声を漏らし、改めて夢ではないと気づかされる。
誰が助けるんだよ……?誰か呼んだ方がいいのか……?
そんな考えが頭をよぎる。
でも、ここは人気のない通りだ。こんな時間なら、尚更だろう。
俺の「妹とあんなことやこんなことが出来るかもしれない」という欲望を現実にしようとした結果だ……。
俺は決意した。
妹を助けよう!怖いけど。
深呼吸をして、妹がいるはずの場所に手を伸ばす。
その時だった。俺は、さっきまで無かった筈の穴に……
…落ちた。