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恋愛、ください。  作者: 猫山碧
種は蒔かれて
9/30

僕と彼女その9*

今日は看護科との2回目の飲み会。無駄に興奮状態で授業なんか頭に入ってこなかった。


「超奥手なくせにいつになくソワソワしてるんだな」

「話すのは楽しみだからね。告白するわけじゃないし」

「来るかどうか分からないんだろ?」

「そうだけど…来ると思う。そんな気がするんだよ」

「これで来なかったら恥ずかしいことこの上ないな

「その時は肉まん奢ってやるから今の会話、全部忘れろ」


細田さんに聞けば誰が来るか分かる範囲で教えてくれたと思う。けど僕は聞かなかった。何でかって?細田さんに僕が楽しみにしてるなんて思ってほしくなかったからだ。

他愛もない会話をしているが、実は僕ら遅刻ギリギリだったりする。時間まで学校で課題をしていたのはいいが思ったよりも苦戦してしまい、飲み会開始時間の10分前に学校を出ているという状態だ。学校からお店までは約5分なので早歩きならもっと早く着く。時間的にはちょうど女の子たちと同じくらいに到着だろうか。腕時計を見ながらそんなことを考えていた。


「細田さんに連絡したほうがいい?」


僕の半歩前を歩く宮田がチノパンからスマホを取り出した。


「しなくていいよ。ギリ遅刻しないだろうし。細田さんなら電話してるヒマがあったら早く来いって言いそう。それに学校出る時に少し遅れるかもってLINEしといた」

「な…いつのまに!?」

「宮田がトイレ行ってる時」

「やっぱ社会人経験者は違いますなー」

「まあな」


他の人に社会人経験者は~って言われるとイラッとするが宮田に同じことを言われてもイラッとはしない。理由として考えられたのは、宮田が僕のそういうところを尊敬して言っていると同時に僕がそういう部分に関しては宮田を下に見ているのも大きいから、と僕の中で結論が出ている。絶対的に埋められない年齢差と社会人経験。宮田もいつか分かる。だけど今は小型犬のように千切れんばかりにシッポを振って、僕や細田さんのような年上に甘やかしてもらえばいい。そんな時期だ。

そんなこんなを考えているうちに僕と宮田は遅刻せずにお店に到着した。


「今日は話せるといいな」


僕の肩にポンと手を乗せて宮田は座敷に消えていった。こういうことをさりげなくするから宮田はイケメンだ。(本人は否定するが)顔も中身も。こんな心遣いは僕が持ってない部分。僕と宮田は互いに無い部分をやりとりをしながら共に成長していってる。



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