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非日常LIFE 早起き

 

 14日の土曜日。当たり前の事だけれど、土曜日は学校がない。つまり、いつもみたいに朝早くに起きなくていいということだ。だから今日はゆっくり昼過ぎまで寝る予定だった・・・・・・。でも、その予定はある一人の地縛霊によってぶち壊された。


「四季殿ぉぉぉ~起きて下さぁぁぁい」


部屋中に千春の声が響き渡った。そしてその声で僕は目を覚す。目を開けると目の前には僕を覗き込むようにして千春が顔を近づけていた。ビックリして僕は思わず「うわぁぁぁぁぁ~」と大声を出してしまった。

その声に千春も驚いて「うわぁっ」と声を上げた。


「四季殿、急に大きな声を出さないで下さいよ」


「お前があんな至近距離にいたからだろぉが」


「心配しなくても大丈夫ですよ四季様のファーストキスは奪ってませんから」


「幽霊とのキスなんてキスのうちにカウントされねぇ~よ。そんな事より人の安眠を邪魔すんな」


「そんなに怒らないで下さいよ。私が四季殿を起こしたのにはちゃんとした理由があるんですから」


「理由?どうせあったとしてもくだらない理由だろ?」


「いえいえ、私の命にかかわる事ですからとても大事なことです」


「命に?」


「はい」


 さっきまでニコニコしていた千春の顔が急に真面目な顔つきになったので僕も千春の話を真面目に聞いてやることにした。


「でっ、その命にかかわることって一体何なんだよ?」


「はい、私お腹がすきました」


「はぁ?そんなことのために俺を起こすなぁ。ったく、真面目に聞いた俺がバカだったよ」


「そっ・・そんなこと言わないで下さいよぉ~」


 と千春は目おウルウルさせながら僕を見つめてきた。今にも泣き出しそうだったので僕は一階に降りて買ってあったアンパンを部屋に持って上がった。部屋に入ると昨日と同様に正座をして待っていた。そしてそのアンパンを千春に手渡そうとしたが、千春が物に触れられないことを思い出しアンパンを食べやすい大きさにち切って千春の口に運んでやった。千春は口をモグモグさせながらおいしそうに食べている。ふと時計を見ると時刻は午前9時をさしていた。今までならこの時間帯はまだ寝ている時間だ。早起きしてもたいしてやることのない僕はとりあえずテレビをつけることにした。テレビをつけると旅番組がやっていた。その番組をしばらく見ていると急に千春が立ち上がって


「四季殿、私・・・」


「だめだ」


「まだ私何も言ってないですよ」


「どうせ旅がしたいって言おうとしたんだろ?」


「おぉ!?わかってらっしゃるなら話は早いですさあ早速出かけましょう」


「だめだ。めんどくさい」


「何でなんですか?可愛い幽霊ほど旅をさせろって言うじゃないですか?このまま家にいてもやることな いでしょ?」


「言わねぇ~よ。まぁそうだなじゃあ旅とまではいかないけど散歩がてら桜でも見に行くか?」


「はい。お供します」


そして僕たちは桜を見に悪世無橋≪およなばし≫に向かった。



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