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非日常LIFE 帰宅

家に着いた時刻は五時を過ぎていた。いつもならもうとっくに帰っていて

部屋でゴロゴロしている時間だ。玄関で靴を脱ぎ二階に上がり自分の部屋に

入る。そこにはテレビとパソコンとベットしかない殺風景な光景が広がって

いた。部屋に入るとグぅ~とお腹が鳴る音が部屋中に響きわたった。今のお

腹が鳴る音は僕ではないと言うことはもう思い当たるのは一人しかいない。

そう千春だ。千春の方を見るとよっぽど恥ずかしかったのか顔を赤くして下

を向いていた。


「なんかお腹すいたな」


ここは気を使って自分のお腹が鳴ったことにしておいた。千春は顔を上げて、

僕の方を見た。顔はまだほんのり赤かった。そして千春は頷いた。


「そうですね私もお腹がすきました四季様」


僕はお昼に購買で勝ったパンを食べずに残しておいたのを思い出し、鞄から

そのパンを取り出してそれを半分に割って片方を千春にわたした。千春はそ 

のパンを両手で持って口に運ぶ。そしてニコニコしながらとてもおいしそう

にほうばって食べていた。ここで僕はおいしそうに食べている千春を見て気

になった事を質問してみた。


「幽霊なのにお腹はすくんだな?」


「はい。お腹もすきますし、お風呂に入ったり、寝たりもしますし、私は幽霊

 ですが生活習慣は普通の人とあまり変わりません」


「じゃあオナラとかもするのか?」


すると、さっきまで顔を赤くしていた千春の顔が急にこわばった。何か怒らせ

てしまったのだろうか?僕はあまり女の子と話さないから女の子の気持ちはよ

くわからない。


「四季様今の発言は不謹慎ですよ。仮にも私は一人の女の子なんですから空気

 を読んでください」


「えっ・・なんか変なこと言ったか俺?」


「はい、女の子にそう言う事を聞くのは、カレーを食べている人にウンチの話

 をするのと同じぐらい空気の読めてない質問です」


空気の読めていないと言うたとえにしては、これでもかと言うほどわかりやす

いたとえだった。やはり僕は千春を怒らせてしまっていたようだ。やはり女の

子の気持ちはよくわからない。


「話変わるんだけど、さっきから気になるその四季様って呼び方はやめてくれな

 いか」


「なぜですか?」


千春は不思議そうに僕の顔を見つめている。


「なんか違和感があるって言うか・・慣れていないと言うか・・ほら、その、も

 っと他にも呼び方はあるだろ四季とか四季君とかさぁ」


「そんなのありきたりすぎて嫌です」


千春はほっぺを膨らましながらまた少し怒ったように呟いた。


「とにかく様をつけるのはやめてくれ」


「じゃあ四季殿≪どの≫でどうでしょう?」


「あまり変わらない様な気もするけどそれでいいよ。その呼び方の方がまだ

 ましだな」


「わかりました、これからは四季殿とお呼びしますね四季殿様」


「さっそく様をつけるな」


「あっすいません」


千春は右手を頭の後ろにあてて舌をペロッとだしてごまかした。どうやら彼

女は天然な一面も持ち合わせているようだ。


 こんなやりとりをしているとドアのノックもなしに母さんがはいってきた。

そして入ってくるや否や「本当は部活もバイトもせずに部屋に引きこもって

るような奴に食べさせる物はないんだけどね」と嫌味をいいながら遠回しに

ご飯ができたことを知らせに来た。これはいつもの事だからもう慣れた。慣

れと言う物は怖いものだ。

 

 晩御飯の知らせを受けて下の階に降り食卓に行くと既に父さんと妹の、雨

季≪うき≫が食べ始めていた。そして「今日は部屋で食べる」と言って晩御

飯を部屋に持ってあがった。今日の晩御飯はオムライスだった。部屋に入る

と千春がよだれを垂らしながら目を光らせてこっちを見ている。どうやらオ

ムライスに興味津々の様だった。


「お前も食べるか?」


「えっ、いいんですか?」


「あぁ、パンだけじゃお腹いっぱいにならなかっただろ?」


「はい、ではお言葉に甘えさせていただきます」


僕はスプーンを千春に渡した。だがなかなかスプーンを受け取ろうとしない。

またなにか怒らせる様な事でもしてしまったのだろうか?一応聞いてみた。


「どうした?食べないのか?」


「いえ、食べたいんですけど私、物に触れることができないんです」


と言って悲しそうな顔を浮かべ俯いた。


「えっ、でもさっき僕の腕をつかんでたじゃないか?」


「四季殿は物ではなく人ですから多分触れることができたんだとおもいます」


「そうなのか」


こういう時どんな言葉をかけてやればいいのか慰めの言葉がすぐに思いつかな

かった。そして無言の間が部屋中を気まずい空気にかえた。この気まずい空気

を打破したのは千春だった。


「あっ・・あのぉ・・もしよろしければ食べさせていただけませんか?」


まさかそんな事を言うとは思ってもいなかったからびっくりした。でもきっと

さっきの言葉を言うには勇気がいったに違いないだからそれに僕も答えるとし

よう。



































































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