非日常LIFE 復活からの絶望
さてさて僕はもうどれほど歩いただろうか。何時
間?いやそんな程度では表せないほど歩いている。
もしかすると、もう何日も歩いているのかもしれな
い。だが着々と地図の指す目的地に近づいているの
には違いない。
あたりがだんだんと暗くなってきた。海もあたり
り一面に咲いていた花も、どこにも見当たらなくな
ってきた。でも、そんなことなど全く気にせずに僕
は足をすすめる。すると、とうとう辺り一面の景色
が真っ暗になってきた。それは漆黒の世界。闇、闇
、闇、暗黒の世界と言っても過言ではない。
もう僕は、どの方向にどれだけ進んだのか全くわ
からなくなっていた。そして意識もだんだんと薄れ
てきていた。歩きすぎのせいだろう。それに、ろく
に食事もとってないし仕方がないことなのだろうけ
ど・・・。そして僕はここからの記憶がない。多分
、意識を失って倒れてしまったのだろう。情けない
な僕ってやつは、目的地はもうすぐだったかもしれ
ないのにこんなところで意識を失ってしまうなんて
・・・。いや、もしかしたら僕は遣委ちゃんに騙さ
れたのかもしれない・・・。
目覚ましの音。僕はその目覚ましの音で目を覚ま
した。僕は自分の部屋のベットの上にいた。僕はホ
ッとした。なんだ夢だったのか。なんだかとんでも
ない夢を見てしまった。ホッとしたが目覚めは最悪
だった。体がだるいし頭もズキズキと痛む。目覚ま
しの音がたまらなく不愉快に部屋中に鳴り響く。と
りあえず僕は、その目覚ましを止めることにした。
ボタンを押せば止まる簡単で単純な作業だ。へたを
すれば、赤ちゃんでも犬にでもできそうな作業だ。
僕は、目覚ましのボタンに手を伸ばす。そして怒り
をぶつけるかの如くボタンを叩きつける・・・・叩
きつける・・・叩きつける・・・叩きつけられない
?はぁ?あれ?おいおいお待てよ待てよきっと気の
せいだ。寝ぼけているのだろう。僕は目を思いっき
り目をこすって眠気を吹き飛ばす。そして再チャレ
ンジする。でもやはりボタンを押すことはできなか
った。何度ボタンをおそうとしても僕の手はボタン
を通り抜ける。通り抜ける。通り抜ける。おいおい
ちょっと待てよ。ふざけるなよ。おい、おいってば
。どうなっちまったんだよ俺の体。全く今の状況が
読み込めない。まだ僕は、夢の続きを見ているのだ
ろうか?いやそうに決まってる。きっとそうだ。全
く焦らせやがる。そう自分に言い聞かせていると、
突然、千春の声が聞こえてきた。
「あぁやっと目が覚めたんですね四季殿。お気分は
どうですか?」
「最悪だよ。てかこれって夢のなかだよな?」
「はい?寝ぼけてらっしゃるんですか四季殿?」
千春はニコニコ笑いながら僕の方を見て言った。
夢にしてはなかなかいい演出をしてくれるじゃない
か。だが僕は騙されないぞ。これは、夢だ。
「いや寝ぼけてなんかいない。寝ぼけているのはむ
しろお前の方だろ。まぁとりあえずその目覚まし
を止めてくれ」
「はい。承知しました」
といって千春は部屋に鳴り響いていた不快な音を
ボタンを押すといった簡単な作業を行なった。そし
て部屋は静寂になった。ふん、笑えない、そんな前
に流行ったドラマのセリフなんて。今はそんな気分
じゃない。すると僕はあることに気づく。あれ?よ
く考えたら千春は物には触れられないんじゃなかっ
たのか?
「おい、お前物に触れられないんじゃなかったのか?」
「やっぱり寝ぼけてらっしゃるようですね四季殿。
私はもともと物に触れることができますし物に触
れられないのは四季殿の方ですよ」
あまりにもそれが当然だと言わんばかりの表情を
浮かべる千春に僕はだんだんと腹がたってきた。
「お前、あんまり俺をからかうなよ。調子に乗って
っと追い出すぞ」
ついつい声は大きめになり怒鳴ってしまった。
「調子にのっているのはどっちですか?地縛霊のく
せに」
「はぁ?なに言ってんだよ地縛霊はお前のことだろ
。ついに頭がおかしくなってしまったのか?」
「いい加減認めたらどうなんですか四季殿。もう気
づいているんでしょ立場が逆転してることに」
「馬鹿だな。お前これは夢だぜ」
すると部屋のドアが急にあいた。そしてそこから
飛鳥龍二が入ってきた。
「あぁちょうどいいところに来てくれました。飛鳥
さんこの馬鹿にになんとか言ってやってくださいよ」
「馬鹿は君の方だよ。君はまんまとその地縛霊の
罠にはまってしまったんだよ」
「はぁ?飛鳥さんまで何言い出すんですか?」
「はぁぁっ。四季君、君は地縛霊がどんな霊なのか
知ってるかい?まさか何も知らないで今まで過ご
してきたんじゃないだろうね」
僕には言い返す言葉がなかった。飛鳥さんが言っ
た通り何も知らなかったのだから。あの時は勢いに
任せて成仏させるなんて言ってしまったけど、その
発言は浅はかすぎたことにようやく今気づいた。
「どうやら何も知らないみたいだね。今更、説明し
てももう遅いんだけど一応説明しとくと地縛霊っ
てのは取り付いた人間を死に追いやり死ねば地縛
霊とその人間の存在が入れ替わってしまうってい
うとっても厄介な霊なんだよ。ちなみにあの世に
は“冥土の遣い”ってのがいるらしくてそいつが
死人を地縛霊にさせるために誘導するらしいよ。
まぁこれは嘘か本当かは知らないけどね」
「じゃあ僕は千春のせいで地縛霊になったってこと
ですか?」
「まぁそうなるね」
「ははっ。そんなの信じられるわけないじゃないで
すか。飛鳥さんこれはきっと夢なんですから」
「現実逃避したくなるのもわかるけどこれは紛れも
ない現実だよ」
現実って・・・認めない。俺は絶対そんなの認め
ないぞ。夢だ夢だ。これは夢、悪夢だ。
すると下の階から誰かの声が聞こえてきた。聞き
覚えがある声。この声はお母さんの声だ。そのお母
さんの声に耳を傾けてみると
「千春、朝ごはんできたわよはやくたべなさい」
ん?聞き間違えか?今、僕の名前じゃなくちはる
の名前が呼ばれたような気が・・・。
「はぁ~い」
千春は当たり前のように返事をし部屋を出る。部
屋を出る直前に千春は僕の方に振り向き
「これからはあなたの分も私が頑張って生きていき
ますね春夏秋冬千春として」
と言い残してニコッと微笑みながら階段を下りて
いった。いつも僕が当たり前のようにやっていたこ
とがこんなに愛おしく感じるなんて思いもしなかった。
「今のでわかっただろ。もう君は春夏秋冬四季《ひ
ととせしき》じゃないんだ。ただの地縛霊、ぼく
の仕事のターゲットにになっちゃってわけ。まぁ
僕と君には何かしら縁があるおうだから今回は見
逃してあげるよどこにでも好きなところえ逃げて
もいいし誰かに取り付いてもいそれは君が自由に
決めればいい。じゃあ僕もこれで失礼するとするよ」
といって飛鳥さんも部屋から出ていった。僕は一
人部屋に取り残される。そして床に膝から崩れ落ち
る。涙が止まらない。後悔、怒り、などいろいろな
感情が入り混じってそれがたくさんの雫へと変わる
。そしてひたすら叫ぶ、叫ぶ、泣き叫ぶ。
“ああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああ”
“ちくしょうぉおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおお”
今までに出したことのないような声でただひてす
ら叫び、泣いた。この声が誰にも聞こえないことも
知りながら。この時僕はつくずく思った。
“やはり俺の青春を地縛霊に捧げたのは間違いだった”と・・・・・・。
なんだか無理矢理終わらせてしまった感が半端ないのですがこのお話は今回でおしまいとなります。今までこんな自己満足だけで書いていた小説を読んでいただいて本当にありがとうございました。これからもいろいろな内容の話を書いていこうと思うのでよかったらまた読んでみてください。本当に今までありがとうございました。




