非日常LIFE それからの事
”真っ暗だった景色に一筋の光が差し込み目を覚ます”
あれ?僕は生きているのか。目の前が真っ暗になって気が
つくと僕はベットの上にいた。あたりを見渡すと銀行の店内
ではないようだった。病院の中かなのか?いやそれにしては
室内の様子が殺風景すぎる、部屋の真ん中にポツントベット
が置かれているだけなのだから。看護婦さんの一人もいない
。それに千春も。もう一度あたりを見渡すと扉があることに
気がついた。とりあえずその扉から外に出ることにした。
そして扉を開けて外に出てみると、そこには辺り一面に色
とりどりの花が綺麗に咲き誇っていた。それはずっと見てい
ても飽きないほどに綺麗な景色だった。そしてその景色の向
こう側には海が広がっていた。
”ははは・・ははは・・はっ・・・はぁ”
笑いとため息が止まらない。確信してしまったからだ。こ
こが僕の今まで住んでいた世界ではないことに。良く考える
と銃で撃たれた跡もなくなっている。きっとここは死後の世
界なんだろう。
この景色をずっと見ていてもよかったのだが今はそんな気
分になれない。とりあえずこの世界を探索してみるとしよう
。何かで気を紛らわさないと僕がどうにかなりそうだ。もう
どうにかなってしまっているのだが・・・。僕はとりあえず
海がある方向に進むことにした。
海についた。軽く2~3時間は歩いただろうか。いい運動
になった。海に着くと真っ先に僕の目に飛び込んできたのは
大きな船だった。それも豪華客船のような。それを見るなり
、なんだか無性にその船に乗りたくなった。いや乗りたくな
ったのではない、むしろ乗ることが当たり前だったようにも
思えてきた。そして船に乗り込もうとする。すると突然誰か
が僕に近づいてくる。そして
「バカものぉおおお~」
大きな声が僕の鼓膜を刺激する。そしてなぜかおもいっき
りホホを殴られた。誰だかわからないがすごく重い重いパン
チだった。そしてぼくはその勢いで吹っ飛ばされる。慌てて
受身を取り相手を確認する。僕は驚いた。そこには、それは
それはか弱そうな美少女が立っていたからだ。髪はロングで
金髪。それはその美少女のかかとくらいまで伸びている。そ
してどこかで見たことのあるようなメイド服を着ている。
「あのぉ~つかぬことをお聞きしますがどなたですか?天
使さん?女神さん?嬢王様?」
「おいおい助けてやったのに礼の一つもないのか。そんな失
礼な奴の質問なんて私は受け付けんぞ」
「いや、殴られてお礼を言う奴がどこにいるんだよ」
「私の目の前にいるじゃないか」
彼女は見下した目で僕の方を指さす。
「言うかよ」
「まずお前あの船が何か知ってて乗ろうとしたのか?」
「いや知らないけど。なんかヤバイ船だったのか?」
「あぁヤバイどころではないぞ。あれは地獄行きの船だ」
「げっ!?マジ?」
どうやら僕は彼女に本当に礼を言わなければならないよう
だこの命の恩人に。
「マジだ」
「あっ・・ありがとう助けてくれて」
「ふむ。礼などいらん照れるだろうが」
美少女はかをに手を当てて顔を赤らめる。
「礼を言えって言ったのはお前だろうが」
「お前って呼ぶな馴れ馴れしい。私には冥土野遣委《めいど
のつかい》と言う立派な名前があるんだ。使委ちゃんと呼
べ」
「ごっ・・ごめん。でも遣委ちゃんて呼ぶのもなかなか馴れ
馴れしいと思うんだけど・・・」
「かまわんよ。使委ちゃんで」
「じゃあ使委ちゃん。聞くけど僕はこれから一体どうしたら
いいのさ?」
「安心しろ私が助けてやる」
遣委ちゃんは、自信満々に腕を組みながら誇らしげに言った。




