表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/20

非日常LIFE 仕返し


「いらないってば」


 束さんは必死に拒む


「遠慮なんていらないよホラホラ」


 飛鳥さんは束さんの言葉を聞こうともせずに肉をはさん

だハシを束さんの口の前から離そうとはしなかった。そし

て束さんは呆れたように一度ため息をついて「パクっ」と

仕方なさそうに食べた。


「おっ・・おいいしい」


 束ねさんは照れながら目線をそらし素直にそう言った。

この光景はまたまたとてつもなく可愛かった。このとき僕

はツンデレの良さを再確認した。飛鳥さんもその光景に見

とれているようだった。


「じゃあ私も仕返しに食べさせてあげるから目を閉じて口

 開けて」


「じゃあお言葉に甘えて」


 ん?今のは僕の聞き間違いかもしれないけど、この人仕

返しとかなんとか言わなかったか?もし聞き間違えでない

としたらたった今飛鳥さんに対する死亡フラグがたった。


 そのことに気づいていない飛鳥さんは束さんに言われた

通りに目を閉じて口を開ける。そして束さんは飛鳥さんの

口にハシを持っていく。この時点で少しおかしなことに気

づいた。それは、束さんが今飛鳥さんの口に持っていった

ハシに肉がはさまれていないということだ。


 あれ?食べさせてあげるんじゃなかったのか?


 そんなことを考えている間にも束ねさんの持ってるハシ

は飛鳥さんの口に入っていく。入ったと同時に苦しそうな

顔をしながら、「うぐっ」と飛鳥さんが唸った。


「えっ、あれっ、束ちゃん?食べさせてくれるんじゃなか

 ったの?なぜだかわからないけど今僕の第二の男のシン

 ボルが悲鳴をあげてるんだけど。もしかして束ちゃんを

 怒らせるようなことしちゃった感じかな?」


「ようやく気づいたの?あんたがとった行動の愚かさが 

 。てことはもう当然死ぬ覚悟くらい出来てるんでしょうね?」


 束さんは飛鳥さんを見下すような、さげすむむよ

うな表情で言った。


「やっぱりさっきのことで怒ってたんだ・・・」


 飛鳥さんは顔を引きずらせながら苦しそうな声で呟いた

。まぁこうなることはなんとなく、最初からわかっていた

ことだが・・・。


 そしてまた飛鳥さんは苦しそうな顔になった。どうやら

束ねさんがさっき以上に飛鳥さんの第二の男のシンボルを

強くはさんで引っ張ったらしい。さすがに見ていられなく

なった僕は、束さんを止めることにした。


「束さんもう許してあげてくださいよ。さすがに飛鳥さん

 がかわいそうですよ」


「えぇ~そうかなぁ~?こっちとしてはまだ全然気がすん

 でないんだよ」


 束さんは不満そうな顔をしながらそう言って僕の方を見た。


「まぁ、そこをなんとかおさえてください」


「しょうがないなぁ~。じゃあ次は四季君にも食べさせて

 あげるよ」


 飛鳥さんを無事に解放したあと、束さんは悪戯な笑顔を

僕に向けながら言った。どうやらターゲットが飛鳥さんか

ら僕に切り替えられたようだ。ヤッ・・ヤバイ最悪の展開

だ。僕が最も恐れていたことが実現されてしまった。冷や

汗が止まらない。やっぱり止めたりなんかしなきゃよかっ

た。今になって後悔してももう遅いのだが・・・


「遠慮しときます」


 僕は、奇跡を信じて即答してみた。


「残念ながら四季君に拒否権はありませ~ん」


「ですよね・・・アハアハアハハハハ(棒読み)」


 すると横で話を聞いていた千春が急に話に割って入って

きた。


「束さん四季殿でなく私で勘弁していただけませんか?」


「アハハハハハハ。本当に君たちは見せつけてくれるね。

 ほんと殺したくなるくらいに。てか千春ちゃんは何か勘違いしてるよ」


「えっ?」


 千春は不思議そうに束さんを見る。


「だって私、四季君に食べさせてあげるとは言ったけ

 どあいつと同じことをするなんて一言も言ってないよ」


「えっ!?そうなんですか」


 安心したのか千春はホッと一息ついた。


「うん、さ~てとお腹もいっぱいになったことだしそろそ

 ろ帰るとしますか~」


 といって束さんが立ち上がって背伸びしながら言った。


 





 そしてこの日はこれで解散し僕は無事に家に帰宅した。





 ちなみにお金を払ったのはもちろん飛鳥さんだ。やはり

高級焼肉店というだけあってお会計はとんでもない額にな

っていて、飛鳥さんは半泣きになりながらその額を支払っ

ていた。メデタシメデタシ。
















































 























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ