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第25話『下層モンスターの群れ』

 しばらくの休憩の後、俺たちは下層へと足を踏み入れた。そこは中層など比べ物にならないほどの巨大な空間であり、さらに大量のモンスターポップの嵐だった。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!」


 俺はレビアをおんぶしながら、モンスターの大群を次々と屠っていた。


「このまま全て斬り倒す!」


 俺は剣撃の嵐を敵に浴びせた。その速度はすでに神速の域に達していた。まるでとどまることを知らない暴風のように、俺はモンスターを次々と斬り伏せた。まるで狂喜乱舞。その怒涛の龍が荒れ狂う。圧倒的な戦闘力を以てして、あっという間に敵を全滅させていた。


「ふぅ。これで少しはレベルが上がったかな?」


「うぅぅ……」


 レビアはどうやら俺があまりにも暴れ過ぎたせいで、気を失っているらしい。彼女に被害が及ばないようには気を配っていたが、あの数のモンスター相手に手を抜いていては、数の暴力にやられてしまう。こればかりは致し方ない。


 それはそうと、俺は自身のレベルが気にかかり、冒険者カードを確認した。すると、そこにはこう表記されていた。



 ステータス

 ジョブ 魔剣士

 レベル 52

 生命力526

 魔力505

 攻撃力588

 防御525

 敏捷777 

 技術526

 知性40

 幸運815 

 魔力属性 無 

 魔力装備 【無の刀】 攻撃力10 効果 全ての敵に与えるダメージが2倍になる。

 防具 【黒のコート】 防御力10 

 ユニークスキル【傲慢】 一度攻撃すると2回攻撃判定が入る。しかも一度に2回魔法と奥義を放てる。2回目は消費魔力はなし。魔法や奥義も1回につき2回判定が入る。かなり高速度で魔法詠唱でき、奥義による硬直時間も無効化する。

 流派 中央大陸流剣術免許皆伝。 無属性魔術中級。回復魔術中級。

 奥義 

【魔力強化】 効果 魔力を身に纏い、ステータスをアップさせる。

【スラッシュ】 効果。飛ぶ斬撃を放つ。

【クリアスラッシュ】 効果。魔力を身に纏い、強力な一撃を敵に食らわせる。

【トリプルスライス】 効果。魔力を身に纏い、流れるような三連撃を食らわせる。

【ブレイドダンス】 効果。魔力を身に纏い、踊るような五連撃を敵に食らわせる。

【エクストラブレイク】 効果。巨大な魔力の剣で敵を斬る。

 魔法 

【ヒール】 効果 体力を回復させる。

【キュア】 効果 状態異常を回復する。

【マジックショット】 効果 無属性の魔力弾を飛ばす。

【マジックバスター】 効果 無属性の魔力砲撃を放つ。


 ステータス 

 レビア

 ジョブ 錬金術師。

 レベル25

 生命力51 

 魔力70

 攻撃力64

 防御力63 

 敏捷48 

 技術70 

 知性125 

 幸運70 

 魔力属性 闇 

 魔力装備 【初級錬金杖】 攻撃力10。効果。錬金術が使えるようになる。

 防具 【錬金術師のドレス】 防御力10。

 ユニークスキル【嫉妬】効果。相手に嫉妬すればするほど、物事の才能に補正がかかる。流派 なし。奥義 なし。


 どうやら俺もレベル二つの上がり、レビアもレベル25にまで上昇したらしい。ざっとC級のモンスターは千匹くらいか。下層は敵の強さより、数の暴力が酷い。これがゲームプレイ中ならエンカウント率の高さに苛立ちを覚えるプレイヤーもいることだろう。


 俺みたいに戦うことが好きな人でもない限り、ここでハードのアプリケーションソフトを終了させるだろうな。そう確信するくらい当時きつかった思い出が蘇る。


 だって一歩進む度に戦闘、戦闘、戦闘の嵐だったからな。あのハードなエンカウント率にクソゲーだの、ストレスフルだの抜かす奴もいたが、俺はやはりこのくらいガンガンエンカウントしてくれた方が燃えてくる。


 ぼうっと気絶しているレビアをおぶりながら、歩いていると、またしても大量のモンスターが出現した。


「よっしゃ! どんどんこいよ! 全部この俺が薙ぎ倒してやる!」


 俺は心のエンジン全開。魂のバーサークシステムオン。【魔力強化】全開。全ての力を解放して、モンスターの大群へ突っ込んだ。


「ぐおりゃああああああああああああああああああああああああああああッ!」


 俺はまるで荒れ狂う獅子の如く、勇猛果敢、傲岸不遜に、暴れ散らかした。その波はまるで激流の如く、留まることを知らず、モンスターたちの首を刎ね飛ばす。圧倒的な数にも屈せず、俺の闘志はまるでマグマのように熱く噴火した。


 ざっと千匹を超えても、まだモンスターの嵐は止まない。俺は「上等!」と魂の底から燃え盛る戦意と、荒れ狂う情念を抑えることができなかった。


「だああああああああああああああああああああああああああああああああッ!」


 そこからの俺はまるで回転するドリルのように敵の大群を貫いた。ぐりゅるるとえげつない音を響かせながら、秒で敵の大群を全滅させた。奥義というわけではない。ただ魔力を操作して、身体に回転を与えて、敵に突っ込んでいるだけだ。だってこんな奥義など、ゲーム内に存在しない。いや確かあった気がする。しかも、その剣技のおかげであっという間に、軽く二千匹は屠れたのだ。俺はふと自分の刀を見つめながら不審に思った。


「これは……!?」


 俺はもしやと思い冒険者カードを取り出すのも面倒だし、レビアも気絶しているので、ステータスウィンドウを起動させた。そこに奥義【「ブラッドネスバースト】という項目が増えていることに気が付いた。効果を確認すると、無の魔力を纏い、ドリルのように身体を回転させて敵に突っ込む、と表記されている。


 つまり俺は、この激しい戦いの最中に、自力で虚無流の奥義を習得してしまったのだ。


 これは思った以上の収穫だ。しかもレベルも52から55まで上昇しており、レビアもレベル28に到達している。俺は確信した。


「新奥義習得に、レベルが5も上がるなんて、この狩場めちゃくちゃ美味しい!」


 それにレビアもパーティーに加入しているため、同時にパワーレベリングされている。


 それにこのレベルならもしかすると、レビアは終盤の錬金術師の腕前を超えてしまっているかもしれない。それどころか、母さんと同じくらい、強くなっているだろう。


 よく考えたらゲームでも、最初にこのエンドコンテンツに挑んで、レベルを40から50くらいまで一気に底上げしたんだっけか。


 俺はますますやる気の灯が燃え盛った。


「よぉぉし! このまま一気にレベル60だ!」


 そう叫ぶと同時にまたモンスターの大群が出現する。


「ああ……。最高だ♪」


 俺は心が躍り、気持ちが昂り、魂の奔流が迸った。もう誰も止めることなどできやしない。俺は再び敵陣へ単独無双で何千匹のモンスターの大群へと突っ込んでいった。


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