表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

103/144

第103話『地獄のダンジョン』

 思った以上の成果だ。まさか20以上も一日でレベルアップできるなんて。俺は灰と化したエリアを駆け抜け【地獄のダンジョン】の山の麓まできた。


 そこで俺は伝説のダンジョン配信者さんの攻略法通りに、山に向かって奥義や魔法をぶちかましまくった。


 無数の虚無の渦が巨大な山を全て消し去った。我ながらもしかするとレベル500くらいまで上がったら世界を消すことも可能なのではないかと思うくらいの威力だ。


 まるで子供の頃に読んだ大昔の大人気少年漫画の悪役みたいに、世界ごと消し去ってしまえるかもしれない自分の力に少し恐怖を感じた。


 そして、山が塵になると同時に大量の経験値が流れ込んできた。


「うおおおおおおおお! 効くぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♪」


 乱数調整ツール通りぴったりのタイミングでのレベルアップ。一気に10以上も上がった。レベル156で、ポイントは平均500オーバー。


 これは女神に反逆できる日も近いのではないと思う。


 それとこの山もダンジョンの一部なので数日で復活するため罪にはならない。


 灰になった山を歩くと、そこに地下へ通じる扉があった。俺はその扉を開けて【地獄のダンジョン】へと入り込んだ。


 大きな階段を降りて、大きな扉が見えた。地獄のダンジョンはワンフロアずつ、ボスがいるため、それを一体ずつ倒して、次のフロアへと向かうダンジョンだ。


 全部で八フロア構成だ。


 この禁断領域は俺もプレイしたことがあるが、ゲームの3D画面で見るのと、実際にダンジョンへ足を踏み入れるのでは全然違う。


 地味に暑さもあるので、熱中症にならないように水を小まめに飲むことも大切だ。


 あと一時間ジャストでレベルアップ。それでステータス最大値の恩恵が受けられる。ちなみにレベルアップの時は一気に上がった分もカウントされるため、レベルアップはなるべく一気に上げるのがコツだ。


 しかも【地獄のダンジョン】のボスは経験値効率がかなり良く、一気にレベルが5から10はアップする。


 いまの俺はレベル156なので、おそらく10近くは上がるだろう。


 実はこの【地獄のダンジョン】は原作でも、かなり高額な課金コンテンツだったため、当時月末で金欠だった俺は未プレイで、そのまま放置していたら死亡してしまったのだ。


 しかし、俺には伝説の動画配信者さんの攻略情報がある。


 これさえあれば負けないのだ。


 俺は時間調整のためにしばらく時間を潰すことにした。レビアの【ポーションクッキー】をポリポリと食べる。


 実はこの商品隣町や、王都の支店にも提供されており、いまレビアの月収は金貨600枚どころか、1000枚になっている。


 もう俺とは釣り合わないくらいの大富豪だ。


 しかし、その資金のほとんどを恵まれない子供や奴隷に堕ちた人の救済に使っている。レビアは本当に聖女ガブリエラなんかより、よほど聖女している。


 俺はそのあとタイマーをセットにして、伝説のダンジョン配信者さんの動画を見ていた。あの人いま東大陸へ向かっているのか。


 船の中の豪華なご馳走を美味そうに食べている。本当に現実のインフルエンサーとほとんど変わらないことしているな。


 そうやってひたすら美味そうな飯を食う配信者さんを見ていると、ぴぴぴとタイマーの鳴る音がした。


 そろそろ時間か。あと十分以内に敵をせん滅すればステータス最大値の恩恵を得られる。


 俺は【地獄のダンジョン】第一層の攻略を開始するため扉を開いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ