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0006無理のない範囲で

起稿20240306

改稿20240520

0006無理のない範囲で

2月8日木曜日終業直前

「お先に失礼ます」

「おつかれ」

「お先」

「おつかれ」

いつものように仕事を終えると、いつものルートで帰宅する。

久々に会社で新プロジェクト関係に触れず、平穏に過ごせた気がする。

変化する前に戻った気分で仕事を終えることが出来、少し余裕を感じて、ちょっと寄り道。

久々にルート開拓をしようと違うルートを走らせたら、いつもより帰宅時間が遅くなってしまった。

よくあることだけに、ちょっと悔しい。


グループチャットも確認。特にコメントは入ってなかった。

さて、夕飯にしよう。

いつものように淡々と作り、起動したパソコンで動画チェック。ニュース番組を見るだけで結構な時間になる。

夕飯を片付けて、サバイバルネットを始める準備。ヘッドセットとグローブコントローラーを手にして、椅子に腰掛ける。

「アクセスログイン。」

「音声確認、認証クリア、網膜確認、認証クリア、コントローラー接続確認、クリア。お帰りなさい。リカイ。」

VRセットの女性音声が流れる。

「サバイバルネット、オープン。ログイン。」

「サバイバルネット、オープン。ログイン…。クリア」

俺が呟くと、VRセットの女性の音声が復唱し、目の前にゲームの世界が現れる。

「ようこそ、お帰りなさいませバウト様。」

今度はゲームの女性音声が入り、大勢の人が行き交う街中に視界が変わる。

「ギルドアイテム ワープゲート 帰還」

目の前の景色が雑踏の街並みから、ギルドルームの部屋の中に変わる。

「これちょっとキツくない?量が多すぎる気がするけど」

「そうか?かなり抑えめにしたつもりだけど」

ギルドルームには、ウチのメンバーが揃っていて、何やら揉めている様子。

「どうした?」

「リカイおつかれ」

「おつかれ。メニューって何のメニュー?」

「あぁ、俺が立てた体力作りのメニューがな」

「俺にも見せてもらえる?」

「おぉ、さっきテキスト送ったから見てくれ。」

「了解。」

ゲームのテキスト転送機能を使ってトウハが送ってくれたらしい。すっかりそんな機能があるのを忘れてた。

内容を一読する。


ランニング 5km

バイク(自転車) 5km

腕立て 10×5

腹筋 10×5

スクワット 10×5


「ちょっと多いかな」

「結構多い」

スンカとシクミ、シコウが反論。

確かに普段運動していない俺達としては多い気がする。

「続けられるレベルにしないと意味が無いから、ランニングは、ウォーキングに変えてみたらどうだ?距離は計測するか時間で区切る感覚で、1キロとか2キロとか」

「自転車は買わないと無いから、外す方向で」

「各筋トレは10回2セットぐらいで抑えられない?」

「体力作りだろ。かなり少なくないか?」

トウハが不満そうな声を出すけれど、脱落してからの方が大変だ。トラウマとは言わないが、再開しづらくなる可能性は高い。

「続けられなかったら意味が無いし、自信をつけながらの方が伸びるんじゃないか?」

「否定しにくいな」

「ウオーキングするときも、準備運動かストレッチはしとこうな。継続的な負荷をかける訳だし」

「うんうん。了解。」

「予定が詰まって出来ないときは数を減らしてもいい。俺の経験だと、やらない日が出来ると、途端にやらなくなる。」

「あぁ、前に太った?って言ったらダイエットしようとして断念したやつ?」

「そうそれ。ってか、無事に食事制限で痩せた。まぁ無理は禁物。いつもやれてるって感覚は大事だと思うんだ。」

コクコクコクコクとシクミが同意してくれて和む。

「わかった。まずは目標だな」

ちょっと不服そうなトウハが答えると、何かスンカが思いついたようだ。

「ウォーキングぐらいはみんなでやる?」

「そうだな、ルートは決めとこうか。社内だと許可が必要になる。」

「時間外なのに?」

「スンカさん。時間外だからですよ。用もないのにウロウロしてたら不審者扱いされても不思議ではないです。」

「たしかに」

誰かが不審者扱いされるところを想像したのか、シクミがクツクツと笑っている。ツボに入ったのかもしれない。

「みんなでウォーキングするのは構わないから、グウゼン部長にメールしてみるよ」

「よろしくリーダー」

「リーダーじゃない。代表者(仮)」

「しぶとい」

「あぁ、シクミの言うとおり、しぶといな」

トウハがクツクツと笑いながら、シクミの意見を肯定する。

「さて、エイユウ君にも連絡しとかないとな」

「それなんだけどさ。エイユウ君もゲームに誘ってみない?」

「VRゲームの環境は揃ってるのかな?」

「ちょっと聞いてみる」

「そうしてくれると助かる。もし、こっちも参加できるようなら、情報共有もしやすい」

「だよね。ちょっと行ってくる」

「よろしく」

スンカの姿がスッと消える。ログアウトしたようだ。

「熱心だね。」

「やきもち」

「違うよ」

珍しくシクミがシコウをからかって、シコウが高反応を示すと、トウハも俺も思わず笑ってしまう。

「仲間はずれにならないように立ち回ってくれてるんだ。ありがたいことじゃないか」

「そうだな」

トウハの言葉を俺も肯定して、一応話をまとめておこう。

「さて、とりあえず、ウォーキングは時間を合わせるとして、時間に遅れてもスタートするって形で良いか?」

「そうですね。残業を考えると待つのは厳しいでしょう。」

「だな」

「後でスンカが帰ってきたら、そこら辺も伝えよう。忘れてたら伝えて欲しい」

「了解。」

「なぁ、どうせなら俺が通ってるジムに来るか?」

「ジムか~行ったことないんだよな」

「それなりに設備も整ってるしトレーナーがいるから相談も出来る」

「興味深くはあるんですけどねぇ」

「まぁ自信をつけてからでも良いんじゃないか」

「そうか。わかった」

明らかにトウハの声にハリを感じない。落ち込んでいるのは確かだろう。

「そんな落ち込むなって、そう言えば、歓迎会の場所は検討ついてるのか?」

「あぁ、そっちは大丈夫。昼間に後輩のところに話したら、たぶん空いてるってさ」

「昨日の今日でやるなぁ」

「まぁ呑み会だしな」

「吞む気満々だな」

「まあな。ちゃんと予約出来たらみんなに伝えるよ」

「そうしてくれ」

トウハがちょっと機嫌を取り戻し、俺もホッとする。

「ただいま」

「おかえり、連絡ついた?」

「うん。とりあえずね。なんかVRゲームはやってたみたい。最近やってなかったから、使えるかどうか確認するって」

「へぇ。どんなゲームをやってたのかね」

「さぁ、聞かなかったから全然判んない。」

スンカがログインしてきて、問いかけると、エイユウ君はウチのギルドにとっても都合の合う人物なのかもしれないけれど、こんな短時間でよく話がついたな。

「とりあえずはサバイバルネットにも参加出来そうなのか?」

「VRに慣れる必要もあるだろうし、参加する方向でって返ってきたから大丈夫じゃないかな。」

「おぉ!これでフルメンバーだな」

トウハが盛り上がっているが、メカニカルアーマーリーグ同様、ギルド戦の最低限人数枠に到達した程度で、ガッツリ楽しんでいる連中にすぐに対応できるとは思えないし、そこまで求めるのはちょっと?だいぶ考え物だと思うんだが…まぁなるようになるだろう。深く考えないようにしよう。

「ギルド戦のチーム対抗のな、しかも補欠無し」

「出入りが激しいギルドよりマシですし、大会に出るよりも手軽に出場出来るのは大きいですよ」

「まぁ当面はチーム対抗は無理だがな」

「免許?」

「あぁ、学科もそうだし、実技もそう。免許が取れないとアッチは参加は出来ないからな」

「会社絡みですし、面倒ですよね」

「面倒だがやるしかないからなぁ。仕事で遊べる機会が来たんだ。まずは楽しむ方が気が楽だろうなぁ」

「スゴく前向き。珍し」

「なんだかなぁ。まぁ、こんなことになるなんて想像もしてなかったけど、やってみたくはあるだろう?」

「大丈夫。その辺は心配してませんよ」

「だな。このチームだからってのは大きいな」

コクコクコクコク。

「だよねだよね。シクミちゃん」

なんとなくではあるけれど、みんなのやる気も出てきたみたいだ。

ここ数日での変化はまだ始まったばかり。

これからどうなることやら。

この後、みんなでチームミッションを何個かこなすと、それなりに遅い時間となり、今日は解散することにした。



02/09(金)

朝のウチにメールしておこうと思い立って、グウゼン部長に、今回の新プロジェクトへの取り組みとして体力不足であると困るので、終業後1時間程度のウォーキングの許可をいただけないか打診のメールをして通常業務の準備を始めた。


昼休み。

いつものようにメールチェックをしていると、グウゼン部長から返信が来ていた。

特に問題ないと許可が出てホッとしながら読み進めると、残業扱いにするかと提案をされた。

提案されたが、メンバーが揃いやすい環境として会社の敷地を使いたいというのはあるが、業務として体力づくりをしたいかというと、うん。やっぱり違うと思う。それはない。とりあえず予想の範囲で体力づくりが必要になりそうなくらい体力が不足しているという予想のもと、仕方なく体力作りをしようかという動機で、義務になってしまうと嫌気が差した後が地獄になる。

逃げ道を残すこと、まだ予想の範囲内であること、今回のメンバー以外が、残業になるのならと一緒に体力作りに参加したときに、その人には残業代が出ないとなると不公平感が出ること。本当に必要になることが判明してからでも社内の制度としては問題がないことなど、現状の予想しかできない状況での判断は難しく、判明してからでも問題ないのではないか、というような感じのことを真面目な文章で書き上げて、残業扱いは辞退した。


結果として、工場の外周付近を歩く程度とコースも指定され、残業している人達の邪魔にならなければ問題ないと許可が下り、残業扱いにはしないという形でグウゼン部長から返事が帰ってきた。

グウゼン部長には感謝のメールを返信し、メンバーに連絡。グループチャットを使って、今回のウォーキングの場所として、会社の敷地内で行う許可が出たことを伝え、週末ということもあり、週をまたがないように、今日の終業後から始めること、集合場所は会社の正門前にすることを書き込み投稿した。

また、ウォーキングのスタート(歩き出しの時間)の時間と5分前から準備運動を始めることを書き、これも投稿した。


終業後

作業着から普段着に着替えて正門前に到着すると、守衛に一言声掛けしてから、みんなが来るのを待つことにした。

会社の正門前に集合とか時間指定したこともあり、流石に俺自身が遅れるのは恥ずかしい。まぁ、間に合う時間に到着しているので、しばらく待ちになるだろうと思っていたら、トウハが向こうからやって来た。

「トウハ、早かったな」

「リカイは早すぎないか?」

俺が早く来すぎたことを指摘しながら、トウハは微笑んでいる。

「流石に今日からやることにして、時間指定までして、ギリギリに来たら格好悪いだろ」

「確かに、まだ時間は大丈夫だよな」

「あぁ大丈夫。」

「なら、トイレ行ってくるよ。」

「おぉ、ゆっくりでいいぞ」

「はいよ」

トウハが手をふって戻っていくと、少しずつ帰宅者が正門を通って帰路につく同僚たちが増えてきた。

そんな中、シクミも混じっていて、なぜかジャージを着ている。準備万端だ。

「シクミ、ジャージで出社してたのか?」

「昨日ウォーキングの話をしていたから、今日から始めてもいいように準備した」

「さすがシクミだな用意が良い」

俺の言葉にシクミが微笑むと、照れくさそうにしながら準備運動を始めた。

「リカイもシクミも早かったね。」

「シコウもな」

「トウハとスンカは?」

「トウハは今トイレに行ってて、スンカはまだ着てない」

「そっか、僕も準備運動しようかな」

「おぉそうしててくれ」

俺達がそんな会話をしていたら、グウゼン部長がこちらにやってきた。

「今日からだったか?」

「週をまたぐと続けられるかわからないので、まぁ軽くでも始めようかと」

「なるほどな」

グウゼン部長が納得顔で頷いていたかと思ったら、背広姿でストレッチを始めている。参加するつもりだろうか。

「みんな来たな。」

「着替えてきたんだ」

「あぁ、時間もあったし、ジムで着替えるか、ここで着替えるかの違いだしな」

トウハはトイレに行ったついでに更衣室に寄って着替えてきたらしい。

「スンカとエイユウ君がまだだがどうする?」

「まだ時間になってないから、慌てなくてもいいよ。」

「どうも。遅くなりました」

「いやいや、まだ時間に余裕あるから大丈夫。ストレッチでもしてて」

俺とトウハがそんな会話をしていたら、エイユウ君もやってきた。後はスンカだけだが、予定時間になるから、俺も準備運動を始めた。


「さて、そろそろ行こうか。」

守衛所の時計を確認して、みんなに声をかけるとみんな集まりだした。

結局スンカは現れなかったが、まぁ仕方ない。時間になったら出発するルールを変えるつもりはない。

「気持ち早めに歩くこうか」

スマホの時計を観てから、5分にタイマーをセットする。

「何をしていたんだ」

「あぁ、5分でタイマーをスタートさせたんです。平坦な場所しかないので、緩急の負荷はスピード調整で代用ということにすればいいかなと」

「なにかスポーツでもやっていたのか」

「高校時代に少し。部活以外では運動はしてなかったので大したことはできなかったんですが」

「運動部だったのか」

「柔道部に入っていました」

部長が話しかけてきたので答えているとスンカが合流してきたようだ。

「あ、スンカ準備運動をしていないんだから、ペースはゆっくりにしろよ」

「は〜い」

「聞いてねぇな」

「大丈夫。無理はしないから」

「はいはい」

俺が注意しても全く気にした様子もなくシクミの隣を歩いていくスンカ。

「少しペースを落として普段のスピードで歩こうか」

俺はタイマーをリセットして再びスタートさせる。

なぜか判らないがグウゼン部長が感心しているように頷いている。

10分ほど普段のスピードで歩いたら、5分ほど気持ち早めのスピードで歩き出す。

これを3回繰り返す。

道中は始めの頃は、みな会話をしながらだったが、さすがに疲れてきたのか、3回目の早歩きの頃には、スンカとシコウは無口になってきた。

「そろそろ休憩しようか。各自水分補給しろよ」

「ユキサキはまだ余裕そうだな」

「そうですね。普段立ち作業ですし」

「なら、みんなの分、スポーツドリンク買ってきてくれるか?」

「あ、すみません。部長からの差し入れだぞ、ちょっと買ってくる」

「「「「「ありがとうございます」」」」」

俺が自販機に向かって歩きだすと、休憩所でみんな座り始め、シクミが俺の後を追いかけてきた。一緒に来てくれるみたいだ。

買い終えて、シクミと二人で休憩所に持ち帰る。

「はい配るぞぉ」

シクミがスポーツドリンクを4つ抱えたまま、奥に向かうと、そこに座るスンカやシコウたちに渡し始めた。

「ありがとうございます」

「なに、大したことはしてないさ」

俺がグウゼン部長にお礼をいうと、にこやかにお釣りとスポーツドリンクを受け取るグウゼン部長。

「それにしても、革靴でウォーキングして足痛くないですか?」

「流石に最近は歩き回ることは減ったが、ありがたいことにまだ大丈夫だな」

「リカイもシクミちゃんも結構体力あるのね」

「まぁ、俺は普段立ち作業してるしな」

「ん。たまたま」

普段の運動量は作業者である分、俺のほうが耐性がついていたそれだけだろうとも思う。

「まぁ継続できないと体力もつかないから、無理しないようにな、残念ながら1日で体力も筋力もつくことはないから」

「こればっかはな」

俺の言葉にトウハが苦笑して肯定してくれる。

「エイユウ君はどうだい?みんなの雰囲気とか、今日のウォーキングとか」

「皆さん仲がいいんですね。ウォーキングの方は、僕も立ち作業が多いからかな、まだ大丈夫です」

「良かった。比較的ゆるい集まりのメンバーだから、気楽にしてくれると助かるよ」

「ありがとうございます」

休憩を始めてから5分ぐらいしてきたら、スンカもシコウも比較的回復してきたようだ。

そろそろ動き出さないと、休憩で気持ちがダレるだろう。

「さて、飲みきれないのは持ち帰りでラスト行くぞ」

「ラストって早くないか」

「良いんだよ。無理のし過ぎは継続できなくするだけさ」

「なんか実感こもってますね」

「まぁ、前に無理と無茶の境界はわかりにくいことを実感したからかな」

「無理と無茶の境界…ですか?」

エイユウ君が不思議そうに首を傾げる。

「多少の無茶はできるんだ。けど無茶を続ければ無理なる。理が無くなる。文字のままだね。で、無理をして痛みが続くとやる気が削がれるからなぁ。気付いたときには遅いし、びっくりするほど、あっさりと動けなくなる。今回ぐらいなら問題ないだろうけど」

「なんか怖いですね」

俺の実体験を話しただけなんだが、少しでも何かを感じてくれたのなら良いだろう。

「まぁまぁ。そんなこともあるんじゃないかって話さ。さぁ行くぞ。ゆっくり5分早足5分。今日のラスト」

「はーい」

俺は宣言通りゆっくり歩く5分と早足で5分歩いて、本日のウォーキングを終了することにした。

「すみません。付き合って歩いていただいただけじゃなく、水も頂いて」

「気にするな。よくみんなを観ているし、周りも君を観ていることが判ったのは良い収穫だった。まずは続けて、体力づくりは行っていったほうが良いな。自己管理は生活の基本でもあるからな」

そういってニコッと笑うとグウゼン部長は事務所の方に戻っていった。まだ仕事が残っていたのだろうか。

「みんな、特にスンカとシコウは、ちゃんとマッサージをしとけよ。筋肉痛になるかはわからないけど、ケアはして損はないから」

「揉むだけで大丈夫?」

「いや、俺の持論だけど、挟んで揺らすくらいでいい。筋肉を解す感覚な。掴んで揉むのは力加減がわからないと、余計にきつくなると思う」

「わかった」

「んじゃ解散な」

「「「「「おつかれ」」」」」

なんか高校時代の部活を思い出すな。

そんなことを思いながら、休憩所でふくらはぎと太ももを挟んで揺らす。

「あぁ、そうやってやるのね」

「おぉスンカか。みんなは?」

「トウハとシクミちゃんは更衣室かな。エイユウ君は駐車場だと思う。シコウは事務所に行ったみたい」

「んで、疲れたから休憩か?」

「さっきマッサージしろって言ってたのは誰?」

「あぁなるほどね」

「こうで良いの?」

会話をしている最中も、スンカはふくらはぎを手で挟んで揺らす。


「あぁそんな感じ」

「やめ時は?」

「なんとなくで」

「なんとなくなの?」

「俺は専門家じゃないよ。そうやると問題が少なかっただけさ」

「なるほどね」

「ちゃんと筋肉がほぐれてくれればいいんだと思うよ。」

「わかった。あ、私なら大丈夫。シクミちゃんと待ち合わせてるから」

「そっか。んじゃ先上がるぞ」

「ん。おつかれ。また後で」

「おぉ、あっちでな」

ある程度、自分のマッサージを終えると、立ち上がって家に帰ることにした。




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