表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブラックシープ~人形姫との下僕契約~  作者: 狭山ひびき
Act.1 人形姫との下僕契約

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/46

蛇の意味 5

お読みいただきありがとうございます!

この話も短いので、今日も19時にもう一話投稿します!

 シュゼットはトムキンスに案内された部屋をぐるっと見渡した。


 骨董部屋と言うだけあって、所狭しと食器や家具、宝飾品が並んでいる。


(へえ……、一応見る目はある人なのね)


 骨董品と言えば偽物をつかまされることが多いが、ここに並ぶ多くのものは本物のようだった。


 中には海外から取り寄せたものもあるようで、さすがに海外の骨董品にまで精通していないシュゼットには、それが本物かどうかまではわからないが、少なくとも国内のものであろうと思われる品に偽物は少なそうだ。


(シオンの情報だと人からお金を借りるほど困っていたってことだけど、少なくともここにあるものを手放せば、しばらく遊んで暮らせるんじゃないかしら)


 それをしないということは、よほどこのコレクションが気に入っているのか、売り払えない事情があるのか――、シュゼットは考え込みながら部屋を歩くと、くるりとトムキンスを振り返った。


「気に入ったわ。少し見ていていいかしら?」


 するとトムキンスは、微かに笑みを浮かべると、小さく頷いた。


「主人がいいと申していますのでかまいませんよ。私は下に戻りますので、お好きなだけ見ていってください」


「ありがとう!」


 シュゼットは無邪気な少女を装ってにっこりと微笑む。


 トムキンスが出て行くと、無言でシュゼットのそばにいたアークを振り返って、


「何か見つけた?」


「いえ、特にこの部屋に怪しいものはないかと」


「まあ、そうよね。普通に考えて、見られて困るものがおいてある部屋に他人を案内するはずがないわ」


 シュゼットはとことこと部屋の扉まで歩いていくと、その扉に耳をつけた。


「トムキンスは下に降りたみたいね」


 さて、面白いものを探しに行きましょう――、口元に笑みを貼りつけて言うシュゼットに、アークは一瞬何か言いたそうに口を開きかけたが、諦めたように息をついた。


「あまり、無茶はしないでくださいね」


 言って訊く相手ではないと知りつつも、アークは小さく釘を刺した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ