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バード・ガール~鳥撮り少女  作者: なるるん
第四章:二学期/秋
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第66話:三脚の仕舞い方、運び方



 カワサキさんと蘭先輩から()()()()()()()カメラ機材一式。


 カメラ、レンズ、ビデオ雲台付きの三脚、それに、カメラバック。


 お昼も近くなり、今日のところは撤収って段になり。


 カメラレンズ三脚の()()()()のレクチャーも受ける。


「三脚は、脚のネジを緩めて短くするんだけど、短くするときに手を挟まれないように注意してね」


 との事。


 三脚の足は、使わない時は短く縮めて、使う時に伸ばして使う。


 そのため、脚についてるネジ? みたいなのを緩めて伸び縮みさせてからまた締めて固定するんだけど。


 長く伸ばした状態から、縮める時に、上の段と下の段の間に手を挟まれる事があるそうで。


「慣れないと流血沙汰もありましてよ……」


 だ、そうで。何それ、怖い。


 恐る恐る、そぉっと。


「その子は脚の間にクッションを仕込んでますから、相当無理しなければ大丈夫ですけどね」


 えー……。


 隣でカワサキさんからレクチャーを受ける方菜(かたな)ちゃんも同じような説明を聞いているみたい。


 わたしのと違って、方菜ちゃんのはネジではなく、パチン、と止めるクリップ? みたいなので、そのクリップに挟まれないように、との事だそうで。


 三脚って、そんなに危険なの?


 まぁ、この雲台の重さを考えると『鈍器』として、殴り武器としても充分使えそうな気も、しなくは、無い。


 とにもかくにも。


 カメラをカメラバックに仕舞う方法。向きとかを教えてもらう。


 まだまだ疑問はあるけれど。腑に落ちないところもあるけれど。



 実際に今日、一眼レフを使ってみた感想は。


()ぇーーーっ!』


 の、一言。


 オートフォーカスが、めちゃくちゃ、速い。


 わたしの……お父さんから借りているコンデジのピント合わせは『ジーっ、ジコっ、ジーっ、ジコジコっ、ピタっ』みたいな感じで、前へ後ろへ、ピントが合うところを探し回ってからやっと合う。


 この一眼レフだと、もう、『シューっピタっ』って感じ。



 やられたー、って感じも、する。


 なるほど、この魅力を知ってしまったら。


 くぅ……。


 ほんと、恨むよ? 蘭先輩っ! カワサキさんっ!


 方菜ちゃんはもともとカメラ使ってなかったし、それ以前に、鳥撮りさんに対して嫌悪感を持ってたし。


「ほな、帰りホムセン寄って、後ろンカゴ()ぅたらエエねンな?」


「そやそや。前カゴにその三脚は重すぎるよってなー」


 ……


 カワサキさんが方菜ちゃんの関西弁に染まってるのは、もともと関西人だから、ってのもあるだろうけど。


 方菜ちゃんが、カワサキさんの()()()()()に染まってるのは、いかがなものでしょうかっ!?



「ぶつぶつ……」


「何をブツブツ言ってますの? 永依夢(エイム)?」


 気にしないで下さい、蘭先輩……。


「わたしも方菜ちゃんと一緒にホームセンター寄って、後ろのカゴ、買って来るわ……」


 流されまくってる気が、する。


 うん。


 流れ、流れて、流されて~。


 そんな感じで、方菜ちゃんと、蘭先輩も付き添いで、ホームセンターの自転車コーナーへ。


「げっ。だいぶすンなぁ……」


「?」

「?」


「あ……せやな……標準語やと……『だいぶ(結構)すンなぁ(お高いですわね)』?」


「私の真似はしなくてよくてよ?」


 こつん。


 蘭先輩が軽いゲンコツをひとつ、方菜ちゃんの頭上へ。


「『だいぶ(かなり)すンなぁ(値段が高い)』か?」


 イントネーションが、標準語じゃなくて関西弁だけど、言葉的には標準的な言い方。これなら、わかる。


「方菜も、標準語を覚えなさいな」


「長いもンには、巻かれとぅ、ないねン」


 いや、だいぶ巻かれてますよ、方菜さんっ!?


 最初の超絶ダークネスな雰囲気は、何処っ!?



 と、まあ。


 わりと、お高めの自転車のカゴ……の、中でも比較的、お安いやつを……と、思ったら。


永依夢(エイム)、それはダメですわ。金属製じゃないと、すぐに割れてしまいましてよ?」


「えー……」


 安いプラスチック製のカゴに、蘭先輩のダメ出し。


「少なくとも、こっちの金属製の物でないと……欲を言えば私と同じ、こちらがよろしいんですけど……」


 金属製の物でも、値段違いで数種類。


 少し小さめで、メッシュタイプの黒いやつにするしか無さそう。


 なんだかんだで、痛い出費では、あるけれど。



 借りた機材の値段を考えれば。



 いや、なんで借りたのか?



 ごり押し、怖いぃ……。



 まあ、夏の遠征の時に、思い知った部分もあるけど。



 お世話になれるなら、なっておこう、と、諦めて。



 何故か蘭先輩が持っていたプラスドライバーを借りて、ホームセンターの駐輪場で、自転車の後ろの荷台に、買ったばかりのカゴを取り付けて。


「ん。これなら、重い三脚を積んでも、バランス崩れないね」


「後は、三脚とカゴが擦れてお互いに気付つけ合わないように、当たるところにクッション材を付ければ大丈夫、ですわ」


 クッション材の代わりになるものなら、家を探せば何かあるでしょう。


 今は、とりあえず……タオルでも敷いておくか、な?


「ちなみに、三脚だけだと、動き回ってしまうので、折り畳み椅子を並べて入れると安定しますわね」


 蘭先輩自身の自転車の後ろカゴ。


 言う通り、三脚と畳んだ折り畳み椅子が綺麗に並んでいらっしゃいます。


 なるほど……。


 わたしの椅子、小さいからあんまり意味ないな……これは、椅子も買えってことか??


 いやいや。


 家にあるかもしれない。


 お父さんに聞いてみようっ!






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