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バード・ガール~鳥撮り少女  作者: なるるん
第三章:夏休み、二学期
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第40話:夏の遠征⑥~大学で学ぶカメラの基礎!?




 ファミレスでくつろいで、時刻はほぼ夕方に近い頃。『次の目的地』へ向けて自転車で再出発。


 地図上では南に向かって『下って』いるんだけど、物理的には山に向かって『上っている』感。


 ぜーぜー。


 休み休みとは言え、暑い上に体力の消耗も激しい。


 どこの運動部の合宿だよ! って、思わず。


 蘭先輩も口数少なく。


「ほら、もうちょっとだー。がんばれー」


 先導するカワサキさんは超元気。


 いや、カワサキさんの自転車って電動アシストですよね!


 お歳の事もあり、カワサキさんがソレ(電動)なのは、まあ、しょうがないとして。


 水田広がる道から、森の中へ。森を抜けると……


「はい、到ちゃーく」

「ぜーぜー」

「はーはー」


 カワサキさんが自転車を停めたのは、森を抜けてすぐ。大きな門の前。門には……


『〇〇〇〇大学』


「大学?」

「学校、ですか……」

「うん。今日だけこの大学のグランドが開放されて、中に入れるんだ。受付してくるねー」


 見ると、門の前にテント。おそらく受け付けらしき方々。


 受付に行ったカワサキさんがその場からわたし達を手招き。

 呼ばれてる? 自転車のスタンドを立てて、カワサキさんの元へ。


「まとめて受付できなかったわ。このモザイクコード読み取って、名前と住所とか入力してって」


 はい?


 用紙に名前とか記入するんだと思ったら、スマホでコードを読んで表示されたフォームに入力……ふむ。


 カワサキさんと蘭先輩も隣で同じようにポチポチ入力、完了。


 しばらく待っていると、受付のお姉さんから「こちらゲストカードになります」とゲストの文字と名前、それに番号が記入された『名札』を渡された。


「こちら、敷地内では必ず身に着けて下さい。お帰りの際にこちらで返却をお願いします」


 とのこと。



 そう。


 この遠征のもう一つのイベント。



 今夜、『花火』を観る。そして撮る!?




 敷地のレイアウトやルール、注意点等など、さっきのアドレスのホームページに記載されていたので、駐輪場や観覧場所、トイレ等を確認。


 まずは駐輪場に自転車を停めて、観覧場所へ。


 すでに多くの人が集まっているけど、それでもまだ隙間はある。さっきの受付エントリーで番号が観覧場所の番号とのことで、その番号を探す。


「ここみたいですね」

 ブルーシートに番号が書かれているので、自分たちの番号を確認。端っこの方だけど三人連番で1枚のシートの前半分を確保。


「おじさま、三脚は伸ばしてはいけないそうですわ。最短状態で割り当てブースから出ないこと、だそうですわよ」

「あー。まあ、しょうがないよな、この狭さだと」

 ブルーシートがあるので、座ったままでも大丈夫だから三脚は伸ばさなくても大丈夫ってことか。


 花火かぁ。花火、観るだけでも面白いかも?

 写真って撮れるのかなぁ。どうやって撮るんだろう?

 

「おじさま。私、花火を撮るのは初めてなのですが、カメラの設定はどの様にすればよろしいのでしょう?」


「んー。どんな風に撮りたいかにもよるけど、基本的には……」


 蘭先輩向けに、カワサキ先生(?)のカメラ講座。


「シャッタースピードで写り方が変わってくるから、だいたい『二~三秒秒から十秒』ぐらいを色々試してみると良いよ」

 ふむふむ。

 

「絞りは、んー、そうだな。これも確認しながら決めればいいと思うけど、だいたい、『八』前後かなぁ」

 ふむふむ?


 一応、以前から鳥さんの事だけじゃなく、カメラの事も少しお勉強してみてたりするんだよね。


 『シャッタースピード』


 カメラは()()()()()()()()()()()事で見えている映像を記録する。

 カメラが口を開けてる時間が、シャッタースピード。

 もちろん、飛んでる鳥さんのように動きの速いモノを写す時は速い方がいい。遅いとブレる可能性が高くなるからね。


 今回の花火の場合、カワサキさんの言う通りだとすると、秒単位でずっと口を開けっ放しにするって事か。なんでわざわざ、ブレるように写すのか、ちょっと謎。


 『絞り』


 こっちは、()()()()()()()の事。

 大きく口を開けた方がいっぱい光を飲み込めて明るい。小さく開くと飲み込める量が少なくて暗くなる。


 じゃあ、大きく口を開けた方が良いじゃない? と思うけど、そうでも無いらしい。ここらへん、わたしもまだ詳しく理解しきれてないけど、口が大きいと『ぼんやり』するけど口を小さくすると『くっきり』写せるんだとか。


 だから、鳥さんを撮る時は口を『小さく』『速く』した方がいいんだけど、まわりの明るさとの関係で、口を『小さく』『速く』しすぎると、真っ暗になってしまう。何事も適度(▼▼)なのが良いって事ね。


 カワサキさんと蘭先輩のカメラは、自分でそのシャッタースピードと絞りを指定できるらしいけど、わたしのカメラは設定する場所が無い。


 さっきのカワサキさんの説明をわたしのカメラに当てはめることができないのだ。これは困った。


 カメラのメニューとにらめっこしている間にも、カワサキさんと蘭先輩の会話が続く。


「そういえば、(ラン)、リモートレリーズ持ってきてる?」

「あ……忘れてしまいましたわ……」

 リモートレリーズ? なんじゃそら? と思ったけど、カワサキさんが手にしているものを見て、なんとなく理解した。


 カワサキさんの手に持っている小さなパーツから線が伸びていてカメラに繋がっている。カワサキさんの持ち方から見て()()()()()()()()()()()()()道具なんだろう。


 さっきのカワサキさんの話だと、シャッタースピードが『二~三秒から十秒』って事だったので、普通に考えるとブレブレになる。秒単位って話だから、ちょっとでもカメラに触れたらブレるのは確実。


 蘭先輩は持ってくるのを忘れたそうだけど、わたしはそもそも持ってない。と言うか、そんなものが付けられる要素もなさそう……


「レリーズが無い場合は、セルフタイマー使えばいいよ。タイマーを一~二秒に設定して、シャッターを押してからすぐカメラから手を離す感じで。シャッターが切れるまでラグがあるから、タイミングを計るのがちょい難しいけどね」

「なるほど。ありがとうございます。やってみますわ」


 蘭先輩はカメラを操作して色々試している。


 わたしも設定しなくちゃな……


 でも、どうすれば……


 メニューやらダイヤルやら動かして、何か使えそうなものが無いかと探してみる。すると……


 『打ち上げ花火』


 あった、これだ。ダイヤルとメニューの組み合わせて、やっと見つけた。


 ついでに、まんま『鳥』ってメニューがある事も気付いたんで、これも別途試してみたいところ。今はとりあえず『打ち上げ花火』だ。


 えーっと、これで、セルフタイマーにして……タイマーにして……タイマーに……


 うえーん。


「どうした? 永依夢(エイム)ちゃん」

「花火ってメニューは見つけたんですけど、花火にすると、セルフタイマーが使えないみたいで……」

「ふむ。ちょっと貸してみ?」

「はい……」


 カワサキさんにカメラを渡して、しばらく。カワサキさんはカメラを少し操作した後、スマホを触り始めた。そして。


「ふむ……よし。永依夢ちゃん、今から言う通り、スマホ操作して」

「はい?」


 カメラじゃなく、スマホ??











~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ああああ……花火編がまさかのカメラの仕組み編になってもーたー。打ち上げまで進まなかった罠。

傍点作成プログラム作ったので、早速ちょっと多めに傍点使ってみた。







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