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バード・ガール~鳥撮り少女  作者: なるるん
第二章:新学期、三学期
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第33話:GW⑤~最終日は写真整理。GWの後は……



 G(ゴールデン)W(ウィーク)も今日で終了。

 午前中、チョウゲンボウさんご一家を撮影してお昼に撤収。

 明日から学校ってこともあって、午後はのんびりお(うち)で。


「お父さん、ちょっと相談が」

「ん? どうした。また何か作るん?」

 リビングでくつろいでいるお父さんにお願い事。


「パソコン、使いたいんだけど」

「何するん?」

「撮った写真の整理やりたくて」


 そう、カメラで写真を削除して良いのだけ残してるんだけど、削除が追い付かなくって、カメラのメモリがぱんぱん。


 基本的に、①ピンボケ②ブレブレ③写ってない④カッコよくない、ってのは削除。

 たまにピンボケブレブレだけどカッコいいのは『惜しい!』って感じで残したりとかあり。

 カッコよくないけどピントもバッチリ、ブレも無しってのはもったいない感で消せなかったり。


 そういえば、オオタカさん待ちをしている時、近くの林で二羽の鳥さんがケンカをしていたことがあった。木陰で暗くてブレブレだったんだけど、『ツグミさんがヒヨドリさんにキック!』なんて、なんかカッコよかったので残しておきたかったり。


 あと、ちょっとネタっぽい感じだけど『カラス二羽とジャンボジェット機が編隊飛行してる』ところとか。


 『月の前をムクドリさんの大群が横切る姿』とか。


 でもしかし。


 残すより削除する方がはるかに多くて。

 削除のためのカメラ操作用のボタンが壊れちゃいそうな気配もありけり。


 そんな状況をお父さんに説明すると……


「それなら逆に、残す写真をプロテクトして全画像消去した方が早いんじゃないか?」


「え?」

 ナニソレ。


「カメラ貸してみ」

 お父さんにカメラを渡すと、操作方法を教えてくれた。


 画像再生(プレビュー)モードにする。

 メニューを開いて、『保 護(プロテクト)』を選択。

 プロテクトする画像を選んでマークする。これで選んだ画像が『保護』される。

 画像再生モードに戻って、削除→全画像を実行。

 『プロテクトされた画像以外の全画像を消去しますか?』


 こここ、こんな技があああああ。


 とりあえず、一旦これはキャンセルしないと。まだ全部はプロテクトしてないからね。危ない危ない。全部消しちゃうとこだった。


「念のために予備のメモリカードもあげるから、足りなくなったらこっちのカードも使うといいよ」

 と、言ってお父さんはメモリカードが数枚入ったケースを渡してくれた。


 や。ラッキー。


 と、言う訳で、残す画像を選んでプロテクト、プロテクト。


 ポチポチ。


 いや、撮影した現場でだいぶ消してるんだけど、それでも結構な枚数が残ってるから、選ぶのも大変。


 撮った時の事を思い出しながら、ポチポチ、残す画像を選んでいく。


 休み休みやって、夜までかかったわよ。ひーん。


 よし、これで。全削除、っと。


 『プロテクトされた画像以外の全画像を消去しますか?』


 はーい!


 ピコピコ、赤いランプが光って、削除が実行されてる感。

 さすがに大量だったので、そこそこ時間かかって削除完了。

 残った写真を確認すると、もちろんだけど、選んで残したお気に入りだけ。


 やたー。


 そんなこんなのG(ゴールデン)W(ウィーク)最終日が終わって、また普通に学校が始まる。


 学校が始まっても、鳥撮り&鳥見。(あー、いや、その。勉強も、してるよ?)


 チョウゲンボウさんの子供達の成長を見守る。


 学校からわりと近いんで、お父さんに双眼鏡を借りて登校前や放課後に蘭先輩と一緒にちょこちょこ見に行ってみた。

 

 だんだんと、もこもこが取れてスクスク。

 巣の上で、翼を広げてパタパタと、羽ばたきの練習?


 休日にカメラを持って行ってみると、もう巣から出て近くをウロウロしてた。

 まだ上手く飛べないようで、たまに着地に失敗して落っこちたりするのがハラハラ。おいおい、大丈夫?


 それからすぐに自由に飛べるようになったみたいで、四羽揃って巣の近くの空を軽快に飛び回っていた。

 見ていると、まだ自分では獲物を狩る事はできないようで、巣の近くで親鳥からエサをもらっているみたい。


 けど、それも少しの間で、ある日突然にみんな居なくなった。


 毎日のように見れてたので、居なくなると、なんか寂しいな。


 でも、みんな無事に元気に巣立ってくれて、嬉しい!


 よかった!




 


 そんなこんなで、あれよあれよと中間試験。


 蘭先輩、またお世話になりました!


 試験が終わって六月に入ると、うっとうしい、梅雨。


 雨降るとお出かけできないしなあ。


 ツワモノはカメラにカッパを着せて、傘をさして撮ったりするらしい。三脚に傘を取り付ける部品とかも売ってるらしい(ちょっと笑った)


 けど、そこまでは、ねえ……行き帰りに濡れるのもヤ、だし!


 そんな梅雨の合間に、体育祭とかもある。


 これまでインドアで、体力無かったんだけど、鳥撮りを初めて自転車で公園に通ったり、公園の中で走り回ったりして、ちょこっと体力アップしたかな。

 まあ、でもそんな急激に活躍できるほどでも無いだろうから、目立たないように大人しくしておこう。小中学校と違って、高校の体育祭は平日開催で保護者参加とかも特に無いし。



 とか言ってるウチに、期末試験。


 いや、もう、ホント、蘭先輩には頭が上がりません!!


「と言いますが、永依夢(エイム)、私が教えなくてもそんなに成績悪くないじゃないですの? むしろ私が教えてもらう事の方が多くなってませんこと?」


「えー。いいじゃん。セッサタクマ君でウィンウィンだよー」


「まあ、いいですけど……」


 試験が終わると、夏休み!


 なんだけど……







 鳥撮りの夏は、過酷だった。








(第二章:三学期、新学期 了)











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