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バード・ガール~鳥撮り少女  作者: なるるん
おまけ章】番外編:カワサキさんと蘭先輩と
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第102話:お花見バーベキュー会場に到着、ですが



『やばいで、もう、ギリギリちゃうン? もっと飛ばさンと』

『あほ、飛ばして事故ったら元も子もじゃ』

『そこはそれ、技術(テク)でカバーやで』

「ちょっと方菜(かたな)、無茶言わないでよ」


 いや、まったく。


 初めて訪れる場所で、鳥撮りポイントを探して、右往左往していたら。


 本来の目的地、集合予定時刻に、ギリギリ?


『てめーら、ちゃんと前見て運転しやがれ、ですわよ』


 うへぇ。


 何故か、落ち着いているのか、混乱しているのか、わからない様子の、蘭先輩。


 一番運転の上手な、カワサキさんが、先頭。


 蘭先輩が、ぴったりとカワサキさんの後ろに着いて。


 その後ろに、わたし。


 さらに最後尾は、カワサキさん同等に運転の上手い、方菜ちゃん。


 突発的な事態に対応できるよう、ある程度の車間を開けて。


 さらに、真後ろではなく、左右交互に、ジグザグの隊形。


 ややカーブの多い、山道のような狭い道路を、ひたすら。


 さすがに、お花見の、頃。


 路肩と言わず、あちこちに、桜の樹が、ほぼ、満開。


 そんな道を、走って、ようやく。


『見えて来た、あれだろう、多分』

『うわ、なンやあれ』

「でかっ」

『おばあさまの別荘とさして変わらないですわね』


 まぁ、そうか。


 涼子さんのところの別荘も、結構大きいよねぇ。


 この辺りは、そういったお金持ちの別荘地、なのかな?


 それはともかく。


『到着ぅ~』

『着いたでぇ~』

『ギリギリ、でしたわね』

「もう結構、人、集まってるねー」


 門、とおぼしき開かれた場所の前に、バイクを停めて。


「おはようございます、遅れてすみませんっ」


 カワサキさんが、代表して集まった人たちに向けて、声をかける。


 さすがに、ヘルメットのままだと、失礼だろうけど。


 わたしたちのヘルメットは脱がなくても、アゴの部分だけを開けることが、できる。


 ととと、と、カワサキさんの方へ寄ってくる、ひとりの女性。


「おはようございます。お疲れ様です」


「ああ、園ちゃん、おはよう。バイク、あっちに停めればいいかな?」


 夏の、アオバト遠征の時にも、ちらっと見た覚えが、ある。


 その女性(ひと)が。


「えっと、ミリィちゃん、あっちでいいかな?」


 蘭先輩と同じような金髪の、でも、背のちっちゃな女の子に訊ねる。


 金髪のちっちゃな子は。


「はいはーい、邪魔にならないとこならどこでもダイジョブですよー」


 と、返してくれたので、ソノちゃん、と呼ばれた()女性が。


「じゃあ、あのバイクの近くに停めてもらえますか」


 改めて、カワサキさんに伝えてくれる。


 見ると、すでに一台、バイクが停まっている。


「了解、ありがと」


 カワサキさんを先頭に、そのバイクの脇へと移動して、停める。


「ここなら荷物もそのままで大丈夫だろうし、着替えだけ持ってって、着替えさせてもらおうか」


 カワサキさんの、おっしゃる通り。


 ここは、別荘の敷地内、私有地。


 なので、盗難とかの危険は、ほぼ、無いだろうし。


 バイクスーツから、普通の服に、お着換えしたい。


 ()の女性のところに、戻って。


「すみませんね、道、間違えちゃってちょっと迷っちゃった」


「いえいえ、大丈夫ですよ。準備始めたばかりですし」


「あと、ごめん……着替えさせてもらっていいかな?」


 カワサキさんが微妙な言い訳をしつつ、お着換えをお願いをすると。


 ()の女性が、金髪のちっちゃい子に、


「ミリィちゃん、わたしが案内してきてよいかしら?」


「はいはい、サアヤさんのゲストだし、お願いしますねー」


「ありがとう、ミリィちゃん。では、案内しますね、こちらへどうぞ」


「すまんねぇ、よろしく」


 そんな、カワサキさんと、()の女性のやりとりの、後。


 ()の女性について、別荘の建物へと、移動。


 近くで見る、その別荘は。


「めちゃくちゃでっかい別荘やン」

「せやねー、涼子さんとこもたいがいだったけど」

「世間は狭いンか、広いンか……ウチらからしたら別世界やなぁ」


 あはは、だよねー、などと、方菜ちゃんとお喋りしつつ。


 別荘の、中へ。


「それでは、本多さんはこちらのお部屋を使って下さい。女性の方は、こちらへ」


 当然の、ごとく。


 男性のカワサキさんと、わたしたち女性陣は、別の部屋に案内されて。


 そこで、お着換え、お着換え。


 しつつも、少し、おしゃべり。


「今の人がもう一人の?」

「ええ、恐らく、そうでしょう、ね」

「結構な美人さンやン」

「ええ、まぁ……」


 うん。


 蘭先輩同様、身長もそこそこで、すらっとしつつも、出るところは。


 うぅ。


「蘭はンのその()()()()()()やったらカワサキはンもイチコロちゃうン?」


 ちょうど、バイクスーツを脱ぎ終えて、普通の服を着る前の、上体。


 いわんや、下着姿に、近い状態。


「……はしたないですわよ、方菜。そういうんじゃないんですからもぅ、まったく……」


 ぶつぶつ。


 言いながら、蘭先輩、方菜ちゃん。


 わたしは。


 あはは、と、苦笑しつつ。


 お着換え、お着換え。


 そして。


 その、お着換えも、終えて。


 部屋を出れば。


 さすが、男性?


 カワサキさんは、すでに廊下で待機。


「お待たせしました、おじさま」


「じゃ、行こうか」


 さて、ようやくと。


 お花見バーベキュー大会? へ、と。


 参加、ですか?


 鳥さんの事も気になるけど。


 蘭先輩と、()の女性の事が、ちょっと。


 いや、とても。


 気になる……。




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