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バード・ガール~鳥撮り少女  作者: なるるん
おまけ章】番外編:カワサキさんと蘭先輩と
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第99話:波乱は広がり波紋となりて


バード・ガール~鳥撮り少女、としてのお話は、ひとつ前まで、としたいと思います。以下、ちょっとオマケの、ラブコメと言うか、恋愛作品っぽい感じの内容になってしまいます故、ご興味のある方のみ、読み進めていただけますればと。

また、こちらの内容は、作者の別作品とコラボ状態になっております……。



 「どういうことですのおじさまっ! どこのどいつがおじさまにっ!」


 早朝の、公園(フィールド)


 いつもの、オオタカ島の、ほとり。


 蘭先輩の悲鳴が、とどろく。


 すでに鳥撮り配置(ポジション)に陣取ってらっしゃる方々も。


 何事か、と。


「や、だから、会社の同僚、と言うか、後輩?」


「いきなり交配!? おじさまっ! いきなり何てことをっ! あぁっ、あぁあああああっ」


「ちがうちがう、先輩後輩の後輩。てか、コウハイとか、言うなやっ」


 あちゃぁ……。


 もはや。


 ほんとに、何事? って、感じで。


 蘭先輩も、カワサキさんの事になると。


 見境が。


「若い女の子、だよ」


「妙齢の男性だったら別の意味でビックリですけどおいくつなんです? その方」


 あ。


 蘭先輩、ちょっと復活?


 言葉遣いも、普通に戻った?


「えっと、三十過ぎくらいだったかな? 高校生のお子さんが居るよ」


「!?」


 え?


 っと。


 三十過ぎで、高校生?


 十五歳とか十六歳として。


 えっと。


 三十五歳くらい、かな。


 二十歳で子供なら、それくらいかしら。


「バツイチ子持ちでおじさまに求婚(プロポーズ)とか、舐めくさってますわねっ、その(アマ)っ!」


 あ。


 また、グレた。


(めちゃおもろいな)

(怒られても知らないわよ……)


 方菜(かたな)ちゃんと、わたし、河崎永依夢(エイム)は。


 ふたりの脇で。


 ふたりの会話を。


 聞いてるしか、無いんだけど。


 面白いと言うか。


 どうなっちゃうの? って。


 興味あるような、でも、いろいろ心配?


 しかし。


 カワサキさんの、もたらした追加情報は。


「いや、バツイチでもなくて、未婚……」


「ぉふぅっ!」


 さらに衝撃的で。


「ダメですおじさま、そんな女、絶対に絶対にダメです。いやいや、そうでなくても絶対ダメダメですわっ! って言うか、お返事はどうされまして?」


「あぁ、まぁ、蘭の事もあるし、回答保留……」


 あはは。


 それは仕方ないけど。


 ばっさり断らないのは。


「保留も何も即断即決、一刀両断にしてやってくださいまし」


「いやぁ、そうは言ってもなぁ。同じ会社で同じ部署だしなぁ……一刀両断とかしたら、気まずくなるもん」


「なるもん、じゃ、ねーですわよっ。あぁあああもう、おじさまのその優しいところが優柔不断だけど素敵なのはわかってるのにいいいいくそおおおなんでおじさまの良さに気付いちゃう人がわたくし以外にいらっしゃるのでしょうかっ!?」


 知らんがな。


 と、言うか。


 カワサキさんが、良い人なのは。


 多分、この公園(フィールド)に居るひと。


 わたしや、方菜ちゃんも、含めて。


 みんな、知ってる、と、思う、よ?


「知らんがな」


 あ。


 カワサキさんご本人も。


 同じ思い?


(なぁ、永依夢(エイム)はン)

(なに? 方菜(かたな)

(オオタカ来よったみたいやけど、()ぅたった方がええかなぁ)


 方菜ちゃんが、指差す方向。


 確かに。


 オオタカさん、飛来。


 樹の枝にとまられて、ますね……。


(とりあえず、わたしらだけで撮りましょう、か)

(せやなー撮ってたらシャッター音で気付くやろ)

(せやでー)


 と、まあ。


 蘭先輩と、カワサキさんの。


 個人的(プライベート)な会話は、さておいて。


 オオタカさん、捕捉(エイム)


 お手製の、電池不要の照準器で、捕捉(エイム)して。


 ファインダーの中に収めて。


 ぱしゃぱしゃ。


「で、なんでシングルマザーになったかは聞かれてるんですの?」


「あぁ、なんかね……」


 耳だけ。


 ふたりの会話に傾けつつ。


 ファインダーの中のオオタカさんを、見守りつつ。


「『しの女』って知ってる?」

「しの女……東雲(しののめ)女子、女子高校ですわね。私立のお嬢様学校じゃないですか」


「そうそう、その『しの女』の在学中に子供ができちゃったらしくって」

「はぁ!?」


 ぶっ!?


 まさかの!?


 蘭先輩でなくとも、驚くわ。


「相手はその事知った後、すぐに蒸発と言うか、失踪したらしくって」


「……」


 いやまぁ、何といいますか。


 世の中。


 いろんな、ひとが。


 いらっしゃい、ますねぇ。


 驚き。


 なんか、ドラマ?


 みたいな。


(えげつない話やなぁ……)

(うん。とんでもない話、だね)


「おじさま……」


 蘭先輩も。


 言葉を失うほど。


 衝撃的な、お話で。


 そんな、女性に。


 求婚されたって言う、カワサキさんの、胸中や、如何に。


(とりあえずウチらはクチ出しせン方がええやろなぁ……)

(出せるわけ、ないじゃない……)


 それ以前に。


 聞いちゃっていいの?


 って、気も。


 しなくは、無いよー。


「わかりました。おじさま。是非一度、その方と直接お話させていただけませんか?」


「え?」


 え?


(え? あっ!)


「タカっ、飛びよったっ!」


「え?」

「え?」

「え?」


 あぁああっ。


 飛び出し、見逃したぁあっ!


 慌てて照準器でオオタカさんを捕捉(エイム)しなおして。


 シャッターは切ってみるけど。


 後ろ姿。


 とほほー。



 でも。


 そんな話を聞かされちゃったら。


(ウチもそン人の話、聞かしてほしぃなぁ)

(うんうん)


 方菜ちゃんも、同意見、らしい。




あああああ。まさかの。ここでR-15レイティングまで付ける事になるとわっ。


ひぃいい。


まぁ、大人の鳥撮り事情、って事で(自滅


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