表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バード・ガール~鳥撮り少女  作者: なるるん
おまけ章】大人の鳥撮り事情
102/113

第98話:波乱の予感



 秋。


 って、言うか。


 秋、何処行ったぁああ。


 夏の暑さから、すとん、と、気温が下がって。


 いきなり、冬の、様相。


 様相と、言えば。


 公園の様相も、文字通り、様変わり。


 老木や朽ち木が倒されて、薄くなった林に。


 訪れる鳥さんも、めっきりと減って。


 サンコンさん、何処いったぁあああああ。


 みたく。


 方菜(かたな)ちゃんが『あれもヒヨ、これもヒヨ』って、『ヒヨドリのうた』を歌っていたのも、頷ける。


 ほんと、秋の渡りの鳥さんとも、あまり会えず。


 そんな、短い秋の日に。


 熱い展開。


 蘭先輩が、カワサキさんに、告白(プロポーズ)



 なんかもう、火山のように。


 前触れに、気付いてる人は、気付いていたけど。


 当のご本人。


 カワサキさんは。


 知ってか、知らずか。


「考えておく……リョウとか蘭の両親とかにも話聞いてみるわ」


 って。


 答えを保留。


 逃げた、な、これは。


 確実に。


 蘭先輩も、そこは折り込み済みだったようで。


 落胆するでもなく。


「ええ、じっくり考えて下さいまし」


 ある種。


 抱えていたものを、投げ飛ばして。


 ちょっと、すっきりした感も、あるかな?



 学生時代、特に高校時代と違って。


 お互い、違う会社に就職したから。


 会う頻度は減った、とは、言え。


 鳥撮りの公園(フィールド)で、時々会うし。


 なんなら、メッセージアプリで近況の報告と言う名の。


 愚痴の言い合い。


『速報・おじさま、お祖母様に袋叩き』


 えー。


 まぁ。


 仕方ない、か。


 蘭先輩が、あらかじめ説明して説得したとは、言え。


 そりゃ、直接話せば、ね。


 ある意味、カワサキさんの方が、被害者?


 って、気も、しなくは、無いけど、ね。



 わたしは?


 って。


 蘭先輩や、方菜(かたな)ちゃんにも聞かれるけど。


 大学のゼミで知り合った男の人とか。


 就職して、入社した会社の人、とか。


 男の人と話す機会も、増えたけど。


 特に、そういう感情は、芽生えず。


 むしろ。



 カワサキさん。



 実は、ちょっと、って。


 気持ちも、無くは、無かったのは、確か。


 でも、それって。


 蘭先輩の気持ちを、知ってたのもあって。


 高一の時みたいな、暴走には、至らず。


 ブレーキをかけることが、できてた。


 まぁ、横取り? みたいなのも、アリかなぁ、なんて。


 思ったりも、しなくもなくも、ない?


 ナイナイ。


 無い、って事に。


 しとこう。



 方菜ちゃんも、似たようなモノ、だそうで。


 今は、まだ。


 恋よりも、鳥さん。


 それに、バイク。


 お仕事が大変、ってのも、あるし、ね。



 そして、季節は冬。


 年末年始を、例年通りに過ごし。


 いやぁ、両親の実家に行ったら。


 おじいちゃんおばあちゃんたちから『結婚は?』『ひ孫を是非』みたく。


 攻撃されちゃったけど。


 軽くかわして。


 みんなも、決まり文句、みたいなところで、そこまで真剣にってほどでもなかったから。


 半分は冗談、だよね。


 そんなお正月も明けて、新年一月も終わりに近い頃。


 今年は、まだ雪も見ず。


 晴天快晴の、公園(フィールド)


 いつもの場所、いつもの面々。


 なんだけど。


「えらいこっちゃ」

「どないしたン、カワサキはン」


 カワサキさんが合流するなり。


 何やら?


「おじさま、何かありまして?」


 うん。何だろう?


「蘭、えらいこっちゃ」

「だから、何がどうえらいこっちゃなんですの?」


 何か、あったのかしら?


「会社の子に、告白(プロポーズ)された」


「え?」

「え?」


 わたしと、方菜(かたな)ちゃんは、ぽかん。


 でも、さすがに。


 蘭先輩は。


「はぁ!? 何ですってぇえええええっ!?」



 まぁ、そうなる、わね。



 こりゃ、また……。



 波乱?






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ