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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

予期不能のその先は

作者: 皇子(みこ)

「団長! 嫌です。俺は絶対に嫌ですよ!! もし、その話が確立されたなら俺は副団長を辞して冒険者になります」




俺は、目の前の厳つい顔に苦渋の表情をプラスしている上司に、はっきりと告げた。ここで言葉を濁したならこの縁談は先々進み、断れなくなるのは以前の上司で学んでいたから。


 二年前迄居た俺の尊敬すべき騎士団長は、敗戦後の隣国に雇われた怪しい魔術師により、行方不明になっていた。探しに出た筆頭魔術師も同じく行方知れずになっている。


 と、言うのは建前で、俺たちは探しに探して行方を突き止めたのだ。遠く離れた地でA級冒険者とA級魔術師として仲良く楽しく魔獣を退治していた。


 仲睦まじい新婚夫婦に帰ってきて、我が儘姫と結婚しろとは到底言い出せず、建前上行方不明のまま現在に至っている。


 ちなみにこの事実を知っているのは現在の騎士団長と俺と探しに行った俺の部下だけだ。




「アンドレアお前は、もしかして付き合っている子は居るのか? 」


「いますね。先日やっと三年かけて落とした奴から了承の言葉を貰ったばかりですよ」


「あー…………やっぱりか……」


「姫様には悪いのですが、俺はあいつ以外は無理ですから。諦められるぐらいなら三年も粘りませんよ。断る事が不敬にあたるのならば、俺はあいつを連れて去りますが」


「まあ、待て。アンドレアにまで抜けられたら私の後継が居ないではないか。それは困るんだ。私が何とかするからはやまるなよ! わかったな。王には私の方からそれとなく違う者を探す様に、進言してみる」





団長の言葉は素直に鵜呑みにはできないが、今はこれ以上は無理だと踏んで一旦引き下がることにした。


 本当に、あの姫は人騒がせな姫だよ。あの姫の所為で何人の恋人同士が別れたと思ってるんだ。


 何の魔力か、決まって相思相愛の恋人同士の相手を気に入ったと言って側に侍らせるんだ。断れない相手に甘い言葉を強制的に言わせて、ご満悦だよ。付き合っている相手がいる者限定なのが、恐ろしい。


 そんな噂はすぐ広まり、別れに繋がる。別れると何故か興味も薄れその者は用無しになる。別れたふりをしても無駄に終わり、別れるまで付き纏われるんだよ。恐ろしい……


 そんな事が幼少時から何回も続き、王も姫の所業に気付き本格的に姫のお相手探しが始まったんだよ。その白羽の矢が当たったのが以前の騎士団長のライヤード団長だった。ライヤード団長も例に漏れずその時の筆頭魔術師様との付き合いが始まったばかりだったんだ。


 お二人は付かず離れずで、お互い好きだろうにジレジレな関係が続きやっと、やっとの事で素直になり付き合い始めたばかりだったのに、凱旋パレードで姫に見染められて、そこに王の後押しもあり周りを固められて断れなくなった。


 俺はその時も今と同じく団長の補佐の副団長の役割を与えられていたし、ライヤード団長を心の底から尊敬していたから、お二人の関係がうまく行く様に何かと手助けしていたんだよ。


 やっと、やっと、お二人が素直になり付き合えたのに。


 本当……あの姫は疫病神だよ。他国に嫁に出せば良いのに、王が手元から離したくないからと自国で相手を探すなどと……ならば欲深い貴族から選べば良いものを何故俺たち騎士団に、それも俺に回ってくるんだよ。


 あり得ねえわ! けど、俺の相手は時期宰相候補なんだよな、頭が良くてすこぶる可愛いんだよ。暗躍も得意な奴だからここはあいつに報告して、この先の流れをぶっ潰さないとな! 騎士団長に任せても無理そうだし、自分の事は自分で解決しないとな。




 

「そうと決まれば!報告報告!! もしかして、あいつに嫉妬なんてして貰えるのかな…………わっふーーー」











the end



《迷いの森のその先は》サイドストーリー


心の声・説明文ばかりですみません。読んでてきっと疲れますね(・_・;

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