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66.葛藤は歩みを遅らせる

随分更新が空いてしまってすみません…!


ある程度の汚れを落として、洗濯を終える。

干した服達にはうっすらと赤茶の染みが広がっている。見て見ぬふりをする事に決め、掃除道具を手に取った。


「新しく仕立てればいいのに、なんて言えないもんねぇ」

「そうだな……」


ちらりと横目でシミのこびりついた服に目を向け、ため息を落とすのはメリー。釣られてライルも疲れたように肩をすくめる。


国が荒れているのだ、要らぬ予算は削ろうとするだろう。

血の染みが付いていようがまだ使えるだろうと一蹴されてしまうに違いない。

だからこそこうして洗濯に出されている。


溜息ばかりが零れ落ちた。

疲れと、呆れと、絶望から込み上がっては溢れる。

未来を問うても、誰からも明るい答えなど帰ってこないに違いない。


思い切った行動を起こす事をせず、暫く息を潜め、大人しく使用人として紛れ込んでるリアナは、溜息を零す周りと対照的に、息を吸った。


随分と、この国の人口は減ったに違いない。

天罰がくだっても、おかしくないだろう。


とは言え、リアナにはシムの様に大地を人の理を超えた力で操れるわけではない。

シムの力があれば、大災害を引き起こし、天罰がおりたと思わせるのは簡単だ。

でも、リアナにそんな力はない。出来るのは、精々個人に対して粛清を行うくらいだ。


リアナとしての恨みは消し去り、神子として、引導を渡すのみ。

けれども。


「機会を作らないとね……」


リアナ一人であれば、多少の無茶は出来ただろうが、ジャンもいる。それに、新しく出来た友人達も。

再生の力は、人に、生物に使うことは、リアナ自身が許せない。

人の命は、本来であれば喪われると戻せないからだ。


もし、目の前でジャンが殺されてしまったら。リアナは力を使わずにいられるだろうか。

小さく頭を横に振って、考えを霧散させる。そんな事、起こさせなければ良いだけの話だ。


無意識に噛んだ唇の内側が、ピリリと傷んだ。


考えに耽っていると、俄に騒めきが近付いて来た。

仕事でゴタゴタしているのと、体調を壊してしまいうまく書けず更新期間が空いてしまいました。

しばらく更新が空きがちになりますが、暫しお付き合い頂ければ幸いです。

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