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58.男の戦い


休憩を終え、メリーとライルと共に洗濯場へと向かう。

空は抜けるように青く、青を彩る雲は薄く、刷毛ではいたようにまばらに散っている。


風で揺れる洗濯物を取り込んで部屋へと運び、場所ごとに分けて畳んで籠に入れていく。

最初こそぎこちなかったジャンはすっかり慣れ、てきぱきと畳んでいくのをリアナはそっと覗き見ていた。


(やっぱり、優秀だわ)


本職は騎士でありながら、使用人としても申し分のない働きだ。

アッシュム王国に来る道中の野営も、騎士としての経験もあり、なれていた。

案外、何処でも生きていけそうだと言う評価をリアナはジャンに対して抱いている。


黙々と作業をし、稀にメリーのうっかりミスをライルが指摘する声だけが沈黙を切り裂く。

メリーはそそっかしく、小さなミスを連発しがちだ。それを上手くフォローするのがライル。

二人はまるで幼馴染みの様だ。


とは言え、王宮で働き始めてから知り合ったらしい。

あまりにもミスをしている様子を見兼ねて、ライルが声を掛けたのが始まりだと言う。


「全く、本当そそっかしいの治んねぇな」

「気を付けてるんだけどなぁ」


おかしいな〜と小首を傾げるメリーに苦笑を零すライル。

なんだかんだと言いつつも、絶対に彼はメリーを見捨てない。見つめる眼差しは暖かく、友情とは違う熱が篭っている。

運が良いのか、悪いのか、メリーはその視線に気がついていない。


「おら、手を止めんなチビとひょろ」

「待って、ひょろって僕?」


手を止めて意味も無く二人を眺めていると、飛び火した。

鍛えているが、着痩せするタイプのジャンは一見頼りなく見える。優しげな顔立ちも手伝っているのだろう。


「ひょろだろ」

「ライルならすぐ倒せると思うよ」

「はぁん?」


ライルはガタイが良く背も高い。ジャンと並ぶと、ライルの方が強そうに見える。

ジャンは見た目だけなら喧嘩などした事ない様に見える。


だが、素人同然のライルと騎士として鍛錬を積んでいるジャンならば、間違いなくジャンが勝つだろう。


「兄さんは割と強いよ」

「ふぅん」


腕っ節に自信があるらしいライルは、リアナの発言に食いつく。

ギラリと目に獰猛な光が宿る。


「もぉライル、仕事中だよ」

「まずはどっちがより多く運べるか勝負だ!」


呆れた様子で洗濯物を選り分けるメリー。

ビシッと人差し指をジャンに向け、胸を張るライルに白けた目を向けるジャンがいた。


投稿が遅れてすみません。

ライルとメリーみたいな無意識な熟年夫婦感好きです。

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