56.雇われの身
門番に使用人部屋へと連れて行ってもらい、雇用を任されている侍女長の面接を受けることになった。
ジャンは騎士希望だと告げると、推薦状を書いてくれ、リアナが、兄と離れたくないと言うと、渋い顔をされた。
「幼くても、働き手になれば我儘は許されません」
「でも、生き別れて、やっと、やっと会えたのに……」
「人手不足なのです。彼が使用人となるならば二人一組を組ませる事は出来ます」
騎士として身を置けば、帯剣していても怪しまれることが無いだろうと思っていたが、リアナと離れ離れだと意味がない。
ジャンは早々に帯剣を諦めることにした。
「えっと、この子を一人にするのは忍びないので僕も使用人として雇ってください」
「いいのですか?騎士も足りていないので気が変わったらいつでも」
くたびれた様子の侍女長は細い眉を釣り上げ、フレームの細いメガネを指で押した。
少し頬のこけた輪郭がより気が強そうに思わせる。
「貴方達は掃除と洗濯をお願いします。西の塔、全てを頼みます。他にも人はいるので手分けしながらしてください。では」
お仕着せを押し付けられ、侍女長は忙しなく出て行った。
人手は予想通り足りていない様だ。流石に何処の馬の骨かわからぬ人材に王家の住う塔を任せる事は無かったが。
アッシュム王国の王宮は三つの塔に別れている。騎士や、魔導師、魔法研究や軍事施設がある西の塔。政治を司る東の塔。
そして、王家の住う中央の塔。中央の塔は広間や客室などもある。
お仕着せに着替え、持ち場へと向かう。同じお仕着せを着た人に挨拶をし、仕事の手順をざっくりと教えて貰う。
大抵洗濯する物は籠に入れて置かれているのでそれを回収し、塔の裏にある井戸で洗うとの事だった。
リアナとジャンは連れ立って籠の回収に向かう。
「えっと、アナ、無理はしなくていいからね」
「過保護ね、兄さんたら」
混み上げる笑をどうにか噛み殺しつつ、周りに仲の良い兄妹だと印象付ける為に少し声を大きくして会話をする。
リアナは偽名として「アナ」。ジャンも名乗る時は「ジャック」とした。
書けば書くほど勉強不足を感じます。
調べながら書いてはいるのですが…。




