52.温泉でまったり
極度の疲れとストレスから解放された様に湯船に浸かり、リアナは大きく息を吐いた。
「想像以上に、酷かった!」
むしゃくしゃしていたのだろう。石の衝立越しに聞こえる大声でリアナは吠えた。ジャンは、俯いた。
「予想よりも、腐敗が早いね」
「本当にそう。まともな貴族はほんの一部だった事だよね。領民たちから、財から食料、何でも巻きあげてるんだもん」
「落ち着いたら、ちゃんと弔いをしてあげたいね」
「……ん」
するすると怒りは萎み、リアナは膝を抱え、そこに顎を乗せた。湯気が目に染みる。
そう、湯気が目に染みるのだ。
だから、泣いたって構わないだろう。何度か瞬きすると、目の淵に溜まっていた涙は限界を超え、零れ落ちた。
死ぬために生きていた訳じゃ無い。誰もがそうだ。
けれど、命の重みは、平等ではなく、理不尽に奪われた人々を思い、リアナは頬を濡らした。
「はぁ……、少しだけ休んだら、王都に行こう」
「馬で飛ばせば、後二日ってところかな」
「後で馬も温泉に入れる?」
「えーと……、入りたがったらね」
馬のリハビリに温泉に入れる事もあるらしいが、実際に見たことはないので、言葉を濁しておく。
リアナはそこまで興味が無かった様で、それ以上何かを言うことは無かった。
思う存分二人は温泉で疲れを癒した。寝る準備をしていると、馬が温泉に浸かっていた。
とても気持ちよさそうに目を細めて鼻を鳴らした。
「もしかしたら、明日一日中走ってくれるかも」
「はは……」
リアナの小さな呟きに、ジャンはそうかも知れないと思ったのだった。
馬って温泉に入るのか突然気になって調べたら、リハビリであられことがあるって出てきてなんか可愛いな〜と思いました。
巷で今、馬すごい人気ですよね。




