37.騒がしい食事
鼻歌交じりにシチューをお玉でぐるぐる混ぜていると、ノックの音が耳に入り、シムは火を止め、扉を開ける。
「あら、あら」
ジャンに抱っこされたリアナを見て、思わず口角が上がる。本当にこの子たちは仲がとても良い。
私も小さな頃にグレゴリオと出会ってたらこうなっていたかしら。いや、でもそれはないか。シムはすぐにその思考を振り払う。
「ただいま」
「シムさん、こんばんは」
「おかえり、二人とも。ちょうどシチューが出来たところよ。ジャンも食べてく?」
「お言葉に甘えて」
ジャンはリアナを降し、二人は外の井戸に向かった。水を汲み上げ、手を洗って家に入ると、シチューとパン、サラダが既に配膳されていた。
シチューからは湯気が上がり、良い匂いが鼻腔を擽る。
「大地の恵みに感謝して」
シムが温度を取り、二人もそれに続いた。
ミルクで煮込んだシチューはまろやかで、野菜はよく煮込まれ蕩けるようだ。
リアナもジャンも美味しそうに表情を緩ませて平らげていく。
「やっぱり大地の神子だから野菜が美味しいの?」
「えぇ、私に感謝なさい」
口の中のものを飲み込み、ふと思いついてそう問うリアナに、シムは胸を張って答える。
ジャンはその二人の会話を耳に入れながら、サラダに入ったレタスを齧る。瑞々しく、青臭さはまるで無い。
「シムさんに感謝…」
「えぇ、えぇ。盛大に感謝してくれても構わないわ」
放っておけばそのまま高笑いしそうなシム。
リアナもジャンも、悪ノリして手を合わせて拝んだ。




