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34.休暇前の


グレゴリオから、明日からの三連休と、その後の国境視察を命じられた後、ジャンは騎士団の訓練に参加した。

騎士団の訓練を終え、山の家に帰ろうかとジャンとリアナが話していると、ふらっとヨルが寄ってくる。


「リアナちゃんも随分元気になったみたいだね。でも首の包帯は取れないね」

「うん、こればかりはずっと取れないの」


初めてリアナが騎士団に現れたときは全身包帯だらけだった。

手足には枷の痣が残っていたので素性がバレない様にと包帯を巻いていた。


パニックを起こして倒れ、再び目を覚ました際に、シムが魔法の使い方を教えてくれたので治癒魔法で痣は綺麗さっぱりなくなった。

けれど、神子として覚醒する原因になった斬首の跡は消えなかった。神子である証拠だと主張するかの様で。

首にぐるりと一周して残った皮膚のひきつれた跡だけが痛々しくそこに居座っているのだ。


「ふぅん、女の子なのに勿体ない。人の目に触れさせたくない痕かなにかなんでしょ?医療士…でもダメだったからそこに残ってるんでしょ」

「でもいいよ。ぼろぼろだったからジャンさんに拾って貰えたから」

「リアナ…」


勿論ジャンはその首に残る傷跡を見ている。

なんとも言えない気持ちになり、表情が曇る。


大きな掌をリアナの頭に乗せ、ヨルはグリグリと撫でた。


「リアナちゃんはいい女になるよ。ジャンはもっと勉強しないといけないな」

「勉強って、なんの」

「そりゃぁ、アレだよ。女の子の勉強。このままだと別の男にリアナちゃんが横から掠め取られるぞ。ほら、俺とか?」


ジャンはぽかんとした後、ヨルをじろりと睨む。ヨルは意にも解せずけらけらと笑った。


「はは、独占欲だけは一丁前だな。いいぞいいぞ〜」

「おい、ヨル…」

「冗談が上手いのね、ヨルさん」


肩を竦め、片目を瞑って見せるリアナ。

いいねいいね、とまた機嫌良くヨルは騒ぎ立て、満足したのか手を振って帰って行った。


「…帰ろうか」

「うん」


当たり前の様に差し出された手を握り、ジャンとリアナは並んで歩いた。

寄り添う影は長く伸びていた。

今日こそと思って早めに文を作っていたのにまた遅刻しました。

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