30.神子二人
そうしてまた、時間が経ち、グレゴリオとシムが戻ってきた。
横並びに仲良く座っている二人を見て、シムが優しく微笑んだ。
「仲良さそうでなにより。私の家の横にもう一つ家をもらうことになったわ。リアナ、今日はうちにいらっしゃい」
「うん、そうしなよ。朝、そっちに行くよ」
リアナが何か言いたげにジャンを見つめるが、頭を撫でられ有耶無耶になる。
でも、朝から会えるならいいか、と言葉を飲み込む。
そして、今日は、と言う言葉に引っ掛かりを覚える。
「シムさん、その」
ちら、とジャンに目を向けるリアナに、シムは晴々とした顔で告げる。
「私の家の横に、貴方達の家を建ててもらうのよ。君は神子の護衛として一緒に住むの」
「また改めて書状を作る。暫くは騎士団で励んでくれ」
「はい!」
その言葉を裏付ける様に、グレゴリオがジャンの肩を叩き、激励を飛ばす。
ジャンは力強く返事をした。
その後、シムはジャンを捕まえ、家の場所を詳しく教えてから、リアナの手を引いて森に帰った。
その道中、同じ神子同士、通じ合うものも多く沢山言葉を交わした。
「リアナ、貴方はきっと神子がなにか分かってるでしょう?」
「はい。なんとなくだけど、でも断言できます」
「もっと、人間として幸せに暮らす時間があっても良かったのにね」
繋がれた手に力が篭る。
気にしていない、と言えば嘘にはなるが、生きていても城からは出られず、飼い殺しされていただけだ。
処刑は恐ろしかったが、お陰でジャンと出会えたと思えば前を向ける。
リアナは強がりでもなく、胸を張った。
「神子として覚醒したからジャンさんと出会えた。悪い事ばかりじゃないです」
「うん、まぁ、それが問題なのよね」
「…シムさんがここに残っている理由も、あの、騎士団総長さんに出会ったから?」
リアナの言葉に、シムは僅かに顔を強張らせる。どうやら、図星。
先に口を開いたのはシムだった。
「えぇ。私の場合、もう少し見守ろうって気持ちだったけれど。もう少し、が伸びに伸びて今に至るのよ。煩悩だらけで神子らしくもないしまぁいいかなって」
「私も、そうなりそう」
気まずい空気が流れた。
「嫌ね、人間と違う時間で存在するなんて。寄り添う事は出来ても、共に老いる事も眠る事も出来やしない」
リアナは、返事ができずにいた。
すみません、遅刻しました。
絶妙にスランプで辛いです。頑張ります。




