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28.大人たちの会合


空気が重くなった。


温厚でも、目の前にいるのはこの国の君主だと改めてグレゴリオは感じた。

対照的に、シムはにこやかに微笑む。


「そんなに警戒しないで。アッシュム王国で少女が処刑されたのはご存知?」

「えぇ、神子を騙ったと聞いてますが。…まさか」


王は思わず玉座から立ち上がる。

玉座は数段高い場所にある。王は駆け下り、シムの手を取った。


シムがルババグース王国の騎士達を助け、国王と会ってから二十年以上前だ。

王は歳を取り、壮年から老年に足をかけた頃。

名君と呼ばれ、常に民の事を思いやる優しい王である。それは、今も昔も変わらず。


「その少女は、今どこに!?この国に?直ぐに保護を…」

「今は救護室にいるわ。その事で話があるの。ねぇ、グレゴリオ?」

「そうか、話してくれ」


幼い少女が濡れ衣で処刑など、さぞ心に深い傷跡を残しただろう。

処刑されたと言われているが今も存命であるとは、まさしく神子の証拠。

冤罪にも程がある。

逸る気持ちを抑え、グレゴリオの言葉を王は待つ。


「新人騎士が魔獣の森で、神子を保護し、今日城に連れてきました。辛い記憶を思い出して倒れてしまったので救護室に運んでいた様です」

「そうか。目は覚ましたのか?」

「はい。ただ、随分と心細い様で、最初に助けてもらったその新人騎士にべったりです」


そう、とシムが話に入ってくる。

男二人は目をシムに向ける。


「最初は私が引き取って世話をしようと思ったんだけど、その騎士君と一緒じゃないと嫌って言ってて」


王は思わず笑った。

シムの誘導に引っかかってあげよう、とくつくつ笑いを殺しきれず肩を震わせた。


「仕方ない、森の家の横に、また家を建てよう。それで構わないですか?」

「えぇ、流石王様」

「この国に住むならもう我が国民ですよ。さて、その新人騎士は神子の護衛として派遣してくれ。落ち着いたらその神子と対面したいが…」

「勿論、挨拶に来るわ」


その後、シムと王はお茶飲み仲間になる約束をし、グレゴリオも二人に半ば強制的にお茶飲み仲間に追加された。


胃が痛くなりそうなお茶飲み仲間が出来た、とグレゴリオはそっとお腹を撫でたのだった。

次からリアナたちに話が戻ります。

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