俺と初心者と女剣士
すみません、間違って違うものを投稿していました( >д<)、;'.・
今回は字数合わせのため短いです
ミカエルを決闘でぼこったあと、野次馬が集まり騒ぎになっていたのでアリンの手を引いて街の外れまでやって来ていた。
ちなみに、この街の名前は《アインス》だ。
《アインス》の外れ、ほんとうにあと三歩ほど歩くとフィールドにでてしまうくらいの外れにある
裏路地に入り煉瓦でおおわれた壁の一部の煉瓦が偏食している。そこを軽くコンコンと叩くと壁の形が変わる。
これはアレだ。某額に傷がある魔法使いの最初の作品で巨漢の男が酒場に主人公の少年をつれていったときのようだ。
壁が完全に変形すると扉が現れた。
「面白いだろ?ここなら普通のやつはこれねぇだろの」
「へっ・・・え、えぇそうね」
流石のアリンもこれには驚いたみたいだ。
俺も最初はそうだった。思わず、なんじゃこりゃあぁぁぁぁと叫んだのを覚えている。
いつまでも外にいると他のプレイヤーに気付かれるかもしれないので中に入る。
外の外見とは考えられないほどの綺麗な内装をしており、酒場でありながらギルドの酒場とは比べるのもおこがましいくらいに綺麗でおしゃれな店内。
「よっ、マスターいつもの頼む。あぁ、こっちの娘にも同じのを頼む」
「はいよ、ロキ君が一番乗りだよ。それで、今日は《疾風戦姫》の嬢ちゃんは一緒じゃねぇのかい?」
「まぁな、あとで合流する予定なんだが、今は初心者のこいつを鍛えてるところだ」
この白髪のご老人はこのバーのマスターをしているGヤさんだ。
ちなみに運営側の人でゲーム内でプレイヤーが問題を起こしていないか密かに監視している人だ。
姉が運営ということもあり、この人とは現実でもあったことがあるが二十代後半の好青年風の人だった。
「ほれ、おごりだ。記念すべき一人のお客だからな」
「サンキュー」
「ありがとうございます」
とりあえず、マスターの前のカウンター席に座り一休みする。
どうやら今日はついているようだ。マスター特製のなにでできているか分からないパフェをただで食べられるからだ。
何で出来ているかは分からないが、決して体に悪いものとかではない。むしろこのゲームでしか食べられないような特殊な果物なども乗せられている。いつもいつも上に乗っている果物も違うので飽きることがない。
「ほら、食べろよ」
「えぇ、いただくわ。そのいただきます」
アリンもスプーンを手に取りパフェを口にする。
「うぅぅぅぅぅ」
なんか叫んでいる。
女の子ということもあり、甘いスイーツは好きなのだろう。
良かった、たまに甘いものが嫌いな女の子とかもいるからな。
「それでロキ君、今日はどうしたんだい?」
「いやぁ、少しだけ公式サービスになって変わったことを聞きたいなと思いまして」
「だめだよ。そういうのは」
「そこをすこーしだけ、少しだけお願いします」
「だめ、あんまりしつこいとお姉さんにチクるよ」
「ちょ、それは勘弁」
俺とマスターの会話が意外だったのだろうかキョトンとした表情でこちらを見ているアリン。
「さっきから気になっていたのだけど、マスターとロキの関係って?」
「あぁ、マスターは実は運営なんだ。それで、俺の姉も運営だからマスターの同僚ってこと」
「そうだよ、ちなみに現実ではイケメンな青年なんで」
「一気にクールバーテンダーのキャラが崩れ去ったわ。でも、なるほどね」
アリンは額に手を添えて俯く。
はぁ~と溜息を吐く音が聞こえる。溜息なんて吐いたら幸せが逃げちまうぞ。
「というか、さっき《疾風戦姫》って聞こえたのだけど?もしかしてここに来るの?」
一度パシンと頬を叩きいつもの(まぁ、今日初めて会ったんだが)彼女に戻った。
「そうだな。俺、アイツとギルド創るんだよ。もしよかったら入るか?」
「ギルドって?えぇ、ウソ。私が?いいの」
「あぁ、多分あいつもいいって言うと思うし」
ピロリンと俺の視界に映るメールボックスにNEWの文字が現れた。
開いてみると差出人 朱美
『やっと、用事が終わったわ。早速ログインするけどもう少しかかりそう。
あと十分ほどしたらどこで集合する?』
「おっ、丁度連絡が来たぞ。十分くらいしたら来るそうだ」
「えぇッ、ファンサガ内でも最強の女プレイヤーと名高い《疾風戦姫》さんが」
「あらら、完全に自分の世界にはいちっまった」
というわけで隣で一人はしゃいでいるアリンは置いといて朱美(ヒルデの本名)にメールを送る。
『了解、今はGヤの店にいるから集合場所は《アインス》の噴水広場でいいか?
あと、早速ギルドメンバーになってくれる初心者捕まえた。それじゃ後でな』
送信っと、するとすぐに返事が来た。
『そうか、分かった。私もログインしたらすぐにそこへ向かう』
メールを閉じて残っているパフェを急いで食べる。
「というか、お前はいつまでトリップしてるんだよッ」
「ふぎゃ、何すんのよ」
「早く食べろ。遅れるなんてもってのほかだぞ!」
俺は思い出す。
そう、あれは俺とアイツが一緒のパーティを組むようになってしばらくたったときだった。
俺はその日、時間に遅れてしまった。約束していた時間を十五分ほど遅れで集合場所についたとき俺が見たのは一匹の鬼だった。
まぁ、その鬼の正体はヒルデだったのだが、それ以降、俺はあいつと一緒にパーティを組むときは集合時間の十分前には着くことを心掛けている。
決して俺があいつに早く会いたいとかいうわけじゃないからなッ。
ま、まぁ、確かに3割・・・4割いや、7割くらいはそうかもしれないが、って男のツンデレって誰得。
「ごちそうさま。じゃあ、もしかしたらまた後で来るかも。ほら行くぞ」
「ちょっと、待ってよ。あっ、ごちそうさまでした」
パフェを完食した俺達はここから徒歩三分ほどの場所にある噴水広場に向かった。
道中、さっき俺がミカエルをボコボコにしたっていう話を聞いたので途中服装を着替えて初期装備姿で
噴水広場まで移動した。そのおかげで誰も俺がロキだって気づくことはなかったのだが。
「よし、アイツより早く来てるな」
集合場所である噴水広場に到着した俺は周りを見渡す。
あいつのアバターはよく目立つ。いい意味でだ。ラピスラズリの様な青い髪の美女。
年齢は俺の一個上らしいが、俺より何倍も大人っぽい。俺が子供なだけかもしれんが。
「ねぇロキ《疾風戦姫》さんってどんな人なの?」
「滅茶苦茶怖い。戦闘狂、残念美人」
「そうなのッ?」
「でも、誰よりも周りに気遣いができて、頼れるお姉さんみたいな人。あの人に背中任せたら九割九分九厘はうまくいく。残りの一厘は自分のミスってところだな」
「ほう、貴様は私のことをそう思っていたのか」
ビクッと俺は体が反応した。
聞き覚えのある声、最後に聞いたのは半年前だというのに、鮮明に俺の記憶に残っている。
チラリとだけ背後に視線を向ける。青い髪が風になびき、軽装の鎧を纏い腰には二刀の曲刀が見える。
「忘れろッ!」
「いやぁ、貴様もなかなか可愛い所があるじゃないか」
ニヤリと悪役令嬢が浮かべるような黒い笑みを浮かべる美女ヒルデだった。
今すぐにでもアイツの記憶を吹き飛ばしたいところだ。
「君がコイツがいっていたギルドメンバー候補か?・・・亜咲じゃないか!」
殴りかかろうとした俺だったがヒラリと何事も無かったかのように流される。
俺を流した本人はアリンに近づき話をしている。
「鳴宮先輩?ウソッ、先輩が《疾風戦姫》だんだったの?でもそんな話一度も」
二人は目が飛び出すような反応をする。
知り合いだったらしい。まぁ、有名なゲームだしな。知人の一人や二人いてもおかしくない。
「えっと、お二人はどういったご関係で?聞いてる限りじゃ学校の先輩後輩?」
「そうだ、私の通う学校の一個下の後輩だ。部活も同じでな、まさかこんなところで合うとはな」
「世間って狭いですね」
「そうだな」
二人がどこか遠い目をしている。
一体この二人には何があったの?と、とても気になるが何故か俺の第六感が触れるなと告げている。
「そういえば、先ほど面白い話を小耳にしたのだが、『《悪戯必中》が《紅炎の騎士》に圧勝』だそうだが?」
突然、彼女の雰囲気が変わる。
なんというか、現実でも姉さんがキレたときに纏う雰囲気に似ている気がする。
「それは、私があのクソに絡まれて困っていたところを助けてもらっただけなんです」
そこで女神からの加護が俺を救った。
彼女の説明がヒルデの内に眠る鬼を沈めた。
「なんだと?私の可愛い後輩が困っていたところを助けたと。それは礼を言おう。それで、ミカエルのやつはどこだ?久しぶりだからな。軽い準備体操に相手をしてもらいたいのだが」
拳をパキパキ鳴らす姿は完全にスケバンだ。しかも妙に似合っている気がするんだ。
今度、コスプレしてほしいと頼んでみよう。
「先輩、落ち着いてください。もうロキがボコボコにしてくれましたから」
「そうか、まぁ今はそれで勘弁しておいてやろう。後輩が世話になったな」
こうして、彼女から礼をされるのはどうも歯痒い。
「気にすんな。それより、早くギルドの設立を申請しにいこうぜ」
「あぁ、亜さ・・・名前はなんていうんだ?」
「アリンです。えっと、ヒルデ先輩?」
「ヒルデだけでいい。それか先輩だけでいい」
「じゃあ先輩で、ギルドの設立ってどこで行うんですか?」
アリンが良い質問をする。
実はギルドシステムというものはβ版では実装されていなかったのだ。
なんでも、プレイヤーの数も少なく、コンテンツもあまりなかったせいでギルドミッションなども無かった
ことが原因である。
その結果、ギルドの代わりに複数のパーティで一つのチームを作るレイド方式がほとんどだった。
そんなレイドなのだが、俺の友人というか、《聖騎士王》なんだが
あいつはとにかくジャストガードの達人だった。
ジャストガードとは敵の攻撃をあるタイミングでガードすれば完全にダメージをゼロにできるよくある
防御法なのだが、このゲームでジャストガードをするのは難しい、どれだけ頑張っても十回に三回はミスをしてしまう。
そのジャストガードを100%いや120%成功させるのが《聖騎士王》である。
アイツ自身の力量が関係しているのだが、その三分の一は武器スキルを持つファンサガ内(β版)最強の
盾のおかげでもある。
それは突然発生したクエストの報酬というかそおのクエストのボスからドロップしたアイテムなのだが
『盾鋼殻 モンスタータワー』というタワーシールドなのだがその武器スキルが
とんでもないのだ。
相手の攻撃の軌道を予測するというもので反則級の能力である。
というか間違いなくβ内では最強だっただろう。今は分からないがそれでも最強クラスの能力の一つと考えてもいいだろう。
おっと、話が逸れてしまったから話を戻すとしよう。
ギルドの設立には冒険者ギルドで申請すればいい。
ギルドを作る自体は無料だ。しかし、ギルドハウスを用意するとなれば話は別だ。
まぁ、金は腐るほどあるので大丈夫だとは思うが、それにヒルデもいるんだ。
アイツも金はあまり使わないといっていたので貯金はあるのだろう。
それにしてもβテストのときのデータがそのまま使えるってほんと得だぜ。
一から始めるのも楽しそうだが、やはり一からレベル上げともなれば俺の頑張った時間が消えてしまう。
そんなこんな話をしているうちに冒険者ギルドに着いた。
「確か普通の受付でも申請すればいいんだよな」
「そうだったはずだが」
「じゃあ、さっきの人でいいか」
俺はアリンの初クエストを担当してもらった受付NPCに声を掛ける。
「ギルドを設立したいんですけど?」
「ギルドの設立ですね。ギルド名はどういたします?」
「すみません、少し考える時間を貰います。また決まったら話します」
受付のNPCのお姉さんにそう言って、アリンとヒルデがいる所に向かう。
「どうだった?」
アリンが最初に聞いてきた。
「ギルド名考えるの忘れてた。それで、これから考えようぜ」
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ところで、話は変わりますが少し前から某白い猫のプロジェクトで黒い剣士がデスゲームを攻略する作品とコラボしましたね
50連で私は絶剣さんと冥界の女神さんが出ました
皆さんはなにが出ました?
えっ、爆死?プークスクス、ドンマイ‼️
まあ、私もねバンジーなドリームなゲームではいつも爆死ですから・・・