プロローグ
VRMMORPG Fantasy saga online
それが、現在世間で話題となっているゲームだった。
FSOまたはファンサガと呼ばれているそのゲームはβテスト時に五万人いたβテスター全員が
「最高だった」「別世界にいったみたい」「ほんとにゲームなのか?」と様々な意見ではあったが、その全てが大絶賛のゲームだった。
そして、あの日はファンサガの公式サービス開始日となり初版生産十万本のゲームソフトを手に入れた
者たちがみんな明日ようやくプレイできるとワクワクしていた。
ファンサガにはある伝説というか一部のプレイヤーたちの伝説があった。
最強の女剣士 《疾風戦姫》 疾風の如く奔る彼女の剣撃は瞬く間に相手を切り刻む
撃破の凶戦士 《狂刃鋼鉄》 鋼鉄の体を持ちその体から放たれる攻撃は一撃必殺
鉄壁の盾使い 《聖騎士王》 いかなる攻撃も通さない技術を持ちパーティーに必須
最速の槍術師 《音速突貫》 狙われたら最後どこまでも追いかけられる音速の槍
孤高の暗殺者 《絶命暗夜》 背後から襲う見えない刃その後残るは可愛い笑顔
無限の使役獣 《魔獣皇女》 大量の魔獣を従える彼女は人をも従える腹黒の皇女
幾千の魔導書 《魔導教本》 全魔法を習得した魔術の頂点に君臨せし知恵の賢者
喜劇の舞台王 《悪戯必中》 近ずく前に終わらせる計算された戦術使い
幕裏の支配者 《冥府誘導》 必ず落ちる敵の首しかし、そこには既に姿はない
この九人のプレイヤーがファンサガ内の最強プレイヤーたちである。
それぞれβテスト終了間際までトップの座を争っていた。
そしてβテスターたちはβテスト時のデータを引き継ぎゲームを始めることができる。
およそ十万人のプレイヤーが全員、九人のプレイヤーに感化されてトップを目指す。
私が彼と出会ったのは今となっては昔のことのようだ・・・
次回は少し長めです