プロローグ
つたない文章ですがよろしくお願いします。
僕の家族は僕を含めて、サーカス団を営んでいる。
僕たちのサーカス団はお呼びがあれば世界各地のどんなところだって行く。そこが戦争の真っ只中であろうと関係ない。呼ばれたら行く。一週間公演する。そして次の国に行く。以上。
僕は生まれて一六年ものあいだこの生活を続けてきた。だから人の友達というものは出来たことはないし、作ったこともない。
ただ勘違いして欲しくないのは僕にコミュニケーション能力がないわけではないことだ。
転校した先々ではきちんとコミュニティの輪には入れるし、笑いだってとれる。だが友達は出来ない。
一週間の間に友達(風)は出来るが、僕を転校した後も会った人はいないし、連絡を寄越した人もいない。だから『(風)』で終わってしまう。関係は無に還る。
しかしこの話の良いところは僕がこのことを気にしていないという点だ。
欲しいと思ったこともなければ必要だと思ったこともない。まあ、無いよりは有った方が良いという言葉には賛成するが、所詮はその程度だ。
しかし僕はあちこちを引っ越すうちに様々な人やその国の変わった風習を見てきた。
これは僕が体験した出来事をまとめた手記である。
嫌な話もあるし、楽しい話もある。
お読みくださりありがとうございました。