お茶会と恋バナ。
次回、一気に飛んで学校での話になります。
庶民のリリはどうやって学校に入ったのかな?
リリはちゃんと覚えていてくれたようで、お茶会に来てくれた。
「カーリア!このたびはお招きありがとうございます。昨日から楽しみすぎて眠れなかった!」
なんて可愛いこというんだ…っ。
頭なでまわしたいけどさすがにここじゃあ、ね。
「こちらこそお招きに応じてくれてありがとう、リリ。私もすっごく楽しみにしていたわ。」
そんな感じでお茶会は始まった。
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そしてやっぱり始まるのは恋バナ。
「ねえ、リリってどんな人が好みなの?例えば騎士様、とか。」
「わ、わたしは…強くて優しくて、いつでも私の傍にいてくれる人…かな。」
「あら、それなら私も条件に合いそうね。なんて。」
冗談でそう言ってみたが、恥ずかしそうに下を見るリリ。かーわいい。
「じゃ、じゃあカーリアはどうなの?好みのタイプは?」
あ、やっぱりくるよね私にも。
「私は婚約者が決まっているから…好みのタイプなんてあっても叶わないし…」
ほんと嫌だねー。婚約者が「皇太子」とか。私王妃とか興味ないし、なりたくもない。公務やらなにやら、そんな面倒なことしたくない。
「そうなんだ…婚約者さんは素敵な人?」
「全然。性格もよくないし人望もないし、最悪の婚約者よ。貴女も聞いたことがあると思うわ。「ジル・シュナザード」の名前に覚えはない?」
「ま。まさか…皇太子殿下…。」
ピンポンピンポン大正解~!
「その通り。私の婚約者は、「ジル・シュナザード」皇太子殿下よ。リリ、私の話聞いてくれる?」
それから私はジルと初めて会ったときの話(愚痴)を聞いてもらった。
「それでね、私が挨拶したのにあいつ無視して…」
けれど、リリはあまりジルに興味がある様子はなかった。ただただ私の愚痴に相槌を打ってくれる。
そして最後には…
「カーリアって、ジル様のことが好きなのね。」
とまで言い出した。ってどうしてそうなる。
「そんなわけないでしょ。どうしてそういう結論になったのかしら…はぁ」
こいつだけは本当にない。ありえない。ありえたらきっとそれは奇跡としか言いようがない。しかしまぁ、やたらと年頃の女の子にはそれなりにモテるみたいだけど。「顔」だけはいいからね。「顔」だけは。
「けど、政略結婚だから私に拒否権なんてないの。そして、ずっと一人だった。皇太子の婚約者だからって陰で色々言われたり、ジルの熱狂的なファンに嫌がらせを受けたり。お陰で私はこの年で親友と呼べる存在はいなかったの。仲良くしてくれる子はいたけれど、親に言われて仲良くしているのもバレバレだったし。」
一人は心細かった。
(どうして私がいじめられないといけないの!?)ってずっと思ってきた。
私はいつも、一人だった。
けど、今はこうしてリリが私の側に居てくれている。それだけで、いい。
「ねえリリ。貴女はずっと私の友達でいてくれる?」
いつのまにかそう言っていた。
こんな弱気なことを言うのは私らしくないなと思いながらも、言わずにはいられなかった。
「ええ。私は貴女とずっと友達だわ。
絶対に。」
リリはそう言って微笑み、私を抱きしめてくれた。知らない間に泣いていたみたい。
あぁ、本当に、らしくない。
「私は、何があってもあなたのことを裏切るようなことはしないわ。貴女だけが私の一番よ。カーリア、泣かないで。私の大好きなカーリア。」
リリのその言葉を聞いた私は、とても嬉しくて、またまた涙が止まらなくなってしまった。
しばらくして私の涙が止まった頃には、リリが家に帰らなければいけない時間になっていた。
「また来るね」
そういって帰っていくリリの後ろ姿を見送りながら、私は今日のことを絶対に忘れないと心に誓った。
思ったよりも長引きそうです。はは。