第3話 ダンジョンルームにて・2-2
難産でした。
器用あたりでむにゃむにゃ……
D01‐3
次はステータスの確認だ。
ダンジョンマスターLv0
異世界人 狩谷草次 21歳 Lv7
HP68/68+42/42→110/110 HP回復量11(1時間)
MP1211/1211+847→2058/2058 MP回復量205(1時間)
攻撃力54 WL1
防御力46+25→71 AC5
耐久34+21→55
筋力20+14→34
魔力121+100+154→375
知力110+77→187
精神31+100+91→222
器用60+42→102
反射56+39→95
集中155+108→263
敏捷41+28→69
強靭100%
幸運40+28→68
異世界人とは、
世界の壁を乗り越えて、
他の世界から別の世界へ移動した者をこう呼ぶようだ。
記載されている「異世界人」とは成長型の称号とも言うべきもので、
メインクラス(オレの場合はダンジョンマスターだな)
のレベルアップとともに補正がつくこともあるようだ。
才能のある者は、この世界に来た時点でユニークスキルを持つ。
異世界人の中では、オレは凡人なのかもな。
ダンジョンマスターLv0とは
ダンジョンマスターとしてのポジションは決まっているが、
ダンジョンマスターとして、なにもアクションを起こしていないため、
レベルが上がりようもないということのようだ。
パラメータ的には、
Lv0では何の補正も受けられないが、
Lv1になると、
HP+1000、MP+1000のほか、
各種パラメータに+100(ただし幸運は補正なし)の補正が入る。
そしてこれはレベルが上がるごとに入るので、
高レベルのダンジョンマスターは、
個人差はあまり無くなってくるのかもしれないな。
あくまでもオレのパラメータを基準とした予測だが。
HPから始まるパラメータは、あくまで刈谷草次 21歳 Lv0のパラメータである。
Lv7のパラメータはLv0のパラメータ+Lv0のパラメータ×70%(端数切捨て)であり、
それが最初の→の後の値になる。
つまり刈谷草次Lv0+Lv7分の上昇値→刈谷草次Lv7となる。
それぞれの項目の説明だが
刈谷草次、
かりや・そうじと読む。
これはオレの名前だ。以上。
次に21歳。
そう、オレは未だ21歳なのだ。
周囲の者たちはオレのことを就職浪人だ、なんだというが、
オレはまだ学生で、世間的にはなにも失敗していないはずなのだ。
卒業のための単位は取れているし、卒論の目処もついている。
あとは半年後に卒業するだけ。
その後、どうなるかわからないが……。
最近、ゲームをしていても、ふと現実に立ち戻ることもある。
このまま就職が上手くいかなければ、
親のコネを使って、親戚の町工場ででも働くのだろうか、などと考える事もある。
思えばオレは2回生の頃から就職活動をしていた。
だが生来の不器用さから自己アピールが上手くいかず、
こころない言葉をかけられたこともあった。
いやだ、考えたくない。
だからオレはゲームをする。
だがこれで良いのだろうか、
現実逃避していたら道が開けた、なんてことがあっていいはずがない。
もちろん、これからどうなるかなんて、本当のところは分からない。
でも八方塞がりの現実から抜け出てしまったのは事実。
この先、上手くいったなら、その事実はオレの人生に陰を落とすだろう。
何か困難な壁にぶつかったら、現実逃避してしまえばよいと、考えてしまうだろうからな。
まあ、先々のことを心配しても仕方ない、
今は目の前のことをやっていこう。
まずLv
この世界では年齢ではなく、Lv10になることによって成人と認められる。
貴族や騎士なら元服と呼び、15歳でLv10になることが義務付けられている。
教育を受けた商人の子や、上流階級の子息はだいたい18歳くらいでLv10に至る、
村人は20歳くらいでLv10になる。
一部の傭兵など、子供の頃から戦場にいるような者の中には、10代前半でLv10に至る者もいる。
だがオレは21歳になっても未だLv7……。
現実に目を向けず、ゲームばっかりやってきたツケがこんなところで……。
それはそれとして、
世の中には
30代40代でLv5くらいの人とか、
60歳くらいなのにLv8くらいの人とかもいる。
Lv10に成りたての新成人は
彼らをバカにする傾向があるが、
往々にして一芸に秀でる者が多く、
手痛いしっぺ返しを食らうこともあるので気を付けましょう。
体格値について
人間だと大抵1固定なので表記されていないが、
身体の大きさによって体格値というものが設定されており、
次に記述するHPにダイレクトにかかわってくる。
例えば体格値5だと、元々のHPが100なら、HP×体格値でHP500になる。
HPについて
HPとは体力を数値で表したもので0になると死亡する。
HPがダメージを受け続けると、最大HPの30%以下で瀕死状態になる。
また、HPが一桁になると気絶状態になる。
最大HP以上のダメージを受けた場合、一気に最大HPの2倍以上のオーバーキルを受けない限りHP1となり、昏倒状体になる。
ただし急所攻撃が成功するとHP残量が全損し、かつ死亡することもある。
また、最大HPの20倍以上のダメージを一気に受けると肉体が爆散する。
……なんだよ、爆散って、こわいな。
数値としては基準として、Lv0の成人男性の平均HPが50であると、考えられている。
Lv0の成人男性……、もちろん設定上のもので本来はありえない存在だ。
なぜなら生きとし生けるものは全てLv1で生まれてくるからだ。
それに成人していたらLv10のはずだしね。
だが生まれ落ちてすぐ寝たきりになり、家が裕福で彼を生かす環境があったなら、Lv1の成人男子らしき者が偶然できてしまうことがあるかもしれない。
だいたいの目安だが、人類の中でも、中肉中背の一般的な成人男子の場合、体重1㎏=HP1くらいになる。
HP回復量とは、1時間にHPが回復する量のこと。
部位欠損や状態異常、瀕死状態、昏倒状態でないならば、
1時間で最大HPの1/10が回復し、10時間で全快する。
眠っている時は回復量が上がるようで、
起きているが横になっている状態、ねむれない夜を過ごすと8時間ほどで回復する。
なにか物音がすると飛び起きる、緊張状態で眠っていると6時間くらいかかり、
ベッドや屋根のある場所で眠ると4時間くらい、
魔法による昏睡で3時間、
起こそうとも起きない、深い眠りについていると1時間くらいで全快する。
MPに着いて
MPとは起きて寝るまでに使える魔力量のこと。
これは実際に魂魄の中にある魔力量と比べると微々たるものだが、
MPが0になると気絶し、MPがマイナス状態になると昏睡状態に陥る。
一般的な人類の場合、知能指数の1/10がMPとなる(端数切り捨て)。
ダンジョン内でのMP回復量はHP回復量と同程度。
フィールドダンジョンでのMP回復量はダンジョン内の1/2程度。
フィールドダンジョン以外の地上ではMP回復量に上限があり、
なにもしなければ、1時間で最大5MP、12時間で60MP、まる1日で120MPまで回復する。
スキル<瞑想>などを駆使した場合、時間単位での上限は増えるが、1日あたりの上限は変わらない。
連日野宿で精神的に疲弊したりすると、最大HP、最大MPともに減少しはじめる。
また、ショッキングなことが起きるとMPが減少することがある。
トラウマになるほどの精神的ショックを受けると最大MPが減少したまま、一時的に固定されることもある。
逆に欲望を満たすとMPが回復したり、最大MPが回復したりする。
自身の理想に叶った生き方をしていると最大MPが上昇したまま固定されることもある。
で、オレのMPについてだが、
オレのMPが異様に高いのは異世界人だからとかではなく、
長く教育機関に身を置いていたからだ。
1年間、教育機関に在籍したならMP+10が得られ、連続で在籍すると連続ボーナスとしてMP+10が加算される。
そしてオレは、小学校6年間、中学校3年間、高等学校3年間を連続して教育機関で過ごし、更に大学校に少なくとも3年間在籍している。
なので、小学校6年間分をMP換算すると、10+20+30+40+50+60となり、MP210、
連続して中学校3年間を過ごしているので、70+80+90でMP240、
更に高等学校で3年間を過ごしているので、100+110+120でMP330、
加えて大学に現役で合格し、既に3年が経っているので、130+140+150でMP420となる。
これを合計すると210+240+330+420でMP1200となる。
これがオレの本来のMP11(知能指数110の10%)に加算され、MP1211となる。
だからオレが特別というよりは、オレのような教育を受けている者なら、
誰でもMPが高いと予想される。
攻撃力について、
相手に与えるダメージ量に関係してくる。
その日の体調や、彼我の実力差、運にも左右されるが、
攻撃力の50%程度が、通常攻撃で相手に与えるダメージ量となる。
また、常にない会心の手ごたえであるクリティカルヒットなら、
攻撃力の150%のダメージを与えられる。
そして、ここから先は蛇足だが、
物凄く調子が良い時の、最高の手ごたえたる、
オーバーダメージクリティカルなら、攻撃力の300%。
自然には出せない、
魔法やスキルの補助を受けてはじめて行なえる、
3連続クリティカルなら、攻撃力の450%。
不幸な事件が重なったため、周囲に恨みつらみを撒き散らし、
誰にも看取られず一人で野垂れ死ぬ。
果ては自縛霊か、悪霊か、
という人物が
この一撃を放てば大往生するという、
生涯最高、究極の一撃である
ウルトラクリティカルなら、
攻撃力の900%。
さらにさらに
ウルトラクリティカルに魂をのせることで、
自身の魂魄を昇華しながら放つ奇跡の一撃、
カロン・エターナルなら、
攻撃力の1350%ものダメージが見込める。
うろ覚えだが、三途の川の渡し守の西洋版が、カロンだったような、
エターナルは永遠だから、永遠の渡し守…、
息を吹き返す気がしねぇ。
それはともかく、この一撃は、確実に放った本人も死ぬようだ。
そしてそのままでは蘇生もままならない…。
気を取り直して、
攻撃力の数値としては、筋力×体格値+器用/5×集中/100+武器重量+武器攻撃力となる。
武器重量と武器攻撃力の関係だが、
鈍器なら武器重量が高くて、武器攻撃力が低く、
刃物でも剃刀状のものなら、
武器重量が低くて、武器攻撃力は高い。
剣なら、武器重量、武器攻撃力共にそれなりである。
また、刃物は研ぐことで武器攻撃力に補正が付くこともある。
武器重量は100g=1で換算しており、10kgで100になる。
この数値はダメージ量に関連しており、
例えば100gのお手玉(武器重量1、武器攻撃力0)があるとし、
これを対象となる人物に投げた場合、1ダメージくらうかくらわないかぐらいではなかろうか。
また、5kgの米の袋(武器重量50、武器攻撃力0)や10kgの米の袋(武器重量100、武器攻撃力0)を持ったことぐらいはある者も多いと思うが、
あれを、備えていない者に投げたら昏倒くらいはするのではないか、
そう考えれば納得できるのではないかと思う。
武器重量が高いと一撃で昏倒させることもある。
頭部とか狙い目かも。
また、骨折や関節破壊を狙うことが出来る。
武器攻撃力が高いと急所攻撃が決まることがある。
まあ、人体は弱点だらけですから。
武器重量、武器攻撃力が共に高い場合、
技術を要するが、肉体の一部を切断することができる。
腕部や脚部、尻尾を切断することで部位欠損を狙うことができ、
首尾よく頭部の付け根(首ともいう)を切断できたなら、
対象を即死させることも可能。
防御力について
受けるダメージ量を軽減することができる。
数値としては
耐久/2×体格値+幸運/10×反射/50+防具(他身に着けているものの防御力)の合計となる。
WLはウェポンレベルと読み、武器熟練度を表し、
ACはアーマークラスと読み、防御体勢を表す。
WLもACも下限はそれぞれ1になる。
0ではないのは、
何の技術も無いテレフォンパンチでも人は殴れるし、
刃物があれば人を傷つけることができる。
誰かに殴られそうになったら、反射的に顔を庇うし、
こけそうになったらバランスを取ったり、手をついて防ごうとする。
だから1なのかな、と思う。
人体の持つ反射的な動作が1に足るのだろう。
寝たきりの人とか、赤ん坊、病人とかなら、
あるいは0もありえるかもしれない。
さてWLだが、現在持っている得物によって数値が変わるようだ。
今、オレは素手だが、
秀でる武器があり、かつ現在手に持っていたなら、WLは今より高かっただろう。
ま、ないですけどね。
生まれてこのかた、武器なんて使ったことないな。
ま、普通に武器なんか売ってなかったしね。
WLとTLについて
少し横道にそれるが
相手にダメージを与える武器ではなく、
生産などに使う道具の熟練度はTLで表される。
TLは道具のみならず、技術全般に適用される。
なぜなら、例えば土を舐めて、土の中にどれくらいの栄養があるかを知ることができる農夫がいたとして、この場合、土TLとなるからだ。
土を道具とは、言い切れないだろうから。
TLのWL転用
使い慣れた道具を武器として使うこと。
これは使用者の心構え次第と言える。
また農夫を例にあげるが、
普段、鍬を持ち、畑を耕す農夫が、一揆に加わったとして、
鍬を武器として使った場合、
多くの者は畑を耕すように、人間を耕すことなど出来ないだろう。
へっぴり腰で鍬を人に向けるのではないだろうか。
この場合、鍬TLとは別に、鍬WLが派生する。
ただし例外もおり、
武者修行の一環として鍬を振るう者や、
常在戦場を心がけている者、
カムフラージュとして畑を耕す落ち武者(等、他にもいるだろうが)なら
TLをWLに転用することもできるだろう。
話を戻す。
ACについてだが、
ガチガチに身を固めてもACは上がるが、
素早く、ダメージを分散させる防御体勢が取れることでもACは上がる。
オレにACが5あるのは、
どうやら高校の選択授業で柔道を取ったことが関係しているようだ。
最初の授業では、板敷きの体育館に畳が敷かれ、
地味な受け身ばっかりやらされたが、
それがAC5という数値として表されているようだ。
まあ、異世界の一般人は受け身なんて技術は知らないのだろう。
あの時、剣道を取っており、
かつ現在、棒状の物を手に持っていたなら、WLが上がっていたのだろうか。
まあ、今は着の身着のままだし、
なにもなしでACが上がるなら、こちらの方が良かったのかな。
こうなると予想して、授業を受けた訳でもないが。
WLとACを戦闘に加味する場合、WL/ACで計算される。
攻撃側のWLが高い場合なら、
例えば、攻撃側WL9、防御側AC5のとき、
攻撃側の攻撃力は9/5で180%となり、
通常攻撃ならその半分の90%となる。
防御側のACが高い場合なら、
例えば、攻撃側WL2、防御側AC5のとき、
攻撃側の攻撃力は2/5で40%となり、
通常攻撃ならその半分の20%となる。
また、整数が2以上の時、HIT数が発生する。
例えば、攻撃側WL13、防御側AC5のとき、
13/5となり、これは2と3/5ということでもある。
全体で13/5、つまり260%に調整されるので、
攻撃力の130%が2回HITということになり、
通常攻撃ならその半分の65%が2回HITとなる。
もう少し複雑な例をあげると、
例えば、攻撃側WL20、防御側AC6の場合、
HIT数は3回、
攻撃力は全体で333%(小数点以下の端数切り捨て)ということになり、
攻撃力の111%が3回HITということになる。
通常攻撃なら半分の55%(端数切り捨て)が3回HITということになる。
実際には攻撃側の攻撃力
防御側の防御力を加味してダメージ計算が行われる。
HIT数について、
例えば剣で攻撃するとして、
普通なら、剣を振りぬく一連の動作でダメージを与えるが、
2回HITの場合、例えば剣の先と剣の腹など、
一連の動作の中で力を集約させる場所を変えることで
その変えた回数がHIT数となるようだ。
そんなことできるのかどうか知らないが、
この世界の熟練者はできるのでしょうね、多分。
ゲーム的に言えば、多段ヒットのようなものかもしれない。
この世界には色々な武術の流派があり、
HIT数を増やさず、ダメージ量を増やしたり、
WLの一部をACに変換したり、
むしろWL全てをACに変換したり、
ダメージ量を少なめにしてHIT数を増やしたりする流派もあるようだ。
WLの基準として、
WL16が免許皆伝
WL18で師範代
WL20で師範
一部の努力家はWL20を超える。
剣豪は大体WL30からWL60
大剣豪は大体WL50からWL80
剣聖や流派の開祖、突出した才能を持つ達人はWL80からWL100を超えるものもいる。
WL100を越えることは、才能はあっても、限られた寿命を持つ者には難しい。
長命種のエルフ、吸血鬼、竜人、竜(人型化身時)、精霊などの中にはWL三桁を超える者もいる。
基本不老の魔王や勇者は普通にWL三桁を超える。
その中でも戦闘センスがあり、戦闘に明け暮れた者の中には三桁後半もいる。
また、神クラスならWL四桁もありえる。
ACも似たようなもの。
命中率と回避率
ステータスには特に記載されていないが、
攻撃側が攻撃を当てるためには命中率が、
防御側が相手の攻撃を回避するためには回避率が関係してくる。
また、命中率は武器重量、集中、WLが、
回避率は防具重量、反射、ACがそれぞれ影響する。
ダメージ計算の前に、そもそも当たらない場合もある。
耐久について
HP、HP回復量、防御力等に関係してくる。
数値としては、
人類の中肉中背の成人男性の場合、
Lv0時のHPの50%として表記される(端数切り捨て)。
耐久が高いと、
ダメージを受けにくくなり、
しぶとく、頑丈で
死ににくくなる。
筋力について
対象の筋肉量。
速筋とか遅筋とかはとりあえず気にせず、
筋肉量=Powerと覚えておけば良い。
数値としては
人類の中肉中背の成人男性の場合、
HPの30%として表記される(端数切り捨て)。
また筋力は攻撃力やダメージ量に係わってくる。
壁にぶつかるとか、箪笥の角に足の小指をぶつけるなどして自爆した場合、
筋力が高いほど受けるダメージも大きい
そして、これはインベントリ持ちのオレや、
アイテムボックススキル持ちには関係ないことだが
筋力が高いと一人当たりの積載量が変わってくる。
人より筋力が高いなら、
荷物持ちなどして生計を立てるのもいいかもね。
魔力について
魔力とは魂の不純物と考えられているようだ。
人間の魂魄は霊子力というもので構成されているそうだが、
生命活動を行なううえで劣化することがあり、
これが何度か劣化することで、魔力となるらしい。
数値的にはMPの10%で表記される(端数切り捨て)。
魔力の高さとは一度に使える魔法の出力でもあり、
魔法によるダメージ量や魔法効果に関係する。
また、魔力の高い者の肉体年齢は、若いまま保たれ、
歳をとらなくなり、寿命も延びる。
自然発生的に、身体を中心とした結界が幾重にも張られ、
他者の害意から身を護るだけではなく、
傷や状態異常を受けても、魔力が自動的に自己消費され、
身体を治すので非情に死ににくくなる。
知力について
ズバリ頭の良さ。
魔法の精密度や成功率が上がるため、フレンドリーファイアが起こりにくくなる。
知力が物凄く高い人の攻撃魔法は、気持ち悪いほど精密度が上がり、
隣り合っていても(身体の一部が密着している状態でも)、
範囲攻撃であっても、
対象だけを攻撃し、対象外には傷一つつけない。
魔法や必殺技等の動作がスムーズになり、消費MPや消費HPが減少する。
数値的には知能指数を元にしている。
ただし、知力100の人がLv10になって知力200になったからといって、
IQ200になるかというと、そうでもない。
確かに記憶力や計算能力等は上昇するのだが、天才になれるわけではないので、
知力と知能指数は別物であると考えた方が良い。
精神について
精神が高いと、魔法の効果や成功率、持続力が上昇する。
また、魔法やスキル、状態異常に対する抵抗力が上がる。
切羽詰まった時のHP、MPの減少率が少なくなり、HP、MP回復量が上昇する。
精神が高いほど、精神状態に左右されない。
精神を高めるには修行したり、Lvを上げたりする他にもあり、
人生の様々な出来事を実際に体験することでも上昇すル(これら精神補正については別枠で記載します)。
器用について
器用は生きていく上で物凄く重要。
オレももう少し器用であれば、就職試験ももっと簡単に合格できたはずなのに……、
それはともかく、ここでの器用とは、手先の器用さだけではなく、身体の動かし方などにも影響してくるようだ。
数値については、何が出来るか、で、ある程度の数値が決まっている(これらの例については別枠で記載)。
この世界の成人男子の平均器用は20くらいなので、
それから比べれば、オレの60は相当高い。
パソコンのキーボード操作が相当高く評価されているらしく、
チャット仲間とタイムラグなしに会話をかわせる程度の操作ができれば、
これくらいにはなるみたいだ。
まあ、この世界の成人男子は、
肉体労働ばっかりしているイメージがあるから、
こんなものなのかもね。
お貴族さまの御曹司とかなら、教養として楽器とか扱うだろうから、
また違うかもしれないが。
反射について、
防御力やAC、回避率に関係してくる。
反射が高いと、他者からの攻撃からダメージを分散させる防御体勢に素早く移行したり、
突発的な事故に対処できる。
遠隔攻撃を防ぐ時にも関係する。
また、反射が物凄く高い場合、回避カウンターも夢ではない。
数値的には知覚能力が関係してくる。
五感と呼ばれる、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚をそれぞれ、一般的な上限を20、平均値を12とする。
成人男子の平均反射は65、
内訳は五感による平均値12×5 → 60に第六感(単に勘とも言う)+5(上限100)による。
この世界にも生まれつき知覚能力に障害を持つ人たちはおり、
例えば、先天的に目が見えない場合、視覚0/0である代わりに聴覚が24/40であったり、
五感全体でバランスが取れるようになっている。
人類の平均値を大きく上回る知覚能力を持つ者もおり、
視覚を例にすると、
1.2なら、12/20だが、
2.0なら、20/20、
3.0なら、30/20、
5.0なら、50/20となり、
分母を大きく越える者もいる。
五感全てが0/0という者もおり、
この場合、第六感が100/200くらいあったりする。
女性及び性倒錯者には女の勘20/40なるものがあり、
このため、成人男性より、成人女性のほうが平均反射が20高いことになる。
また、一般人には縁のないことではあるが、
知覚の延長線上に超感覚なるものがあり、その上限は1000。
スプーンが曲げられるとか(3/1000)、
脳裏に裸の女性が見えるとか(25/1000)、
目に映る物を燃やせるとか(122/1000)、
未来が視えるとか(800/1000)、
人の死期がなんとなく判る(240/1000)とか言う人たち、
いわゆる超能力的なものを持つ人たちには、超感覚に数値が入る。
また、世界を渡ると、
個々の持つ感覚や思念、特性などが先鋭化されるため、
超感覚が上がりやすい。
そうやって得た特殊能力や固有能力を贈答品と呼ぶ。
かくゆうオレにも超感覚はあるらしく、15/1000となっている。
全く実感はない上にギフトも無いが。
惜しむらくは、あと+10で薔薇色の人生が待っていたかもしれないのに、
と思ってしまう自分に少し失望してしまう今日この頃。
集中について
集中は攻撃力や魔法攻撃力、命中率に関係してくる。
集中が高いと魔法やスキルの成功率が上がる反面、突発事項に対処しにくくなる。
熟練者は集中すると共に、周囲を俯瞰することで突発事項に対応する。
数値としては100を基準とし、
100以上なら集中力が高く、100未満なら集中力は散漫。
敏捷について
敏捷が高いと、1戦闘単位中の行動回数や攻撃回数が増える。
また、先制攻撃が狙える。
移動距離も増えるが、耐久が並だとすぐバテる。
騎馬や騎獣等に騎乗することで、
一時的にだが、ステータスに敏捷を上乗せできる。
強靭について
強靭とは肉体のポテンシャル、細胞や組織の強さといえる。
強靭が高いと、固い壁を殴っても拳が潰れなかったり、
身体を無理に動かしても筋肉痛を軽減できたりする。
魔法やスキルで身体強化を行なってもデメリットが減る。
数値としては100を基準とし、パーセンテージで表される。
オレの100は極めて一般的な数値だ。
鍛えても簡単に上昇するものではないが
強靭を高めることにより、生まれつきの器を超え、進化することができる。
幸運について
幸運とは運の良さである。
リアルラックというやつだな。
幸運が高いと、生きていく上で様々な恩恵を受けることができる。
今のオレには関係ないことだが、
生まれた時の環境も、魂魄に刻まれた幸運値が関係してくるようだ。
まさに人生イージーモードになるといっていい。
羨ましいかぎりだ。
鍛え上げることはできないし、レベルが上がっても幸運値が変動する事は無いが、
この世界だけでなく、多くの世界には因果応報システムなるものがあり、
人(ここでの人とは自我を持ち、思考し、想像するものすべて)を助けたり、
善い行いをすると幸運値が上がるようだ。
反面、悪い行いをすると幸運は下がり、
幸運が0になると、悪運なるものが派生する。
悪運とは周囲に不幸をばらまき、
自分だけ助かる運である。
割り切ったら、あるいは周囲のことは諦めたら
幸運と変わらないといえるだろうが、
まさに悪人のための運といえよう。
善行を積むことを、徳を積む、
悪行をなすことを、業を深めるというが、
業は遺伝するため、悪人の子は不幸な星の下に生まれてくる。
不幸にめげず、頑張って下さいというしかない。
天運について
ごく一般的な凡人には関係のないことだが、
というかオレのステータスには項目すらないが、
一部の選ばれし者や、組織のトップには天運なるものがあり、
組織や国の命運を分ける。
トップの天運と選ばれし者の天運の平均値+構成員たちの幸運値の平均値がその組織の天運となるため、
組織のトップの天運は、その組織にとって重要である。
国家や組織にとって悪運持ちは最悪で、
悪運持ちを絶対にトップに立たせてはいけないだろう。
となると犯罪組織の多くは、トップが悪人であるだろうから、
いずれ多くの不運に見舞われる運命にある、ということか…
悪は滅びるものらしい。
神に選ばれたとはいえ、
ダンジョンマスターの立ち位置は
どちらかというと悪人側だと思うので
今から気を引き締めておこう。
それはともかく
オレもダンジョンマスターなのでそのうち来るかもね、天運。
いやいや高望みはすまい。
でも大所帯になったら来るでしょ、天運。
いや、待てよ、実権を別の奴が持っていたら、
天運はそっちに行ってしまうのか?
いつまでたっても天運が来ないということになったら、
気づかないうちに、そういうことなっていたりするのだろうか
うう、今から不安になってきた。
ま、ステータスについてはこんなところかな。
器用あたりで、省略予定だった部分もきっちり説明しようと思い立ったのですが、書いても書いても終わらない状態になりました。
その分内容は充実したと思います。「なるほど」と思える部分があるなら幸いです。
たとえて言うなら、ゲームの攻略本を流し読みしてたら、いつの間にかじっくり読んでいた、ような読後感があるかもしれません。