第2話 ダンジョンルームにて・2
第2話がかさ増ししても600字にしかならなかったので、せっかくなので説明話を盛り込むことにしました。
D01‐2
オレは何故、沙耶ちゃんに手を伸ばしたのだろう。
横たわる彼女が立ち上がる補助をしようとしたのか、それとも……。
とにかくオレは沙耶ちゃんに触れたかった、
そのスケベ心が彼女に伝わったのだろうか……？
彼女はオレを拒絶した。
だが少しホッとした部分もある。
望みどおりにいかないなら、
これが現実だと信じられるからだ。
気をとりなおし、オレはさっきから気になっていた背後を振り返った。
「……なんだこりゃ？ 」
そこには光り輝く球体があった。
直径2ｍはありそうだ。
何気なく球体に触れてみと、
なにかが凄い勢いで頭の中に流れ込んでくる。
「うん、ダンジョン経営モノだね」
いや、この場合は運営というべきか。
オレも世間の冷たい現実を忘れるためにゲームばっかりやっていた男だが、
ダンジョン経営モノに手を出したことはない。
あれ？
でも沙耶ちゃんはなんなの？
流し込まれた情報を吟味してみると答えが出た。
「うん、つまり1人じゃ寂しいだろうから、パートナーがいるのね…」
早速拒絶されてますけど。
「まずは、ライフラインを整えるか…（ああ、独り言が多い）」
とも思ったが、
そうすると沙耶ちゃんにも声をかけなければならない。
だが今、拒絶されたばかりだ。
後でもいいだろう、
おなかがへったら態度も軟化するかもしれないしな…
さて、気を取り直して、まずはステータスからだな。
オレのステータスは、
ダンジョンLv1：刈谷ダンジョン(仮) 10,0000DP / 10,0000DP
(仮)ってことは、この名前は正式ではないってことだ。
まあ、名前+ダンジョンなんて安直だよな。
名前は自分で決められるのか、
それとも何か一定条件を満たすと勝手に決まってしまうのか…
まあ、今考えても仕方ないな。
ダンジョン名の後ろにある
10,0000DP / 10,0000DP だが、
左のDPが現在所持するDP量で、
右のDPが現在持てるDPの最大容量のようだ。
今は最大値までDPがあるようだな。
ではDPとは何かというと、
DPとはダンジョンポイントのことである。
実際なんなのかというと、他
者の生命を奪うことでDPを獲得でき、
MPや最大HPで代替できることから、
生命活動と密接に関係しているのかもしれない。
また、ダンジョン内では何かと必要になってくる値で、
新ダンジョン（100組のダンジョンのこと）に採用されている
ダンジョンシステムの要である。
ではまずは、どのような時にDPを使用するのかのおさらいだ。
ダンジョン作成にダンジョン改変。
ダンジョン作成とダンジョン改変の差は実際に作るか、
既にあるものをリフォームするかの差だ。
領域固定、領域拡張、フィールド拡張
領域固定は既存の中立ダンジョンを自陣に加えるために必要で、
領域拡張は領域固定した既存のダンジョンを拡張したり、
自身が一から創り上げたダンジョンの拡張、居住区の拡張などだ。
フィールド拡張はエリアとして存在するフィールドダンジョンの拡張である。
配置する守護者や下僕の作成、召喚、名付け、カスタマイズ。
守護者と下僕の違いはなんなのだろうな。
守護者には階層守護者、区画守護者、玄室守護者などがいる。
下僕には様々な特性を持つ者たちが存在するが、
大別すると下僕頭と下僕に分かれる。
また、下僕でも名前を付けたり、カスタマイズされたりした者は
守護者に変化することもある。
つまり守護者がダンジョンにおける幹部で、下僕が兵卒と言った感じかな。
階級的にはダンジョンマスター、パートナー、眷族、守護者、守護者とりまき、下僕頭、下僕といったところか。
他にも色々な要素はあるのだろうが、またおいおいということで。
罠の作成、設置、居住区の作成。
居住区は重要だな。
オレや沙耶さんの個室も造れるようだ。
このことについて沙耶さんと早めに相談しておきたいが、
今は無理だな。
罠の作成と設置だが、
おっと、あっぶね、
なんと、このダンジョンルームにも罠を設置できるみたいだぞ。
調子に乗ってこんな所に罠を設置し、
設置したことをすっかり忘れて、
踏み抜いた日には目も当てられないな。
うん、ダンジョンルームに罠設置はNGだ。
オレの中でそう決めた。
道具の製作、購入、家具の購入。
個室を造った時に役立つだろうな。
うん、このことは今考えても仕方ないな。
沙耶ちゃんの拒絶顔が脳裏をよぎる。
後だ、後回しだ、後にしよう
この世界の貨幣との換金、
といってもここがどこなのかも、未だ良く解ってないしな。
ダンジョンに引き篭もるなら良いが、外に出る用事ができたなら、外貨を換金することも必要かもな。
食料や水の購入など。
これ、かなり重要だよね。
どのような物があるのか、今から見ておいた方が良いかもしれない。
なんだか胸がいっぱいで、正直食欲はわかないが、
スムーズに提供できる準備は必要な気がする。
生活支援物資
味噌1ｋｇ……2500DP
醤油1.8ℓ……1,8000DP
塩1ｋｇ……1000DP
砂糖1ｋｇ……1,0000DP
胡桃10個……2DP
胡椒10ｋｇ……1000DP
干し肉1切れ……10DP
米5ｋｇ……5000DP
タイ米5ｋｇ……2000DP
水の入った水差し……50DP
コップに入った1杯の水……10DP
塩漬け肉100ｇ……50DP
オーク肉の塊10㎏……200DP
オークの腸詰め5㎏……250DP
オークの燻製肉2㎏……400DP
ミンチオーク20㎏……200DP
オークの丸焼き6……00DP
オークの睾丸……10000DP
豚肉の塊10ｋｇ……1000DP
熟成された豚肉の塊10㎏……2000DP
豚の腸詰め2㎏……1200DP
豚の燻製肉5ｋｇ……1500DP
豚の丸焼き……3000DP
固焼きビスケット10枚……10DP
無発酵パン5枚……20DP
黒パン6個……30DP
雑穀パン12個……40DP
白パン2個……100DP
ふっくらしたパン……200DP
焼きたてのふっくらパン……300DP
XO食パン2斤……6800DP
食パン1斤……500DP
パンの耳100本……10DP
揚げたパンの耳100本……60DP
揚げて砂糖をまぶしたパンの耳100……本240DP
ドラゴンステーキ500ｇ……5000DP
孔雀鳥のモモ肉……2800DP
ワイバーンの干し肉10ｋｇ……200DP
ジャイアントフロッグ肉1ブロック20ｋｇ……50DP
ワイルドラット肉20匹分……1DP
兎肉5羽分……20DP
川魚5尾……25DP
鳩肉10羽分……200DP
アンダルシアン肉1ｔ……1000DP
蜜柑10ｋｇ……600DP
オレンジ20個……160DP
カラフルフルーツ1個……2000DP
グレープフルーツ1個……12DP
ピンクグレープルフーツ1個……13DP
林檎20個……120DP
青リンゴ20個……140DP
レインボーアップル1個……2000DP
黄金林檎1個……10000DP
梨20個……160DP
苺500ｇ……150DP
バナナ1房（5本～24本）……30DP
レモン20個……180DP
トマト50個……250DP
ニンニク10株……80DP
大豆10ｋｇ……200DP
ヨーグルト500ｇ……350DP
キュウリ10本……15DP
キャベツ1玉……30DP
レタス1玉……35DP
白菜1玉……40DP
大根1本……25DP
牛蒡1本……5DP
山芋1本……70DP
葱10束……20DP
タマネギ10玉……40DP
色とりどりの葉野菜5㎏……500DP
おばけピーマン1個……80DP
いろいろな物があるんだな。
けっこうなんにでも使うことになりそうだ。
DPはまた、
神力の最小単位であるGPとも交換できる。
DP1000=GP1となる。
このため、
古いダンジョンは、
神々のお小遣い袋のような扱いを受けている。
常に神々に搾取されつづけ、
汲々としているようだ。
一方、新ダンジョンの方は、
神々の中でも、実力者として知られている、
大神ラーミディリスの肝入りということもあって、
他の神々も恐れて手を出さないため、搾取を免れている。
だから新ダンジョンというだけで、
古いダンジョンの嫉妬を買う可能性がある、
という注意事項が頭の中に入っていた。
神様たちってけっこう容赦ないのね。
なら、このダンジョンアドバイザーっていう奴らにも注意しないとな。
ダンジョンルールにも載っているが、
ダンジョンアドバイザーとは、
新ダンンョンのダンジョンマスターが、
ベテランのダンジョン経営経験者たる、
古いダンジョンのダンジョンマスターに、
アドバイスを受けられるというシステムのことである。
根底に嫉妬があるなら、
DPを借り受ける時はよっぽど注意しないといけないな。
利子で首がまわらなくなりそうだ。
毎日搾取されるだけの借金生活、
考えたくもないな。
まあ、DPは今使うつもりはないけどね。
説明回続きます。
