あの日笑顔咲く
オレンジ色の夕日が照らす1つの校舎。。
その校舎の窓を見てみれば二人の生徒がいる
ただ何か特別の事をやっているわけでもない
ただ、ただ絵を描いている
二人の真ん中には一つの大きな白い紙
紙の中には大きな桜の絵が書かれている
まだ色も何も塗っていない桜の絵
二人はお互いの顔を見て笑い合う
「やっと完成だな!」
「まだ桜だけだけどね」
二人は背伸びをし近くにある椅子に腰を下ろす
「この絵が完成すれば永遠に二人の愛が残せるな!」
「うん!交際し始めてもう一ヶ月かぁ〜」
二人が描いていた桜の絵は二人の愛の象徴
「じゃあ今日はここまでだね♪」
「ああそうだな!」
「また明日ねぇ〜、早く完成させようね♪」
そういって 少女―――美穂は美術室を後にした
美術室に一人取り残された少年――――優は
また筆を手に取り、桜の上に雲を書き始めた
『白く淡い色の雲は桜の絵を引き立たせる役目がある』
いつの日か誰かに教えてもらったこの言葉
優は黙々と静かな美術室に絵を描く
筆のタッチの音が静かな美術室に響き渡る
――――次の日
いつものように午前と午後の授業を済ませ昼休みになる
少女美穂は美術室に足を運ぶ
もちろん二人の絵を完成させるために・・・
「あれ?今日は早いね!!」
美術室にいたのは優だった。。
「一刻も早くこの絵を完成させたいからな!」
「そうだね!私も同じ考えだよ”」
二人が一緒に作業を始める
次第に彼女の落ち着きがなくなる
「ねぇ、優さぁ、最近キスしてくれないよ?どうかしたの?」
「そうかぁ?一週間ぐらい前にしただろ?」
「一週間もしてないじゃん!」
「しょうがねぇなぁ〜、じゃあ今からやっぞ!」
そして二人の唇がそっと重なる
その時間は約1分と言った所だった
「これでいいだろ?さっ作業続行」
「ふぁ〜い」
それからの三時間二人の絵はかなり進歩していた
桜と雲の絵に優しい草原の道が書き足されていて
紙いっぱいにまで書き立たされている
そして小さな桜の花が風に揺れ散ってる
「いやぁ〜さすがは、私達!もうこれで完成じゃない!?」
「ああそうだな!コンクールもこれでバッチしだ!!」
この二人の絵は二人の愛の象徴・・
そしてコンクールの金賞を目指す絵だった
「うん、じゃあ今日はこれまでにしよう♪」
「うん。。じゃあ帰るか!」
そして二人は美術室を出る
二人は校門まで一言も話さなかった
「じゃあ、また明日ね♪」
「おう、また明日♪絶対あの絵で金賞とろうな!」
「うん♪」
そして美穂は自分の家へと歩き始める
同じく優も歩き始める
しかし、優が向かった先は家ではなく美術室だった・・・・
そしてそれから三時間後に優は出てきた
もう辺りは暗闇で深夜に近い
「やっば、遅くなりすぎた!」
優は駆け足で家へと向かう
だが・・
【キィィィィィィィィィィィ】
無機質な急ブレーキの音
その音が当たりに鳴り響いたと同時に優の意識が暗闇に染まる
――――次の朝
朝早くに美穂は美術室に足を運んでいた
そして二人の絵を見る
「えっ!?」
美穂が見た絵・・・・
その絵には昨日二人が描いた絵に一人の少女・・・
美穂が桜の下で大きな笑顔で笑っていた
美穂は絵に張り付いている紙に気づき
手にとって読み始める
(美穂へ・・・・
美穂がこの絵を見たときはびっくりしていると思う
この桜の下で笑う美穂は俺が今まで見てきた美穂の笑顔!
だから美穂から見た俺も描いてくれない?
そうしてくれると嬉しい!
美穂今までありがとう!!そして、これからもよろしく!
ずっと好きだよ! by優)
その紙には夕からのメッセージが書かれていた・・・
美穂の目には涙がたまっている
「皆さん、至急緊急集会を行いますので体育館に集まってください」
「なんだろう?」
美穂は涙でぬれている眼をこすり体育館に向かう
体育館に着くと、美穂は優を探し始める
しかし、優の姿は見当たらなかった
「皆さん大変悲しいお知らせですが昨晩
1年3組の高橋 優君がお亡くなりになりました」
「えっ!?うそで・・・しょ?」
美穂はその場に座り込み静かに涙を流し始める
視界には何も入らない。只々涙が溢れてくる
その後彼女はあの場所へと歩き始める
――――そして
二人の絵には桜の下で二人が笑顔で微笑み合っている
桜の色や雲の形・・それは二人が求めていた愛の象徴
コンクール金賞
『あの日笑顔咲く』
その二人の笑顔は絵という形となって二人だけの
愛の象徴として残されている・・・・・
作者は画絵の事がまったくわからないので
絵のことでのツッコミは反応できません
(一応恋愛もんですが・・・これでいいのか分かりません。やはり小説は難しい)