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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
99/406

第75話 朝錬

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます


10/9 改稿あり 加筆あり

 ケイタ君とタクミ君が一緒に外に出てきた。


「「おはようございます」」

 2人が同時に挨拶をする。


「おはよう、寝坊しなかったみたいだね・・・時間が解らないけど」


「ケイタさんが起こしに来てくれたので・・・」

 タクミ君が照れた様に言う。


「昨日遅かったので仕方がないですよ。いつも思いますけど、カナタさんが早起きできるのが異常ですよ」

 ケイタ君が腕を組んで言う。


「そう? ブラック企業で働けば誰でも身に付くと思うよ。最高での睡眠時間4時間とか・・・」


「そういえばトラックドライバーでしたね・・・そこまできつかったんですか?」


「あぁ・・・思い出したくないから聞かないで・・・じゃあ、ショウマ君、始めちゃって」


「了解だ・・・だが、3人の実力が解らん。一度組み手をしてもいいか?」

 ショウマ君が、3人を指差して言う。


「俺はいいけど、3人は良い?」

 3人は了承してくれた。


「ですが、僕らは獣人です! 近接戦闘なら負けないと思いますよ?」

 ナリッシュ君が、首を傾げて言う。


「いいから、1人ずつかかって来い」


「最初は、僕が行きます。怪我しても知りませんよ?」


「殺す位で来い! その位の気合が無けりゃ実力がわからねぇだろ! いつでも良いぞ!」


「いきます!」


 いきなり身体能力+を発動させて、駆けて行く。


「うん、速い!」

 カリッシュさんが隣で頷き言う。


 いや、ビックリするほど遅いんだが・・・

 その勢いのまま、とび蹴りを放つ・・・隙が大きすぎるだろ!

 ショウマは真半身になり1歩分ずれてナリッシュ君の横にずれ、飛んでいるナリッシュの横を押す。

 体勢を崩されて、地面に体から激突して転がる・・・最小限の動きで避けたな。


「はぁ・・・何をやってるんだ? やる気あるのか? それとも、加減でもしてるのか?」

 ショウマ君がため息を吐き、頭を押さえる。


 ミミリさん、ミリアさん、カリッシュさんの3人が、驚愕の表情をして固まっている。


「どうなったんですか? いきなりナリッシュ君が横に飛んだように見えたんですが・・・」

 ミミリさんが、首を傾げて聞いてくる・・・あれ? 見えなかったのか?


「横に避けて、手で押しただけですよ? 特に凄い事はしてないです」


「え? え? でも、身体能力+を使ってたんですよ? 何で避けられたんですか?」

 ミミリさんが、手をブンブン振りながら聞いてくる。


「え? う~ん、そこまで速く見えなかったんですけど」


「えぇ!? そんな! いつもより速いと思ったのに」

 カリッシュさんが、呟くように言う。


 そんな話をしていると、ナリッシュが起き上がる。


「気が付いたか? いつでも良いぞ! かかって来い!」


「はい、行きます!」

 ナリッシュ君の表情が先程までと違う。


 今度は自分の方が弱いと理解したのか、侮り無く走っていく。

 ショウマ君は、オーソドックスの構えのまま、攻撃されるのを待つ。

 ナリッシュは、顔を狙って上段蹴りをするが、ショウマの上段受けで流され、体勢が崩れた体を押され吹き飛ぶ。


「身長差を考えろ! 上段を狙えば体が浮き流れるだろう!」


 ショウマ君に比べて、ナリッシュ君の方が15cmくらい低く見える・・・それなのに、顔目掛けて回し蹴りの様なものを当てようとすればそうなるよねぇ。

 ナリッシュは起き上がろうとしているが、起き上がれない・・・目が回ってしまったようだ。


「ナリッシュがリーダーって事は、3人の実力は大体同じくらいだろ? やる必要はないと思うが、2人はどうするんだ? やるか?」


「「いえ、基本から教えて下さい」」

 2人は同時に頭を下げる。


「本当に強かったんですね。あまり戦いに向いてるとは思っていなかったので」

 ミミリさんが、不思議そうにこちらを見てくる。


「そうですね。俺は、戦うのはあまり得意では無いんですが、自分の身は自分で護らないと」


「そうですか、無理しないで下さいね」


「そういえば話し方が少し変わりました?」


「へ・・・変ですか? いつもは頑張って丁寧に話してるので・・・」


「今の方が良いと思いますよ。ナチュラルでミミリさんらしくて」


「えっと・・・あの、ありがとうございます」


「皆! 基本からもう一度やってくから、復習だと思って一緒にやってくれ」


 そう言われ、柔軟に体力作り、身体捌きなどの復習をしていく。

 今更魔法を1つ見せても何も変わらないと思い、身体強化(筋肉痛ある版)をかけて一気にやっていく。

 朝食が出来上がるまでの時間で、3人は息も絶え絶え、目は虚ろ、身体も動かないほどの状態になる。


「いつもこんなにきつい事してるんですか?」

 ミミリさんは、驚きながら言う。


「えっと、いつもはもっとキツイかな? 今日は軽く準備運動って感じだと思いますよ」


「え? そんなに? 身体壊しませんか?」


「う~ん・・・この後、狩りとかに行っている訳ですし、特に苦痛は無いですよ」


「そうなんですか? 凄いですね、本当に」


「朝飯だぞ! へばってないで、さっさと起きろ! ほら早くしろ!」


「ミミリさんも食べて行って下さい」


「いえ、悪いですよ」


「今更1人増えても変わりませんよ。ほら・・・皆も起きて! ご飯だよ! 早く来て!」


 3人は生ける屍のごとく、呻きながらよろよろと移動してくる。


「死にそうだ・・・なんでショウマさん達はあんなに元気なんだ?」

 ナリッシュ君が、呟く。


「身体が痛い・・・人族って体力無かったはずじゃないの? 聞いた話と違うんだけど」

 カリッシュさんが、愚痴をこぼす。


「地獄ってホントにあったんだ・・・もう、動きたくない」

 ミリアさんも、愚痴をこぼす。


 結局、ゾンビのような動きの3人を抱えて朝食に向かい、食事はお腹がへっていたせいもあり、一気に無くなった。


「3人は勉強していく? 眠そうだけど」


「したいですが・・・眠いです」

 ナリッシュ君が、目をこすりながら言う。


「私も無理」

 カリッシュさんが、机に突っ伏して手を上げて言う。


 ミリアさんは、すでに寝息を立てている。


「私は戻らないと・・・ミリア、起きて!」

 ミミリさんがミリアさんを強く揺するが、全く起きる気配が無い。


「送っていきますよ、皆さんはいいですか?」


「僕も送って行きます!」

 タクミ君が手を上げて言う。


「いやいや、2人で行く必要はないと思うけど・・・」


「あぁ・・・そう・・・ですよね、いってらっしゃい」

 タクミ君が残念そうな顔をして言う。


 その後は特に反対意見は無く、そのまま出ることになった。


「すみませんカナタさん、運んで貰ってしまって」

 ミミリさんが、頭を下げる。


「いえいえ、このくらいなんでも無いですよ」


「御土産にパンまで貰ってしまって・・・どうすればいいのか・・・」


「そうですねぇ・・・あ! コンクリートの職人さんを紹介してください。畑やってる方たちの家が仮設なので、早く家を建ててあげたいと思いまして」


「もちろんです! 明日の朝にでも結果を伝えに伺います・・・たぶん、ミリアも行く気がするので」


「それは楽しみですね。じゃあ、朝食づくりも頑張らないとですね」


「え? カナタさんも作るんですか? タダシさん達だけではなく?」


「そうですよ~、ギフトを覚えたいと思いましてね」


「本当に多才ですね・・・羨ましいです」


 そんな他愛も無い話をして工房まで送り、急いで屋敷に戻る。


 そのままの勢いで、ダイニングへ。

 そこには、鉄板や良くわからない部品などがたくさんあった。


「すみません、今戻りました。早速ですが・・・何やってるんですか?」


「見て解らんか? パンを焼くオーブンを組み立ててるところだ」


「いえ、全く分かりませんが・・・いえ、何でもないです。終わりしだい出発しましょう」


「カナタ君、お願いがあるんだけどいいかい?」

 アヤコさんに、いきなり後から声をかけられる。


「うぉ! ビックリした・・・ふぅ、なんでしょう?」


「驚かせて悪かったね・・・お金が欲しいんだけどいいかい?」

 アヤコさんが、ばつの悪そうな顔で言う。


「何に使うか聞いてもいいですか?」


「布の染色さね。塗料も魔物素材でね、驚くほど高くてね・・・お金がなくなっちまって・・・」


「そうなんですか? 皆のためのお金なら、言ってくれれば渡しましたよ! 自分のお金を自分の事以外に使わないでください!」


「なんとなく言い難くて・・・すまないね」


 アヤコさんとそんな会話をして、とりあえず金貨を3枚渡す。

 あとで、お金をもう少し渡さないとなぁ・・・リョウタロウさんにお願いして置くかな。


 その後少しして、Lvを上げ(Lv22.Lv21)にいき、ギルドへ換金をしにいく。


「クラン【ソメイヨシノ】の皆さん。緊急依頼が入っています。2階の部屋までお越しください」

 セレネさんが換金が終わるとそう言う。


「へ? 自分たち10級ですが?」


「ギルドマスターから言付けを預かってるだけなので、どの様な依頼なのかは解りません。2階へお願いします」


 言われるがまま2階のギルドマスターの部屋へと向かい、扉をノックすると「入ってください」と返事が返ってきた。

 促されるまま部屋の中へと入ると、そこは向かい合ったソファーとテーブル、奥には仕事用の机があった。

 仕事用の机に書類が少し乗っていて、それに目を通しているギルドマスター。


「お久し振りね、カナタさん、そしてソメイヨシノの皆さん」


「お久しぶりです、ギルドマスター。私共が呼ばれた理由は何でしょうか? 全く解らないんですが・・・」


「そんなに畏まらなくて大丈夫よ。皆さんには簡単な依頼だから大丈夫だと思うわ」

 そう言うとギルドマスターはにっこりと微笑む。

 睡眠時間は、成人で7時間必要と言われています。


 7時間よりも少ない睡眠時間だと、借金のように疲労などが体に蓄積がされていき、病気になりやすくなると言うことです。

 余り無理せずに、寝るのが1番いい事なんでしょうね・・・できるかどうかは別にして。

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