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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
93/406

第69話 コンクリート

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます


9/25 改稿あり 加筆あり

 協会に行き、Lvを上げる(Lv21.Lv20)

 そして、ギフトを確認する・・・やっぱり、魔力眼とマジックバッグ化のギフトが手に入っていた。

 良し! この調子でガンガン覚えよう!

 ギルドに行きランクを上げる(10級、11級)、そして解体場へ。

 いつものように、エミルさんは暇そうにたたずんでいたが、こちらに気が付き少し話して解体を頼む。

 解体場の端っこに、いつも通り魔物の死体を出す。


「これはまた・・・派手にやったみたいだな」

 エミルさんは頭をかきながら、マジックボックスから色んな魔物を出しているのを見ている。


「はい・・・大丈夫そうですか?」


「どうだろうね・・・頑張って明日の朝までに終わらせるようにはするが、やってみなきゃ解らんよ」


「分かりました、無理しないようにして下さい。売る物と持って帰る物は、いつも通りにお願いします」


「了解だ! ちょっと、質問があるんだがいいか?」


「はい? 何でしょう?」


「料理屋を作らないのか? から揚げを・・・いや、高いのは解ってるんだけどさ、もう一度食べたいんだよ」


「そうですね~、計画はしてるんですけど、まだですね」


「出来ることになったら言っておくれよ、楽しみにしているから」


「はい、了解です」


 そんな会話をして、解体場を後にする。

 やはり、料理屋も平行してやって行かないとなんだよなぁ・・・


「カナタさん、僕が大進行の情報集めてきますので、出かけて頂いてもいいですよ」

 リョウタロウさんに声を掛けられる。


「いいんですか? 本当に助かります。木工の事務所か骨細工の事務所にいると思います。何かあれば呼んで下さい」


「分かりました。何かあったらすぐ呼びますので、いってらっしゃい」


 みんなと別れ、木工の作業場に向かう。


「ミミリさーん、いますか~?」


「はいはいは~い、いますよ~・・・って、カナタさん」

 こちらの顔を見るなり、ミミリさんは驚きの顔をする。


 何でそんなに驚いているんだ?


「どうしたんですか?」


「いえ、木材を持ってきてくれる業者の方かと思ったんです。何かありました?」


「見積もりを知りたいなって思ったんです。食堂と言いますか、屋台と言いますか、そういった物を作ろうと思っているんですが」


「大きさがどのくらいか解らないと何とも・・・ところで、全部木造で作るのですか?」


「それもどうするか考えているんですけど・・・」


「でしたら石造りとかレンガ造りの方がいいのでは無いですか? 耐久年数が違いますよ」


「そうなんですよね。この国にコンクリートでもあればいいんですけど」


「え? 良く知ってますね。城壁の石の間に入ってるのがコンクリートですよ」


「え? あるんですか? コンクリート」


「水に混ぜて固まる砂ですよね? それならありますよ?」


「え? コンクリートだけで家を作ったりはしないんですか?」


「え? しませんよ? 石の方が強いじゃないですか」


 なるほど・・・鉄筋コンクリートは無いのかな?


「なるほど、ありがとうございます。勉強になりました。あと、コンクリートは誰でも手に入れられますか?」


「買えますよ~。しかも在庫はあまりまくってたと思いますので、かなり安いはずです」


「そうなんですか? 何処で売ってるんですか?」


「お店で売ってるわけじゃないんですよ。知り合いの職人さんなので、必要なら私がお屋敷に向かうように言ってあげますよ」


「良いんですか? 本当に助かりますよ、その時はお願いします」


「はいはいは~い! そうだ! 櫛の売り上げの利益を少し渡したいんですけど、今渡しちゃっていいですか?」


「いえ、要りませんよ・・・いや、木材を融通して貰う方がありがたいですよ」


「そんな事でいいのなら喜んでお渡ししますよ。何か欲しい木材ありますか? 在庫にない物なら頼んでおきますから」


「ん~そうですね。オーク材ありますか?」


「ありますけど、何に使うんですか?」


「聞いた話だと、お酒を造るらしいですよ。それでオーク材の樽が欲しいのです。後はいつもの燻製用の木材ですね」


「ワインとかですか? いえ、お酒が好きなわけでは無いのでいいです。前に作った樽がありますけど持っていきますか?」


「良いんですか? 凄く助かりますが」


「問題になりませんよ。すっごく儲けさせていただいたのでお礼も兼ねてですし、何よりあまり物で倉庫にあるものですし」


「こっちが助かったのは間違いないんですから、ありがとうございます」


「持って帰れますか? かなり大きいですが」


「マジックバッグを持ってきたので大丈夫です」


「お金持ちになったのですか? いえ、今は売ってるところもほとんど無いはず」

 ミミリさんは、不思議そうに首をかしげる。


「あ、ギフトを覚えられたんですよ」


「なるほど、そうだったんですね。あ! あとでヒリスちゃんのところにも行ってあげて下さいね」


 樽をマジックバッグの中にしまい、ヒリスさんの下へ。


「ヒリスさ~ん、いますか~?」


「いらっしゃい、カナタさん」

 ヒリスさんが、疲れた顔をしながら出迎えてくれる。


「この前はすみません、いきなり帰ってしまって」


「いいよいいよ、かなり助かったもん。しかも甲羅そのまま削りだしているのなんて、驚くほど高額で売れたし、いくら渡せばいいのか解らないくらいだよ」


「今のところはお金に困っていないので、要りません。しいて言うなら、色んな材料が欲しいですね。もちろん、鼈甲が欲しいですけど」


「グランドタートルの甲羅なら腐るほどあるから持ってっていいよ。削りだしはやって無いけど、カナタさんなら問題ないでしょ?」


「そうですね。でも、本当に持って行っても良いんですか?」


「うん、半分位なら持ってっても良いよ。いっぱいあり過ぎておき場所に困ってるくらいだから」


「え? 全部でどの位あるんですか?」


「他の商人からも発注を受けたから、追加で討伐依頼したら・・・100個以上はあるよ。安いからいいんだけど、削るのはしんどいんだよねぇ」


「え? そんなに依頼を出したんですか?」


「特に数の指定しないで、依頼を出しただけなんだけどね。弱いし、新人でも狩れるからだと思うんだけど・・・ここぞとばかりに、邪魔になってるタートルを片っ端からやっつけてるみたいでね」

 ヒリスさんが笑顔になり両肩に手を置いてくる。


「が・・・頑張ってください」

 俺が逃げようと後ろに下がろうとするが、その分ヒリスさんが近寄ってくる。


「ちょこっと手伝ってくれるだけで良いんだけど・・・ねぇ・・・」

 顔はニコニコしながら、鬼気迫る雰囲気をかもし出す・・・いや、手伝いませんって・・・


「今は大進行のほうで忙しいので、手伝えませんよ」


「あぁ・・・なるほど、そっか~・・・残念! 甲羅は勝手に持って行っていいよ。まだまだ来るし」


「ありがとうございます。遠慮なく貰っていきますね」


 グランドタートルの甲羅を10個ほど貰って、屋敷の帰路に就く。

 かなり怖かったなぁ、手伝った方がよかったかな? いや、優先順位を間違えちゃ駄目だな! 最初の目標は、英雄になる事! その為にも色々な魔物との戦いを経験しておいた方がいいだろう。

 それにしても、ちょっと手伝っただけなのに、お返しがでかいなぁ・・・まぁ、貰える物は貰うけど。


 屋敷に着くと、昼食を食べているところだった。


「ただいま~、少し遅くなっちゃったみたいですね」


「今食べ始めたところだから大丈夫だ。カナタもサラダうどん食べるか?」


「もちろん、いただきます」


「それで話はどうなった? 食堂はどうにかなりそうか?」


「あ! そうですそうです! コンクリートがあったんですよ! それで作ろうかと」


「そりゃあ良いな! これで問題解決だな」


「そのコンクリートって、古代ローマで使われていたものですか?」

 リョウタロウさんが首をかしげながら言う。


「いえ、解りませんけど・・・コンクリートって種類あるんですか?」


「はい、ありますよ。コンクリートというかセメントですが・・・」


「へぇ~・・・ん? あれ? 古代ローマで使われていたんですか?」


「はい、そうですよ。パンテオンって知ってますか?」


「何ですか? 聞いたことあるような?」


「神殿ですよ! かなり有名な古代ローマの神殿」


「はぁ・・・それがどうしたんですか?」


「建築されたのは紀元前で、現存する鉄筋を使用していないコンクリートの建造物です。えっとですね、日本のコンクリートの対応年数は100年ですので、何倍もの強さを持っていることがわかると思います」


「え? 鉄筋を使ってない? じゃあ、鉄筋を使えばもっと強くなる可能性があるってことですか?」


「あくまで可能性ですよ! 強さは変わらないかもしれませんし、逆に脆くなることもありえます」


「建築関係の専門家が居れば良かったんですけどね・・・」


「そうですね、お役に立てなくてすみません」


「いえいえ、強度が強くなる可能性が見えただけで、かなりの成果ですよ」


「ありがとうございます。あとはブラックビーフが草原近くに来ているみたいですよ」


「おお! 牛肉! 欲しいですね」


「ああ、もの凄く欲しい! 食材は腐らなければ、いくらあっても困らないからな」

 タダシさんが言いながら、サラダうどんを持って来てくれた。


「ただ、問題もあるのです・・・上位種であるクシノブラックビーフが出たといってました」


「リョウタロウさん、そいつは強いんですか?」


「アルセントバードと同じランクです」


「それなら倒せないことはなさそうですね。じゃあ、肉を取りに行きましょうか!」


「おう! 戦闘なら任せろ!」

 ショウマ君が、笑顔で言う。


 準備をして、皆で牛の群れに向かって出かけていく。

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