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努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
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第68話 ジャガイモの成長

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます


9/21 改稿あり 加筆あり

 屋敷に着くと、屋敷に明かりがついている・・・帰ってきたときに明かりがついていると安心するね。


「ただい・・・ま?」

 玄関を勢い良く開け中に入り、大きな声で挨拶しようとしたが、目の前に人影があり変な声になる。


「遅いぞ! 何処に行っていたのだ!」

 そこには、フランソワーズ様が仁王立ちしていた。


「えっと・・・セントバードの肉を取りに?」


「何! では、から揚げができるのか?」


「残念ながら解体はしていないので・・・」


「から揚げだったら、エルセントバードの肉があるからそれで作ってやるから・・・な」

 タダシさんが、後ろから助け舟を出してくれた。


「うむ、解った」

 フランソワーズ様が、嬉しそうな足取りでダイニングを目指す。


 フランソワーズ様に気を取られてしまい気が付かなかったが、後ろにセードルフ達もいた。

 軽く会話をして、ダイニングへ向かう。


「知っての通り、ラネアの大進行がもう直ぐ始まる・・・そこでだ、表彰は進行が終わってからで頼みたい。よいか?」


「もちろんです・・・が、大進行について教えていただいても?」


「うむ、解った。ラネアクロウラーは知っているな?」


「もちろんです、畑の肥料に使っているみたいですし」


「うむ、ラネアクロウラーは色々な魔物の好物なのだ」


「そういえば、セントバードも食べていましたね」


「ラネアクロウラーは繭になるとき何故か草原に来るのだ。それを狙って多くの魔物も来てしまい、魔物同士での食い合いや人の里への進行などが起こってしまう。これが大進行だな」


「ウェーブの小さい版という認識であっていますか?」


「そうとも言えるが、ウェーブのように統率する魔物もおらず、その為先程言ったように共食いをする。その隙を狙える分、楽ではあるぞ」


「なるほど、では何故大進行が近々起こると解ったのですか?」


「セントバード、ラムダーマトン、ブラックビーフ、オーク、ジャイアントアントなどが草原に集まりだしたからだ」


「ほとんど食べられそうな名前なんですけど・・・」


「その通りだ! ほとんどの魔物が食べられるぞ! しかも美味い」


「そりゃあ良い、いろんな食材が集まるのか!」

 タダシさんが、嬉しそうに声を上げる。


「今回は兵士を総動員する予定なのだが、いつもより数が多いのだ」


「なるほど、倒した魔物は勝手にもって帰ってしまってもいいのですか?」


「もちろんだ。だが、ギルドカードとの照らし合わせを行うので注意が必要だ」


「素材だけ取る不届き者がいるんですか・・・なるほど」


「横取りするものもいるからな、注意が必要だ」


 そんな話をしていると、良い匂いが漂ってくる。

 ぐぅ~と、フランソワーズ様のお腹がなる・・・聞こえなかった振りをした方がいいか?

 一瞬そういう考えが浮かぶが、みんなの話し声がピタッと止まり、どっと笑い声が上がる。


「し・・・仕方なかろう! ずっと待っておったのだ!」

 フランソワーズ様は、真っ赤になってアワアワしながら答える。


「す・・・すいません、食事の用意をしちゃいましょうか」


 そう言うと、食器やパン、サラダ、スープを出して貰い並べていく。

 揚げたてのから揚げが出てくると、皆で夕食となった。


「そういえばグロスさんがいませんが、どうしたんですか?」


「グロスは、城で倉庫整理をしているはずだぞ」


「倉庫整理ですか? 何故今になって?」


「大進行時にバッグがいっぱいでは勿体無いだろう? なので整理をしておる」


「なるほど、大変ですね~」


「そうだな、今は機密のものなどが多いので、一気にやってしまわんと何があるか解らんからな。そうだ! 大進行が終わるまで王城に来なくてもよいぞ、何も出来んしな」


「解りました、ありがとうございます」


 機密・・・機密か・・・あぁ、ペニシリンとかの事かな? カビをそのままにしておくのは衛生上良くないしね。

 そんな話をしながら食事の時間を楽しく過ごした。

 食休みをしているときに、ミズキさんから声をかけられる。


「カナタさん、ダイヤの作成魔法出来たんですが、最初に確認のため私が作ってもいいですか?」

 ミズキさんが、やる気に満ちた顔で言う。


「もちろんいいけど、材料はあるの?」


「う~ん・・・そうですね・・・どうしましょう?」


「あまりしたくは無いけど、素材のかさ増しかな?」


「そうですね、それで作ってみます」


「やり方は、出来るまで教えてくれないの?」


「もちろんです! 魔法を最初に試すのは私です! そこは譲れません!」


「そっか・・・じゃあ、頑張って成功させてね」


「はい! もちろんです」


 会話に夢中になり、皆が食事の後片付けをしている。あらら、ミズキさんと会話をしてて気が付かなくて、ごめんなさい。

 片づけが全部終わり、やはりマジックバッグのギフトが欲しい! と思いユカさんとリョウタロウさんに協力して貰い、修行を開始する。


 自分でも魔力眼? をONにして、じっくり観察してみる。確かに、ユカさんの言っている通りだ。

 では、何が違う何故違う? 魔力の込め方、魔力の流れ・・・ん? 同じようにしようと気を取られ過ぎなんじゃないのか?

 目をつぶり、大きく・・・広くなるのをイメージしながら、練習したように魔力を流す。

 目を開けると、バッグの中が黒くなっている。


「出来た・・・出来たよ! やった! よっしゃぁ! 出来た出来た!」


人目も気にせずに喜ぶ。


「おめでとうございます! やりましたね!」

 ユカさんが拍手をしてくれた。


「これで、いろいろ出来ますね!」

 リョウタロウさんも拍手をしてくれた。


「ですよね! ですよね! 嬉しいな~」


 あれ? 少し冷静になってくると、恥ずかしくなってくるな。


「2人とも、本当にありがとうございます」


「いえいえ、大丈夫ですよ」


「良かったです。おめでとうございます」


 明日は朝一にギフトの確認へ行かなくちゃ。すっごく嬉しいな~。

 一応、ポケットもマジックバッグになるか挑戦だ! もの凄い達成感だな~、嬉しい。

 色々やって、疲れたため寝ることに・・・ マジックバッグは結局、蓋や紐で閉じる構造で無いと出来ないようだった。

 はっ! 花町! 忘れてた! あぁぁぁぁ、寝るか・・・


 次の日の朝、いつもの時間に起床する。

 朝早起きするのは慣れてるからいいけど、目覚まし時計とか欲しいな・・・アカネさん作れないかな?

 そんな事を考えながら、ダイニングへ向かう。


「おはようございます」


 中にいる、ヨシさん、セードルフ、ミランダと挨拶をしてタダシさんと話す。


「おう、おはよう。いつも早いな」


「早起きは習慣ですね。今日も色々作ってるんですね」


「ああ、今日も手伝ってくれるか?」


「いえ、今日は組み手をしますよ」


「ああ、了解だ」


 そう言うと、外に出て柔軟し、畑の様子を見ながら走る。

 驚くほど成長してるな・・・もう収穫できるんじゃないか?

 でも、植えたのいつだ? どうなってんだろう? やっぱり成長が早いとかかな?

 そんな事を考えながらランニングを終えて、屋敷に戻り朝錬をする。


「ショウマ君、頼みがあるんだけど」


「うん? 何だ?」


「圧力を俺だけに掛けながら、朝錬してくれない?」


「動きが悪くなるだけだろ? 意味あるのか?」


「まず1つ、ショウマ君が敵だけに圧力を掛けられるようになれば戦闘が楽になる。

 2つ、他の人が圧力を持っていた場合、それに対応しなきゃならないから慣れておきたい」


「おう、分かった、いくぞ!」


 圧力を掛けてもらうが、全員にかかってしまった・・・最初はこんなもんだろう。

 頑張って1人に掛けようとしているが、全く成功しない・・・


「難しいな・・・どうやるんだ?」


「最初はそんなもんでしょ・・・範囲を見えてるところだけにするように意識してみたら?」


「ううん? 難しいな・・・まぁ、やることが出来たってのはいいことだ、マスターしてやるぜ!」


「うん、頑張ってね」


 新たな課題が発生したが、朝食ができたのでダイニングへ。


「タダシさん、ジャガイモなんですけど、異常に成長してませんか?」


「あぁ・・・すまん」


「え? 何ですか?」


「魔法使っちまった・・・木の魔法の成長促進を肥料に・・・」


「なるほど、それで異常な成長をしてたんですね」


「儂もあそこまで成長するとは思ってなかったんだ」


「もう直ぐ収穫って感じでしたもんね」


「クロウラーが液体肥料のようになって、付加魔法のように魔法がかけやすかったぞ。しかもこの肥料を使うと、土地も痩せることなく作物を増やせる。簡単に言うと異常だな」


「今の現状では、異常だろうとすがる事しか出来ませんから、感謝だけしておきましょう」


「そうだな、やれることをやるしかないよな」

 タダシさんは苦笑しながら頷く。


 色々やることが多くて大変だぁ・・・1つ1つ終わらしていこう。

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