表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
努力の実る世界  作者: 選択機
第2章 ティンバー・ウルフローナ王国
89/406

第65話 勉強

ブックマーク・評価 本当にありがとうございます


9/10 改稿あり 加筆あり

 勉強している部屋に入ってみると、皆こっちに注目する・・・そりゃそうだ・・・

 みんなを見ると、紙ではなく木の板の上の薄い木のような物に書いている・・・何だろう?

 近づいて良く見ると・・・木の皮? カンナで薄くそいだ物か? インクは前買ったもので・・・羽ペンは、セントバードの羽か。

 やっぱり書くと滲むんだなぁ・・・紙か・・・う~ん、TVで見た事はあるけど自分で作れるのか? どうだろう? 時間ができればやってみるか・・・時間・・・出来るのか?

 時間が過ぎ、お昼近くになるとヨシさんに呼ばれる。


「カナタ君、子供達に菓子パンを作ってあげたいんだけど、いいかしら?」

 ヨシさんが頬に手を当てていう。


「もちろんいいですよ」


「もう昼近くになるのか・・・儂らの昼ごはんは、パスタか・・・ラーメンか・・・悩むところだな」

 タダシさんが、ボソッと独り言を言う。


「何!? ラーメン! 出来るのか? タダシさん」

 ショウマ君が立ち上がりタダシさんに聞く。


「ラーメンいいですね! 久々に食べたいですね」

 リョウタロウさんも頷きながら言う。


「パスタが良~い! ラーメンより~パスタが良~い!」

 アカネさんが手を上げて言う。


「解ったわ、両方作りましょうか。余ったらリョウちゃん、マジックボックスにしまえるでしょ?」

 ヨシさんが手を一度たたき言う。


「はい、もちろんです。魔力が増えたので、かなりの大きさのマジックボックスになりましたよ」

 リョウタロウさんが言う。


 あれ? マジックボックスって今日確認したギフトなんじゃないの? 大きいのって直ぐ作れるものなの?


「リョウタロウさん、マジックボックスを既に持ってるんですか?」


「はい、持ってますよ。ただ、今日ギフトを確認したので、今までマジックボックスだと言う確証が無かったので報告しませんでした」


「2つ同時に・・・えっと、マジックバッグを持ちながら、マジックボックスも持てるんですか?」


「はい、持てますよ」


「もう1ついいですか? マジックバッグをマジックボックスに作り変える事もできるんですか?」


「無理でしたね。一度解除したら出来るみたいですが・・・」


「いつ位から作ってたんですか?」


「昨日ですよ。グロスさんにマジックボックスの話を聞いてたのを思い出しまして、何となくやってみたら出来たんです」


「なるほど、やはりマジックボックスは時間が止まるんですか?」


「はい。一応、氷を入れて確かめてみてましたよ。止まってるとは思うんですが、どうなんでしょうか・・・時間が止まるって言うのは違和感がありますよね」


「そうですよね~、便利なものって事でいいですかね」


「そうですね、それでいいと思います」


「話はその辺にして、さっさとやっちまうぞ! パン作りは、ヨシとカナタ、ミランダでいいか?」

 タダシさんが、手を叩き指示を出す。


「畏まりました」「はい、もちろん」「ええ、かまわないわ」

 俺達は、頷きながら答える。


「他は、儂らの手伝いをしてくれ。子供達は、折角だから作り方を見て覚えてみてくれ」

 タダシさんが、腕を組んで言う。


「「は~い」」

 子供達はいっせいに声を上げる。


 そんなこんなで、お昼とパンを作り始める・・・作ってるときに言える事は、魔法って便利!


「そういえば、何で窯だけ薪・・・いや、炭? 何でしょうね?」


「窯の魔道具もあるらしいが、人族の国と余り良い関係では無いらしいから、この国には回ってこないらしいぞ」

 タダシさんは、全員の動きをみながら言う。


「ケイタ君、タクミ君、作れない?」


「窯の素材は粘土じゃないんですか?」

 ケイタ君が言う。


「そっか・・・でも、家庭用オーブンとかみたいにさ」


「なるほどな・・・コノミ、後で細かく言うから、書いてみてくれるか?」

 タダシさんが思いついた様に言う。


「はいは~い、了解でっす! ご飯食べてからでいいですよね?」

 コノミさんは、食材を切る手を止めて言う。


「ああ、頼む」


「結局また作るハメに・・・アカネさん」

 ケイタ君は疲れた様な表情をしながら言う。


「は、はい! 何ですか?」

 アカネさんは、いきなり呼ばれてビクッとしてから言う。


「聞いていた通り、オーブンの回路などお願いします」


「はい! 頑張ります」


 話もまとまった所で、パンを焼きながら、パスタソースとラーメンスープを温める。

 ふと気が付く・・・コンロ(IHのプレートのような物)が増えてることに・・・


「これ、このコンロどうしたんですか?」


「それ~? あたしが作った~」

 アカネさんが手を軽く上げて言う。


「そうだ。しかも火力調整機能つきだぞ」

 タダシさんがニヤリとしながら言う。


「でも~ピンク鳥と紫鳥の魔石を~使っちゃったけどね~」


「アカネさん! グッジョブ」

 親指を立てて笑顔で言う。


「ギフトがあるから見るだけで火力は分かるが、一定の火力にするために、鍋を動かしながら調理するのは大変でな。アカネに作ってもらったんだ。持ち運びも出来るから便利だぞ」

 タダシさんが言う。


「これがあれば外で調理する事も出来ますね」


「ああ、外か・・・外国に行き、米を探したいな」

 タダシさんが遠くを見る様に呟く。


「折角ですし、観光もしたいですね」

 リョウタロウさんが、楽しそうに言う。


「そういえば、リョウタロウさんは旅行が趣味なんでしたっけ?」


「はい、そうです。この街も色々見て回ってて、本当に楽しいですよ」


「エルフの国に行くってなったら、行きたいですか?」


「もちろんです! 行きたいですよ! バスも回収したいですし」


「あ~・・・そういえば、バスの回収してないですね・・・」


「皆さん色々と忙しそうでしたし、仕方ないですよ」


「やっぱりPTを2つにして、行動をばらばらにした方がいいのかなぁ・・・」


「話はそれくらいにして、麺を茹でるぞ。どっちを食べるか選んでくれ」

 タダシさんにそう言われ、思い思いの方に分かれて並ぶ。


 行列の出来る料理店って感じだな・・・料理するときのタダシさんヨシさんって、本当に行動すべてが早いよなぁ。


「カナタ君、子供たちにも食べさせて良いかしら?」

 ヨシさんが、聞いてくる。


「はい、もちろんですよ」


 子供達は結局決められないのか、ハーフハーフにすることとなった。


「「いただきます」」


 俺達は何の違和感も無くそう言うが、子供達は頭に疑問符が沢山付いている顔をしている。


「儂らの故郷のしきたりみたいなもんだ。自分が生きるために、命をいただきますって意味だぞ。出来るならやった方がいい」


「「はい! いただきます!」」


 初めて見る食べ物に最初は驚いていたが、一口食べると美味しいと解り、一気に無くなっていく。

 おかわりを言っていいのか分からないみたいでソワソワした子がいたが、ヨシさんとアヤコさんがさりげなく聞き出して、おかわりをあげていた・・・母親は凄いね。


「そういえばタダシさん、ラネアスパイダーってどうなりました? 肉を貰ったんですよね?」


「皆の家に配っちまったぞ? なにか不味かったか?」


「いえいえ、それで良いんですけど、行方が知りたかっただけです」


「あのね! スパイダー貰ったの! 美味しかった」

 子供達が、美味しかったと感想を言っていく。


「そっか~それは良かった。また取ったら持って行くね」


「本当? いいの?」「やった~」「いつ? いつなの?」

 などと子供達が騒ぎ出す。


「皆に配れるくらいとってくるよ。皆と約束ね! 皆は、お父さんとお母さんの言うことを良く聞いて、いい子にしているんだよ」


「「解った~、いい子にしてる」」


 こんな会話をして食事を終えると、ユカさんと一緒に王城へと向かう。

 まだファウストさんが来ておらず、時間があったため、昨日のペニシリンがちゃんと出来てるかどうか確認して貰う。


「えっとですね、ここにある物が効果小のものです。こっちにあるのが効果中で、この10本が効果大ですね」


「なるほど、やっぱり効果はバラバラなんですね」


「そうですね、でも、これだけあれば多くの人を治せますね」


「保存できる期間って言うのは解りませんか?」


「流石に解りませんね。ですが、ポーションも半年以上大丈夫と聞きましたよね?」


「そうですね~、開封しなければ半年はもつって事ですかね」


「たぶんそういうことだと思います。私にも作り方教えて貰っていいですか?」


「もちろんですよ。じゃあ、暇つぶしに作っておきましょうか」


「はい、お願いします」


 魔法があるため、ファウストさんよりスムーズに作り終わり、容器に入れていく。


「容器をもっと持ってきますね、確か隣の部屋に置いておいてくれるって事でしたので」


「ありがとうございます。お願いします」


 隣の部屋を見ると、木の棚が出来上がり、容器の入っている木箱と、スライムパウダーの入った樽が所狭しと並んでいる・・・何本作る気なんだ?

 木箱の1つを持って帰り、容器に詰めていく。


「陛下に頼んで容器を少し貰います? 俺達もストックを持っていた方がいいと思いますし」


「でも、そんな事できますか?」


「そうですね~、借りはあまり作らない方が良さそうですね。屋敷に帰ってから作りますか」


 そんな会話をしていると、ファウストさんが走ってきた。


「遅れて申し訳ありません」

 ファウストさんは、入ってくるなりジャンピング土下座をする。


 やりなれてるのか? かなり綺麗な姿勢なんですけども・・・見なかったことにするか。


「いえいえ、じゃあ、昨日の続きをやっちゃいましょうか」


「はい、お願いします」


「一応昨日作った物を、効果別で並べてあります。羊皮紙に書いて上においてあるんで解りますよね?」


「はい、素晴らしい! 効果まで違う物ができるとは・・・本当にすばらすぅぅぅぅうぃぃぃぃぃ!!」


「一応マスクしてください! つばが飛びます」


「大変申し訳ありません」


 ファウストさんは、カビを増やす以外の事は全く問題なく出来るようになった。

 報告はファウストさんがやってくれるといっていたので、先に帰らしてもらう。

 カビを増やす部屋の事も言ってくれるようだ。

 屋敷に帰っても良かったがまだ早いので、大将軍のその後の容態を見に行くことになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ